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転生したら最初は杭でした。何度も生まれ変わって、最後は人間になります?  作者:


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12/33

橋に迫る火

毎日、かなりの人数が橋を渡っているぞ!


人が歩いて。馬車が通って。

商人が荷物を運んで。

旅人が向こう岸へ渡っていく。


いやぁ、人の役に立ってるな!


これなら、すぐに神力も貯まるんじゃね?

杭から標識だった頃は、自分が本当に役に立っているのか、いまいち分からなかったからなー。


標識として村への道を教えても、誰かが俺に感謝してくれるわけじゃない。


でも橋なら違う。


毎日、人が俺の上を渡っていく。


「助かるなぁ」


「橋ができて便利になった」


そんな声も聞こえる。


橋としてのやりがいがあるぜー!


しかも、この橋には門番まで立っている。


橋の近くに小さな詰め所があって、何人かの兵士が交代で見張っている。

守られている感もある。


平和だー!


俺は橋として、しばらくここで頑張れそうだ。



夜。


昼間と違って静かになった。


……と思っていたんだけど。意外と人通りがあるんだな。旅人らしき人が歩いている。

馬車も少しだけ通る。


昼間ほどではないが、それなりに人がいる。


「月明かり、綺麗だなぁ~」


橋の上から見る夜空。

川に月が映っている。

なんとも風情がある。


そんな景色を楽しんでいると――


ん?何か近づいてくる。小舟?

夜にも小舟が出るのか。


夜釣りかな?


小舟が川を進んでくる。

そして――俺の橋桁の近くで止まった。


……ん?何かを橋桁に掛けたぞ?


何だ?ロープか?


いや……。


「…………」


嫌な感じがする。そして次の瞬間。


ボッ!


「げ!?」


火!?


まさか――油を掛けたのか!?

橋桁の一部が、炎に包まれた。


ちょっと待て!俺、木製なんだけど!?

これ、めちゃくちゃ燃えるんじゃないか!?


よく見ると、川の小舟に乗っている連中。


昼間に、


「橋反対!」


と騒いでいた連中じゃないか!


ヤバい!ヤバい!俺、燃やされる!


門番!気がつけ!!


「うーん!うーん!」


……って、声が出ない!当然だ!


俺は橋だ!


どうにか知らせたい。

身体を動かすこともできない。

それでも必死に何かを伝えようとする。


ギシィ……。


橋が大きく軋んだ。

その音が、夜の静かな川辺に響く。


「……ん?」


門番が顔を上げた。


「何だ? 橋から音が……」


よし!気づいた!


「ギシ……ギシィ……」


「……?」


門番が橋の下を覗き込む。


そして――


「ん!?貴様ら! そこで何をしている!」


小舟の男たちが慌てて顔を上げた。


「なっ……!」


「どうした?」


別の門番も駆け寄ってくる。


「橋桁に火をつけようとしているぞ!」


「なに!?」


門番たちが一斉に武器を構える。


「弓を構えろ!」


「はっ!」


橋の上から、弓を持った兵士たちが小舟へ狙いを定めた。


俺は、ただの橋。


自分では何もできない。でも――今度こそ、俺は人の役に立てるかもしれない。


そして何より。

燃やされるのだけは勘弁してくれ!

俺は必死に橋を軋ませ続けた。

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