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理由


あとがきに大切なお知らせがあります!

ぜひ最後までご覧になってください!


 次の日、俺はミリアと共に再度王都へと向かうことになった。


「ミリアはグレン達と一緒にいなくて良かったのか?」


「へ? なんで私がグレンと一緒にいる必要があるの?」


 仲良くなってはいたが、どうやらそのまま行動を完全に一緒にするというほどではないらしい。

 女心は複雑だ……何を思っているかすぐに顔に出るアリアが懐かしいぜ。


 ミリアは表情筋が息してないし声も常に平坦だから、マジで何考えてるかわかんないんだよな。


(久しぶりに会えると思うと、ちょっと喜んでいる俺がいるな)


 あんなことを言っておいてすぐに戻るのはなんとも俺らしいが、気が向いたら戻ってくるとは言ってたしな。


 いつ戻ってくるとは明言していない。それが半月、あるいは一月という可能性もあるということ……っ!


「そのまま王都に行くの?」


「そうだな、まずは王都周辺で必要なもんを色々と集めていく」


 今後のことを考えれば、ミリアや『アンタッチャブル』を率いているルーク達にもある程度の情報共有は必要。


 ミリアになら、何を言っても問題はない。

 そう思えるくらいには、この二年とちょっとで彼女と信頼関係を築けている。


「ミリア、今まで秘密にしてたんだが……実は俺には、ある目的がある」


「知ってる、世界征服でしょ」


「そう、我こそは覇王……って、そんな大それたもんじゃねぇよ!?」


 お前は俺のことを一体なんだと思っているんだ。

 誰よりも平和を愛してやまない鳩よりも平和の象徴である俺を捕まえて、覇王だなんて。

 我が生涯には、まだまだ悔いがありまくりだ。


「俺はこの世界のアイテムを集めて、強くて才能がある人間を育てる。グレンを育成したのもその一環だ」


「世界征服のためじゃないの?」


「そんなわけあるか、俺はただ普通に……」


 続く言葉をなんと言うべきか、改めて考えて少し迷った。


 俺はこの世界で何がしたいのだろうか。

 ゲーム知識を使って無双がしたいのか?

 そもそもグレンに成り代わりたい願望があるわけでもなし……。


 逡巡は一瞬、思っていたよりあっさりと答えは出た。


「普通に……そうだな、俺は普通にこの世界を楽しみたいだけだ」


 俺が大好きだった『ルモア・ファンタジア』の世界。

 生まれ落ちることができたのは、きっと前世を含めた俺の人生において、一番の幸運だったように思う。


 推しであるアリアにも会えたし、不幸になる前のミリアも助けられた。

 ゲームではネームドではなかった知り合いもたくさん増えたし、世界を救う英雄本人にも会って、なんなら稽古を付けて師匠面することもできた。


 力があり、知識がある。

 それなら俺にできる範囲で彼らを守りたいのは、この世界に生まれ落ちた一人の人間として当然の思いだろう。


 何せグレンが魔王に負けたらアウトだし、かといって何もしないまま時間が経過しすぎても人類の敗北は確定してしまう。


 俺が大好きなこの世界を滅ぼそうとする魔王は絶許。

 攻略wikiを頭に詰め込んだこのマスキュラー様が、圧倒的な頭脳でぶん殴ってやる。


「だからそれを邪魔しようとする魔王達を潰すために動くのさ」


「……グレン達を育てていたのも、そのため?」


「ああ、あいつらが来るべきタイミングまでに潰れたら困るんだよ」


「マスキュラーは、すごいね」


「ああ、俺もそう思うよ」


「そういう自信満々なところも格好いいよ」


「ワイトもそう思います」


「ワイト?」


 考えた結果、俺はまずオルドより前に王都の近くにあるボンビー伯爵の家に向かうことにした。

 記憶から引っ張り出した知識で、そこにあるアーティファクトがあることを思い出したのだ。


 『ルモア・ファンタジア』は基本的に魔物を倒してれば金に困ることはなかったので、つい思い出すのに時間がかかってしまった。

 そこに向かいあれを手に入れれば、金策をする必要がなくなる。


 しかも今のパワフルな俺にぴったりなアーティファクトとくれば、手に入れておかない理由がない。

 さあ、手に入れようか……『打ち出の巨槌』を!


新作の短編を書きました!


↓のリンクから読めますので、そちらもぜひ応援よろしくお願いします!

めちゃくちゃ気合い入れて書きましたので、ぜひご一読を!

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