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12/12

第12話 オムライスと、貴婦人のポメラニアン

 今日は、宇宙船で宅配作業をした。

 配達先のコロニーから、

 自動運転で、帰ってくるところだ。


 明日から、三連休。

 今日は、少し疲れた。


 いつも横になるソファーへ向かおうとすると、

 先回りして、

 くーちゃんが座っていた。


 まるで、貴婦人みたいに、

 優雅に。


 しかも、

 俺の頭の分だけ、

 きちんとスペースを空けている。


 こちらをじっと見つめて、

「ここで、寝ましょう」

 とでも言いたげだった。


 ……わかったよ。


 そうして、

 くーちゃんと一緒に、

 ソファーに横になる。


 そのまま、

 少し眠った。


***


 夢を見た。


 どこかの店で、

 洋食を食べている。


 ソーセージ、

 ロメインレタスのサラダ、

 オムライス。


 いくつか頼んで、

 シェアして食べた。


 あのオムライスが、

 やけに美味しかった。


 ふわふわの卵。

 濃厚なデミグラスソース。

 いいお肉も入っていて、

 とろけるようだった。


***


 ペロペロ。

 ペロペロ。


 がばっと起きると、

 くーちゃんが、

 俺の顔を舐めていた。


「こら」


 掴もうとすると、

 ぴゅーっと、

 慣性重力を使って、逃げていく。


 ……そうだ。


 今日は、

 オムライスを作ろう。


 火には、気をつけて。


 コンロに火をつけて、

 チキンライスを温める。


 卵を割って、

 かき混ぜる。


 卵にマヨネーズを入れると、

 ふんわりする、と

 どこかで聞いた気がする。


 少し、入れてみた。

 ふわとろを目指して、

 焼いてみる。


 出来上がったオムライスを、

 皿にのせる。


 ……見た目は、それっぽい。


 食べてみる。


 濃厚な気もするけど、

 まあ、普通の味だった。


 足元を見ると、

 くーちゃんが、

 また貴婦人のように、

 じっとこちらを見ている。


 評価でも、

 しているのだろうか。


 まあ、

 そういうこともある。


 三連休は、

 ゆっくり過ごそう。


 宇宙船は、静かに進んでいる。


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