第11話 牛丼と、リズムを刻むポメラニアン
今日は、宇宙船で宅配作業をした。
配達先のコロニーから、
自動運転で、帰ってくるところだ。
椅子でくつろいでいると、
後ろから、
なぜか、軽快な音が聞こえてきた。
シャッ シャッ シャッ
シャッ シャッ シャッ
シャシュ シャシュ シャシュ
シャシュ シャッ シャッ
……なんだ?
振り向くと、
くーちゃんだった。
ここ掘れワンワンの要領で、
ソファーベッドを、
やけにリズミカルに掘っている。
そして、
全力。
シャッ シャッ シャッ
シャッ シャッ シャッ
シャシュ シャシュ シャシュ
シャシュ シャッ シャッ
……ラッパーかな。
一通り、
演奏を終えたくーちゃんは、
満足そうに、こちらを見て、
にこっと笑った。
そこで、
俺の腹が鳴った。
……あ。
そういえば、と思い出す。
***
スペースポートの通りを歩いていたときのことだ。
何か、
ごはんを買おうと思っていたけど、
少し急いでいた。
すぐ近くにあった、
牛丼屋に入ることにした。
牛丼の弁当を頼んで、
食券を店員さんに渡す。
しばらく、待つ。
待っている間、
店内を眺めていると、
サラダ用のドレッシングが、
並んでいるのに気づいた。
こだわりの、
フレンチドレッシングらしい。
……牛丼屋も、
いろいろ売ってるんだな。
なんとなく、
一つ、買うことにした。
***
冷蔵庫から、
レタスを取り出す。
すると、
くーちゃんが、
くるくる回りながら、
こちらに近づいてきた。
そして、
レッサーパンダみたいに、
立ち上がって、おねだり。
何枚か、
ちぎって渡すと、
満足したみたいだ。
牛丼を、温める。
レタスのサラダに、
フレンチドレッシングを、かける。
まずは、
サラダから。
……うん。
濃厚だけど、
レタスには、合うかもしれない。
続いて、牛丼。
少し、
つゆが多めだけど、
それが、ちょうどいい。
サラダとも、
相性が悪くない。
足元を見ると、
くーちゃんが、
レタスのおかわりを、
期待している。
「……ごめんな。
もう、フレンチかけちゃった」
納得したのか、
しなかったのか、
くーちゃんは、
その場で座った。
何もない一日だったけど、
こういう日も、
まあ、悪くない。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
くーちゃんとの宇宙船の日常を、
少しでも「いいな」と思っていただけたら、
評価やブックマークで応援していただけると嬉しいです。
また次のごはんの時間に、
ふらっと遊びに来てください♪




