お泊り会は危険がいっぱい
第十五章 深夜の作戦会議
夜はまだ終わらなかった。
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「トランプやろう!」
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「まだ元気なの?」
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美月が呆れた顔をする。
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「もちろん!」
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ひまりは元気だった。
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異常なくらい元気だった。
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体力が無限らしい。
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その後も。
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トランプをしたり。
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クイズをしたり。
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くだらない動画を見たり。
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時間はあっという間に過ぎていった。
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そして。
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時計が日付を越えた頃。
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ついに限界が訪れる。
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「眠い……」
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最初に沈んだのは美月だった。
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「寝なさい」
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綾乃が苦笑する。
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「でも……まだ……」
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言い終わる前に。
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美月はクッションを抱いたまま眠っていた。
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早かった。
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非常に早かった。
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「寝るのも早いね」
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ひまりが笑う。
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だが。
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その十分後。
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「……すぅ」
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ひまりも寝た。
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口を半開きにして。
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実に幸せそうだった。
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「子供みたい」
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綾乃が小さく笑う。
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「否定できない」
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理央も珍しく同意した。
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その後。
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綾乃も眠気に負けた。
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「おやすみなさい」
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「おやすみ」
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そう言って横になる。
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長い黒髪が枕に広がった。
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絵になるな。
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そう思う。
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そして数分後には寝息が聞こえてきた。
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残ったのは。
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私と理央だけだった。
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◇◇◇
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静かだった。
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さっきまであんなに騒がしかった部屋が。
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嘘みたいに静かだった。
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時計の音だけが聞こえる。
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私は眠れなかった。
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環境が違うから。
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緊張しているから。
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理由はいくらでもある。
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「眠れないの?」
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理央が聞いた。
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「少し」
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「私も」
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意外だった。
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理央はどこでも眠れそうなタイプに見えた。
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「意外」
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「よく言われる」
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理央は小さく笑った。
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笑った。
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珍しい。
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本当に珍しい。
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◇◇◇
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少し沈黙が続く。
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不思議と気まずくはなかった。
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「理央はさ」
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私が聞く。
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「昔からそんな感じなの?」
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「そんな感じ?」
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「落ち着いてる感じ」
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理央は少し考えた。
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「どうだろう」
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そして。
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小さく肩を竦めた。
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「昔はもっと面倒だったと思う」
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「そうなの?」
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意外だった。
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「小学校の頃は喧嘩もしたし」
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「想像できない」
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「ひどい」
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少しだけ笑う。
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また笑った。
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今日だけで何回目だろう。
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学校ではほとんど見ない顔だった。
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◇◇◇
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「悠は?」
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今度は理央だった。
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私は一瞬固まる。
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質問。
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怖い。
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理央の質問は特に怖い。
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「普通だよ」
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「またそれ」
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即座に返された。
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「普通好きだね」
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「便利だから」
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「ずるい」
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それは否定できない。
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理央は少しだけ天井を見る。
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「でも」
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「?」
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「悠ってたまに無理してるよね」
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心臓が止まりそうになった。
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「え?」
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「なんていうか」
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理央は言葉を探す。
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「周りに合わせようとし過ぎ」
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思わず黙った。
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それは。
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ある意味正しかったから。
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誰よりも。
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私は周囲に合わせなければならない。
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秘密を抱えながら。
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生きているのだから。
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「考えすぎじゃない?」
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私は笑う。
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「そうかも」
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理央もそれ以上は言わなかった。
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でも。
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その言葉だけが心に残った。
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◇◇◇
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しばらくして。
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窓の外を見る。
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夜は深い。
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街灯だけが静かに光っていた。
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「楽しい?」
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不意に理央が聞く。
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「え?」
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「お泊まり会」
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私は少し考えた。
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今日一日を思い出す。
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駅前。
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ひまり。
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美月。
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綾乃。
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恋バナ。
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大騒ぎ。
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お風呂の危機。
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色々あった。
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本当に色々。
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だけど。
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「楽しいよ」
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素直に答えた。
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理央は少しだけ目を丸くした。
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「即答なんだ」
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「うん」
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それは本心だった。
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転校してきて。
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最初は戸惑うことばかりだった。
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秘密もある。
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不安もある。
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でも。
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今は違う。
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この時間は。
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嫌いじゃなかった。
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「そっか」
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理央は静かに頷く。
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そして。
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ほんの少しだけ。
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優しく笑った。
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「それなら良かった」
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その笑顔は。
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思っていたよりずっと柔らかかった。
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◇◇◇
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それから少しして。
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理央が大きくあくびをした。
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「限界」
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「眠そう」
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「眠い」
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即答だった。
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「おやすみ」
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「おやすみ」
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理央は横になる。
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数分後には寝息が聞こえてきた。
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私は一人で天井を見上げた。
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楽しかった。
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本当に。
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そのまま目を閉じる。
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知らないうちに。
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私も眠りへ落ちていた。
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そして誰も気付いていない。
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この夜。
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理央の中で芽生えた小さな違和感が。
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後に大きな疑問へ変わっていくことを。
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第十五章 深夜の作戦会議 完




