第142話 第27章 楽して儲けたい 4 キャラクタービジネス
モチオ:「俺は相談所なんてめんどいことはせん!! 楽してビジネスだって言ってるニャ!!」
モチオが鼻息荒く吠える横で、がり勉猫は分厚い論文を添削しながら、生返事を返した。
がり勉猫:「はいはい……。で、次のビジネスは何ですか、モチオさん?」
モチオ:「キャラクタービジネスだ!!!!」
コツ勉猫が少女漫画から一瞬だけ目を上げて、呆れたように言う。
コツ勉猫:「で、どんなキャラクターで?」
モチオ:「かの大手キャラメーカーの勢いは……とどまりことー知らない、時の中でー、いくつもの! キャラを出しているニャ!」
ネコロボ:「……モチオさん、さっきちょっとサクライさん入ってませんでしたか?」
モチオはネコロボの冷静なツッコミを無視して、大演説を続ける。
モチオ:「そこでだ! そんな寡占業界にたった一人で挑戦したパイオニア、『梨の先生』を見ろ!
奴はキャラクターの取り分を『総どり』するという、とんでもねービジネスモデルを編み出したんだ!!」
コツ勉猫:「なんか……ちょっと生々しくてリアル……」
ネコロボ:「ですね」
モチオ:「そこで俺が考えた奇跡のコンテンツがこれだ!!!
『どん底ライフ』!!!」
がり勉猫がガタッと椅子を鳴らして頭を抱えた。
がり勉猫:「それって、かの有名な大人気キャラクターのパクリですか!? あの、本当にもめごとになりたくないので、しっかり名指しだけは回避してくださいよ、モチオさん……!」
コツ勉猫:「パクリですわね、また……。で、肝心のキャラは? あっちの本家はみんな可愛いから人気なのよ? 私はあの『しっぽ』のキャラが好きかしら 超かわいい」
モチオ:「甘いニャ! 俺が考えたキャラクターのラインナップを聞け!!」
モチオはホワイトボードに、血の涙が流れていそうな設定を書き殴った。
・コップ替わりにされているプリンの空きカップ
・1DK風呂なしアパート
・45歳の自称ミュージシャン
・実家からの『帰ってこい』という未開封の手紙
・アナログ式の古い炊飯器
・なのに携帯だけは最新のiPhoneだ!!
ネコロボ:「……コンセプトからして、子供ウケするとは到底思えませんが」
がり勉猫:「可愛さより、現代社会の悲痛な叫びしか感じられません……」
コツ勉猫:「コンセプトはいいけど、実際のビジュアルはどうするのさ?」
モチオ:「しっぽの代わりに、プリンのカップでもお尻に差し込んどきゃいいだろ!! あと自称ミュージシャンなんて下北沢にゴロゴロいるから実写でいいニャ!」
がり勉猫:「投げやりすぎる……」
コツ勉猫:「でもさ……あっちの超大手のほう……ほら、白い猫の『ハロー』ってやつ。あっちはコラボ攻勢が凄いけど、対抗できます?」
その瞬間、モチオは血相を変えて人差し指を口元に当てた。
モチオ:「シーッ!!! それが、そもそもこの物語の登場人物が『ネコ』だから、かぶらないよう話題ごと全力で回避してるんだ!! そこには触れるな!! 絶対にだ!!」
――某世界的人気ネコキャラクターとの大型訴訟(リアルな破滅)を本能的に察知し、
このビジネスは秒速で断念された。




