第108話 俺だって転生、ラブコメ、ダンジョン、謎解きしてやるニャー!の巻
1.『転生前』
魔導士:「お前は魔法が使えぬ無能だから転生しなければならぬ」
モチオ:「はあ? 会社の転勤でももっと丁寧だわ! キャリアプランよこせ! いつ帰れるんだ!! 2年か?3年か? おい!!」
魔導士:「戻るためには、、、3つのリング、、」
モチオ:「話を聞け!! 転勤は会社の都合だろうが! リング? そんなもん引っ越しの会社の経費で落とせ! で、はよ異世界飛ばせ!! こっちは残業代も出ない拘束時間にイライラしてんだ、時間がねーんだよ! 転勤先で転勤休暇3日は出るんだろうな!!」
2.『異世界 到着』
そこには女剣士のエムと黒魔導士のエルが待機していた。
エム:「私は女剣士のエム! よろしくね」
エル:「俺はエルだ! よろしくな」
モチオは懐から名刺を取り出した。
モチオ:「すみません、モチオと申します。
……ちっ、こいつら、社内教育もなってねー。人事に電話するぞ!! こんな礼儀知らずとどうやって営業回るんだ! ハズレだ!! マジで!!」
3.『ギルド受付』
ギルドの受付:「ギルドへようこそー。ここでは依頼をこなしてゴールドを貯めて、武器を購入し」
モチオ:「金ならある!!」
ギルドの受付:「え?」
モチオ:「サラリーマンなめるな!! 生活残業なめんなよ!! 武器屋はどっちだ!!」
え?
4.『伝説の少女との出会い』
武器屋に行く途中、一人の女性とぶつかる。キャー!!
女:「え、あなた誰?」
モチオ:「おう、お前、俺とラブコメしろ。時間がない」
女:「え? 何?」
モチオ:「すっとぼけんじゃーねー、このあざとい女!
俺でもう5000人目ぐらいだろうが! 何が『え? 何?』だ!
合コン慣れしやがって」
女:「はあ? おっさんのくせに!!」
モチオ:「本性現しやがったな!何がニャ! 結局お前、勇者様が好きとか言って、最後はハイスペックな男が好きなだけじゃねーか!! お前みたいな女、異世界じゃなくても港区にわんさかいるわ!! めんどくさいから、さっさと来い!」
伝説の少女エスは仲間になった
5.『武器屋』
モチオ:「親父、一番高い剣だ。伝説の剣を出せ」
親父:「でも……これは……高いですよ!」
モチオ:「ふざけんな!」
モチオは懐からクレジットカードを突き出した。
モチオ:「ついでに鎧もだ! あと、盾と兜は……まあ、国産メーカーじゃなくていい」
親父:「10万5000ゴールドですが……」
モチオ:「おい、隣の店は9万8700ゴールドだったぞ。こっちも転勤直後で物入りなんだ。頼むわ……」
親父:「えええ……では……それで……」
モチオ:「36回払いで、ボーナス払いありだ」
親父:「あ、はい……」
モチオは36回ローンの分割払いで、最強の武器と鎧、そして聞いたこともないメーカーの兜と盾を手に入れた。
6.『宿屋前』
エス:「疲れちゃったよ……。ここの宿屋で休もうよ」
モチオ:「ちょっと待て」
モチオはスマホを取り出した。
モチオ:「あ、あった。ここ、2食付きバイキングで50ゴールドだ!」
エス:「ええーー、ここでいいじゃん。みんなHPもMPもないし……」
モチオ:「ガタガタうるせー! 一駅分もねえだろ、歩け!! 朝食は手作り食パンらしいぞ。楽しみだニャ――」
7.『ボス戦前夜』
エル:「明日はとうとうボス戦だ!」
エム:「気合入れていこー!」
モチオは、すっと手を出した。
モチオ:「『え?』じゃねーよ。ボス戦のプレゼン資料、できてるんだろうな?」
差し出された資料に目を通すモチオ。
モチオ:「いや……なんての。エルもエムも、すげー頑張ってるのはわかるよ。俺が見てるから。俺はわかるけどさー……でもさ、この資料……詰め込みすぎ。もっとシンプルじゃないと伝わらないよ。何でかわかる? だって、上が馬鹿だから!」
モチオ:「エスは内容薄いなー。でも来たばっかりだからしゃーないよね。あ、俺のあの案件、自分でやったって事で入れといて。大丈夫、気づかれないって。何でかわかる? だって、上が馬鹿だから!」
モチオ「俺も手伝うから、さあ 気合入れていこう!」
エル・エム・エス:「はい……」
その夜、勇者パーティの三人はボス戦を前に資料作成で徹夜した。
8.『中ボス戦』
エル:「くらえ、黒魔法!!」
悪魔:「そんなもの効かぬわ……」
エス:「物理攻撃もダメ……もうだめ、ピンチだ!!」
絶体絶命の瞬間、モチオがのっそりと立ちふさがった。
モチオ:「御社のご要求は? こちらとしても検討しますので」
悪魔:「え?」
モチオ:「お互い大変ですニャ。ほら、サラリーマンでしょ? なんていうか……会社に言わされてる?みたいな……? だからって手ぶらじゃ帰れない。わかります、その気持ち」
悪魔:「……お前の持つリングをよこせ!!」
モチオ:「いやー、それはこちらとしても……ですね……。あ、そうだ。リングを渡す代わりに、こっちの紋章をもらうってのは?」
悪魔:「それはできん!」
モチオ:「ですよねー……。でも、こちらも手ぶらじゃ……。あ、この36回払いの伝説の剣、お渡しします。これでお互いの顔を立てたということで、手打ちにしませんか?」
悪魔:「・・・・・」
モチオ:「悪魔さん、これからどうです? ひと段落ってことで……一軒、いかがです?」
悪魔:「いや、私、魔王のコンプライアンスが……」
モチオ:「あれ? 悪魔がコンプライアンスですか? 悪魔さん面白いですねー。まあまあ、個人の支払い(自腹)だったら大丈夫。さあさあ!」
結局、モチオと悪魔は肩を組んで居酒屋へと消えていった。
9・『迷宮ダンジョン』
エル:「はいはい、こっちが入口ね。道しるべをたどって……」
ようやく出口に辿り着く一行。
エス:「ふう、やっと着いた……。すごい迷宮だったね」
モチオ:「はあ? これが迷宮か、馬鹿か!! 新宿駅のほうがよっぽど迷宮じゃ!! 標識なんて解読不可能なんだよ!! しかも出口を出てから、『あれ? なんで西口に出るの?』って絶望するんだぞ!! 新宿駅迷宮はな、出口を出てからが勝負ニャ!!」
10・『回復の儀式』
エル:「回復はやっぱり薬草だな」
モチオ:「はあ? 本当若いやつは、簡単なメシでささっと済ませるだろう? それじゃー体がもたん! 肉だろ! 肉!! さあ、食べ放題行くぞ!!」
勇者一行は焼肉バイキングに向かった。
11・『伝説のファルコン』
エル:「魔王の城に行くには……」
エム:「そう、伝説のファルコン! ファルコンに乗っていけばいいわ!!」
エス:「その手があったわ!」
モチオ:「いやーーー、この時間だろ?絶対電車で行った方が早いって! 横浜町田で動かないから! かといって海老名SAでトイレ休憩も無理だよ! あそこもめっちゃ混むから。電車で行こう! 電車で……」
勇者一行は電車で魔王城まで向かった。
12・『最終決戦:その1』
ラスボス:「全然効かぬわーーー!!!」
圧倒的な魔力を前に、勇者パーティは窮地に立たされる。
エス:「私、実は勇者様に仕える天使だったの……。私の力を解放し……どうか!!」
神秘的な光に包まれようとするエス。
だが、
モチオ:「はあ? なにが『実は勇者に仕える天使だった』ニャ?? 昼間っから野毛で酒飲んでホルモン食って『私の前世、お姫様だったの』って喚いてる女と同じやんけ!! 俺のビールも注文しとけ!」
どけ!!
エスは弾き飛ばされた。
14・『最終決戦:その2』
モチオ:「申し訳ありませんが、御社との取引、見直させていただきます」
ラスボス:「え?」
モチオ:「いやーー、こちらとしても? だいぶんと納期、価格、合わせてきましたよ! それに、こちらから出向いてその態度はないわー。さすが二世、先代が泣くわーーー。うちもね、先代の義理で付き合ってるけど……もう潮時かなーって」
ラスボス:「え、え、え、ちょっと……」
モチオ:「うちも……慈善事業じゃないんで。あ、注文書が出ている分は納めますよ。でも……それ以降は……すみません」
ラスボス「そんなことしてお前もタダではすまないぞ!」
モチオ「あ、もう社内で根回ししてるんで、 だって、上が馬鹿だから!」
ラスボス:「ぎゃーーー!待ってーーーーーー!!!」
モチオ:「ということで、お世話になりました。お口汚しですが、こちら、、、皆さんで、、、」
モチオは伝説の鎧とメーカー不明の盾と兜を置いていった。
ラスボスは、契約打ち切りの絶望とともに倒された。
15.『紋章の謎』
エス:「紋章の謎が解けました。これで平和になりました! ありがとう、勇者様」
魔王を倒し、世界を包む光の中で、エスが感動に震えながら告げる。
しかし、
モチオ:「じゃあ、こっちもだ……。武蔵小杉は神奈川県川崎市なのに、なぜあんなにも東京気取りか? 東京の人は心中穏やかではない。さあ、その謎を解け!!」
エル・エム・エス:「え?」
モチオ:「ついでに、なんで武庫之荘は尼崎市って名乗らない。尼崎と言わずに必ず、武庫之荘って主張する? なぜだ!」
エル・エム・エス:「ええっ!?」
モチオ「最後に、大阪都構想で、天王寺区の新しい区割りは特に反対が多い、とある年齢層なら7割もだ! どうなんだ? なぜ誰も理由は言わず、反対だけ多い? あそこと一緒にしたからか? これ凡ミスだろ? それさえなければ都構想は1回目で通っていた可能性は極めて高かった??? どうなんだ?? 誰もなんで分析しない? なぜだ?」
エル・エム・エス:「ええっ!?」
モチオ:「俺にはさっぱりわからん、、、きっと、紋章の謎より深い……」
終わり




