第75章 オリビアは皇帝を南の国まで運びます。
南の国に送った帰りのオリビア パッドに切れ込みがあるエルフ専用ヘッドセットです。
第75章 オリビアは皇帝を南の国まで運びます
丘の上町の冒険者ギルドへ、その依頼が回ってきたとき、受付のお姉さんは紙を二度読みました。
「北の国から南の国まで、要人輸送……」
その横で別の受付が地図を開きます。
「東の大国領を通らないこと、ですか。普通に行くなら途中を通った方がずっと早いですよね」
「だから依頼になってるんでしょうけど……」
報酬も、普通の護衛依頼とは比べものにならない額でした。
依頼人の詳細は、受注が決まってから開示することになっています。ただし出発地は北の国の海沿い、到着地は南の国の帝国租借地。人数は少数。東の大国の領内へ入らないことが絶対条件です。
依頼票が掲示されると、何人かの冒険者が立ち止まりました。
「北から南で、東の大国を通るなって?」
「山側をものすごく回るしかないんじゃないか」
「何日かかるんだよ」
「海から行けば?」
「出発地の港で船が壊れるって噂、聞いてないのか?」
「じゃあ誰が受けるんだ、これ」
そんな会話が続きます。
少し遅れてギルドへ来たオリビアも、掲示板の前で足を止めました。
「何これ」
チャトラが横からのぞき込みます。
「変な依頼でしょ。朝からみんな見てる」
オリビアは出発地と到着地を見ました。北の国の海沿い。南の国の帝国租借地。東の大国領を通らないこと。
少し前に、自分が見に行った北の租借地には皇帝がいました。その皇帝は、帰国用のクルーザーを失っています。南から迎えに来る船を待っているという話も、北の港で起きた出来事の噂と一緒に、すでにこのあたりまで伝わり始めていました。
「……これ、なんとなく分かったかも」
「何が?」
「運ぶ人」
チャトラは依頼票をもう一度見ます。
「書いてないよ」
「うん。書いてないけど」
オリビアはそのままカウンターへ行きました。
「これ、受けます」
受付のお姉さんが顔を上げます。
「本当に?」
「はい」
「東の大国を通らないで、北の国から南の国ですよ」
「大丈夫です」
受付のお姉さんは、オリビアの顔と依頼票を交互に見ました。
「……方法は聞かない方がいいですか?」
「普通に運びますよ」
「オリビアさんの『普通』は、あまり参考にならないんですよね」
近くで聞いていたベラミラ先生が笑いました。
「受注条件を満たせるなら、ギルドとしてはそれでいいでしょう」
「先生まで」
「この人なら、少なくとも受けてから『無理でした』とは言わないでしょうから」
受注の手続きが進み、依頼人側の詳細が開示されました。
対象は、海の向こうの帝国皇帝を含む4人。
受付のお姉さんが紙を持ったまま固まりました。
「……本当に皇帝でした」
「やっぱり」
「驚かないんですか?」
「北の租借地から南の租借地へ行きたくて、東の大国を通れない人って、そんなにいないですよ」
チャトラが後ろから顔を出しました。
「オリビア、この前その帝国の食堂で追い出されたんじゃなかった?」
「それはそれ。依頼は依頼」
「運ぶの?」
「4人なら大丈夫」
受付のお姉さんは、依頼を正式に受け付けました。
ギルドから北の国の帝国租借地を管理する総督府側へ連絡が出されます。総督府の建物自体は戦争で壊れていますが、行政組織は仮の施設で動いていました。
距離があるため、細かな条件を何度も往復させるような相談はしませんでした。
ギルド側から送った条件は簡潔で、10日後に4人を輸送できることと、東の大国領は通過しないことの二点でした。総督府側はその場で受け入れ、10日後の輸送が決まりました。
◇ ◇ ◇
北の租借地では、皇帝へギルドが輸送手段を確保したことと、10日後に4人を移送することが伝えられました。
「4人まで、という条件なのだね」
皇帝は報告を聞いて、同席していた者たちを見ました。
「余を含めて4人なら足りる。受注した者については、何か分かっているのかな」
「ギルドは、受注者の詳細をまだ伝えていません。方法についても、東の大国を通らないことだけを保証しています」
皇帝は少し考えました。
「それなら、その条件でお願いしよう。こちらが方法まで指定して、また行き詰まる必要はない」
同行する3人が選ばれ、必要な書類と荷物がまとめられました。
◇ ◇ ◇
それから10日後、戦争で大きく壊れた総督府跡の広い庭では、皇帝と同行する3人、それに見送りの高官や警備兵が待っていました。
建物は使えない部分が多いままですが、庭だけは広く残っています。
予定時刻が近づいたころ、海の方から低い回転音が聞こえてきました。
「あれは何だろう」
何人かが空を見上げます。
小さな機体が、海岸線に沿ってこちらへ近づいてきます。大きな翼はなく、上で長いローターが回っています。
港の調査に関わった者の一人が、声を低くしました。
「前に目撃された、小型の飛行機械に似ています」
皇帝も空を見上げました。
Bell 505は総督府の庭へ進入し、広い空き地の中央でゆっくり高度を下げました。地面に接地すると、ローターの風が草と細かな砂を広げます。
回転が落ち、やがてローターが止まりました。
扉が開きます。
降りてきたのは、長い金髪のエルフでした。
皇帝の横にいた随行員が、息を止めたのが分かりました。
オリビアは4人の前まで歩いてきました。
「冒険者ギルドの依頼で来ました。南の国まで4人ですよね」
皇帝は、ほんの一瞬返事が遅れました。
「そうだ。余を含めて4人でお願いしたい」
「荷物もあります?」
「かなりあるが、大丈夫だろうか」
「じゃあ、先に出してください。機内には全部載らないので収納します」
皇帝の同行者が、積み上げてあった箱や鞄を見ました。
「これを全部?」
「入りますよ」
オリビアが手を触れるたびに、荷物が収納へ消えていきます。旅行用の鞄だけでなく、文書箱や着替え、護衛用の装備までまとまってなくなりました。
その様子を見ながら、皇帝は何を言うべきか考えていました。
北の港で起きたことを聞くべきか。
共同食堂の扱いについて謝るべきか。
東の大国へ艦隊を送ったことから話すべきか。
しかし、いまはまず依頼人と受注者です。
「このまま乗ればいいのかな」
「はい。前に一人、後ろに3人です。荷物はもう大丈夫です」
Bell 505は5人乗りです。操縦するオリビアと、皇帝側4人でちょうど席が埋まります。
全員が乗り、扉が閉まりました。
エンジンが回り、ローターの音が大きくなります。
皇帝は後席から計器や操縦席を見ました。以前、エルフ国へ向かった大きな飛行機械の報告は読んでいます。しかし、これはまったく違う大きさです。
Bell 505は浮き上がり、総督府跡の庭を離れました。
オリビアはそのまま海岸から沖へ機首を向けます。
「東の大国の領内には入らずに行けるのだったね」
皇帝が聞きました。
「通りません。ここから海の上をまっすぐ行けば、南の国まで60kmくらいです」
「そんなに近かったのか」
「地図だと、この間は海が入り込んでるので。陸路だと回るんですけど、飛ぶなら関係ないです」
機体は海上へ出ました。
離陸して数分たったところで、皇帝は一度だけ声をかけました。
「操縦は、あなた自身がしているのだね」
「はい。この機種には慣れています。今日は天気もいいし、海岸も見えるので飛びやすいですよ」
「そうなのか」
会話はそこで一度切れました。
皇帝には、もっと聞きたいことがあります。ところが、何から始めても重い話になります。
オリビアの方は、依頼を受けた冒険者として4人を運んでいるだけの顔をしていました。
海だけを横切れば、東の大国の領土へ入らず、北の国から南の国へ直線に近い経路で移れます。
皇帝は窓の外を見ました。
少し前まで、自分たちは地図を囲み、東の大国を通る100kmにも満たない区間の許可をどう取るかで何日も頭を悩ませていました。
いまは、その問題だった場所そのものを使わず、海の上を進んでいます。
皇帝は、前の席にいるオリビアの後ろ姿を見ました。
(何から話すべきだ)
本人とこれほど近くで話せる機会は、これが初めてでした。
共同食堂での扱いについては、東の大国の中央まで話が届いている。少なくとも何も知らないふりはできません。
北の租借港で船が壊れた件も聞きたい。
ただ、裏付けになる証拠が出ていません。
いきなり「あなたがやったのか」と聞けば、関係を悪くする可能性があります。
では食堂の件から話すか。
それだけ謝れば、東の大国への砲撃や陸戦隊の略奪を問題ではないと思っているように受け取られないか。
何か一つ選ぶたびに、その次の問題が出てきます。
皇帝がまだ最初の言葉を決められずにいるうちに、オリビアが前を見たまま言いました。
「もう南の国が見えてきますよ」
「……もう?」
皇帝が窓の外へ顔を向けると、前方にはもう海岸線が見えていました。飛び始めてから20分ほどです。何を話すか考えているうちに、南の国まで来てしまいました。
Bell 505は南の国の帝国租借地へ入り、総督府に相当する施設の広い敷地へ向かいました。こちらでは北ほど行政施設が破壊されておらず、受け入れ側の役人と軍人がすでに外へ出ています。
機体が着陸し、ローターが止まります。
「着きました」
オリビアは先に降り、4人が出るのを待ちました。
皇帝が地面へ降りると、南側の高官たちが近づいてきます。その前でオリビアは依頼書を出しました。
「完了のサインをお願いします」
皇帝は紙を受け取りました。
そこには確かに、北の国から南の国まで、東の大国領を通らずに4人を輸送する依頼が記されています。
「ここへ署名すればいいのかな」
「はい」
皇帝が署名すると、オリビアは内容を確認して依頼書をしまいました。
「ありがとうございます。荷物も出しますね」
さっきまで収納されていた大量の荷物が、指定された場所へ次々に現れます。文書箱も鞄も装備も、北の国で預けたものがそのまま戻りました。
「これで全部です」
オリビアは皇帝へ向き直りました。
「Bon voyage.」
よい旅を。
言葉遣いは、対等な立場の相手へ向ける普通の別れの挨拶でした。オリビア自身も女王なので、この場ではそれが自然です。
ところが、皇帝のすぐ横にいた随行員の一人が、ほんの一瞬だけ表情を固くしました。皇帝に対してあまりに対等な口調だと感じたのでしょう。
口には出していません。
それでもオリビアは、その一瞬の変化を見ました。
視線が随行員へ向き、すぐに戻ります。
「では」
それだけ言うと、オリビアはBell 505へ戻りました。
皇帝は、隣の随行員を見ました。
「いま、少し顔に出ていたようだね」
「……失礼いたしました」
「本人にも気づかれたと思うよ」
「はい」
「こちらは何を話すべきか十日も考えていたのに、会って20分ほどで、また気にさせることを増やしてしまったかもしれないな」
皇帝は責めるような声を出しませんでした。随行員も、それ以上言い訳をしませんでした。
Bell 505は再びローターを回し、南の租借地から離れていきました。
皇帝は、とうとうオリビアへ聞きたかったことを一つも聞けませんでした。
◇ ◇ ◇
南の租借地まで来れば、帰国に使える帝国の軍船があります。数日後、皇帝一行はその軍船へ乗り込みました。
南の租借地を出た軍船は、海の向こうの帝国へ向かいます。
航海そのものは大きな問題なく進みました。
帝国本国の海岸が見えたとき、乗員の多くがようやく緊張を解きました。皇帝を北の租借地から出すだけで、これほど時間がかかるとは誰も思っていませんでした。
「ようやく帰ってきたな」
皇帝も、港を見ながらそう言いました。
軍船は、自分たちの軍港へ入っていきます。
港口を越えたところで、甲板から叫び声が上がりました。
「帆が消えています!」
皇帝は立ち上がりました。北の租借地で見たものと同じ光景です。帆布と索具が失われ、支えをなくしたマストが大きく揺れ始めました。船板の継ぎ目からは海水が入り、甲板では麻や木綿を身につけていた水兵の衣類まで消えていきます。
「ここでもか……!」
海軍士官の声が裏返りました。
場所は北の国でも東の大国でもなく、海の向こうの帝国本国、その軍港です。
軍船は港へ入るために速度を落としていましたが、それでもすぐには止まりません。浸水しながら港内へ進み、救助の船が出る中で浅い場所へ寄せられました。
皇帝は、濡れた甲板の上で港を見ました。
「誰か、エルフを見たか?」
「いません!」
「飛行機械は?」
「目撃されていません!」
北の租借地で繰り返したのと同じ確認が、今度は帝国本国で行われました。
そして翌日から、別の軍港でも似た報告が入り始めました。
報告が届いたのは、東の大国へ最初に送った戦列艦の母港、その後に送った20隻が使っていた軍港、反乱の疑いを確認するために裏切らない乗員を乗せた船を送り出した港、そして今回、北の租借地にいたシップ型とバーク型のクルーザーが所属していた港です。
港へ入ろうとした帝国海軍の船に加え、すでに港内へ入り、岸壁や泊地にいた軍船にも同じ異常が起きました。帆布や索具、船板の継ぎ目に使われていた充填材などが失われ、出港する前の船まで次々に航行不能になっていきます。
新たに軍船を入れても壊れ、すでに置かれている軍船も壊れるため、対象になった軍港そのものが海軍の基地として使えなくなりました。商船の港では、同じ規模の報告は出ていません。
前の世界の旧日本軍に置き換えるなら、大湊、横須賀、呉、舞鶴、佐世保、長崎に相当する軍港や関連施設にいた海軍の船が、まとめて全滅したのと同じ規模です。
皇帝のもとへ報告書が積み上がっていきます。
「もう、余が北の国から帰れなかったというだけの話ではないようだね」
「はい」
海軍士官は、何枚目か分からない報告書を前にしていました。
「主要な軍港が、海軍の基地として使えなくなっています」
「原因について、何か分かったことはあるか」
「現時点では、どれも状況証拠の範囲です」
「オリビア女王との関係は、どこまで考えられるだろう」
士官は答えるまで少し時間を置きました。
「似た現象を起こせることは、東の大国で確認されています。北の租借地へ本人が行った日にも同じ現象が起きました。ただ、高官用スクーナーのとき本人は遠くにいたと考えられます。今回も帝国本国へ来た記録は出ていません」
「つまり、関係を疑う材料は増えているが、本人が行ったと示せる証拠はない、ということだね」
「はい」
皇帝は椅子の背へ体を預けました。
「こちらから尋ねるとしても、何を根拠に切り出すかが難しいな」
誰も答えませんでした。
◇ ◇ ◇
数日後には、海軍首脳と宮廷側の会議が開かれました。
机の上には、どの軍港で、どの船が、いつ異常を起こしたかを記した紙が並んでいます。
「軍港を一つ変えれば済む、という状況でもなくなったね」
皇帝が言いました。
「はい。少なくとも、過去に東の大国へ向かった艦隊と今回のクルーザーに関係する主要港で発生しています。港内に停泊していた軍船まで航行不能になっているため、艦隊を別の港から出し直すだけでは済みません」
「商船の方はどうだろう」
「通常どおり動いている港が多いです」
「結果だけ見れば、海軍の運用に集中して影響が出ているように見えるね」
「そう見えます。ただし、誰が何の条件で起こしているかは確認できていません」
軍人の一人が、かなり言いにくそうに口を開きました。
「仮に、エルフの女王が関係しているとします」
「仮に、だな」
「はい。その場合、武力で解除を迫る案は取れません」
別の者が続けました。
「エルフ国へ軍を出すことも難しい。内陸国です。こちらの強みである海軍を、そのまま王都へ届かせることができません」
「陸軍を上げれば?」
「この大陸側の国々を通る必要があります。東の大国とまで敵対することになります」
皇帝は、北の国で領内通過を拒否されたことを思い出しました。
「では、帝国内にいるエルフを押さえて交渉材料にする、という案は?」
誰かが口にしました。
部屋の空気が一段冷えました。
「その案を採った場合に何が起きるか、慎重に考えた方がよさそうだ」
皇帝が静かに言いました。
「案の一つとして挙げただけです」
「では、ピュアエルフを怒らせた場合の記録を、もう一度確認してみよう」
前にも確認した資料が出されました。国中の作物を実らなくすること。雨を止めること。地形や環境へ長期間影響を与えうること。
さらに海軍は、麻や木綿やシュロといった特定の材料だけが広い範囲で失われる現象を、何度も実際に見ています。
「もし人質を取った翌日に、帝国中の麻や木綿が同じように失われたら、どうなるだろう」
「……社会が止まります」
「船だけの話ではないな」
「衣類、帆、索類、包装、工場、倉庫。使っている場所が多すぎます」
「それで済めばまだ軽い。作物や雨まで触られたら?」
誰も答えませんでした。
皇帝は机を指で軽く叩きました。
「勝てるかどうかを論じる前に、戦争という形になるより先に、こちらの生活と軍が動かなくなる可能性を考える必要があるね」
「はい」
「それに、いま話している相手が本当に女王なのかという証拠さえない」
「その通りです」
「証拠もない相手の同族を捕らえて圧力をかけるのは、あまりにも危険だ。その案は採れない」
その案は、それ以上話されませんでした。
皇帝は別の報告を手に取りました。
「では、軍船の運用が難しい間、商船の方はどうだろう」
「商船には同じ現象がほとんど出ていません」
「それなら、しばらくは商船の往来を中心に考えた方がよさそうだ」
皇帝は疲れた顔で言いました。
「こちらから新たな軍船を向かわせず、商船が行き来するだけなら、少なくとも新しい戦争のきっかけは増やさずに済む」
それが誰かに強制された条約なのか、魔法による封鎖なのか、帝国側にはまだ分かりません。
ただ、結果だけを見れば、海の向こうの帝国が東の大国、北の国、南の国のある大陸側へ向かわせる船は、急速に商船へ偏り始めていました。
◇ ◇ ◇
同じころ、丘の上町の冒険者ギルドでは、チャトラたちが帝国本国の軍港で起きたという噂を聞いていました。
「また船が壊れたんだって」
チャトラが言いました。
「今度は海の向こうなんでしょ?」
ミミが聞き返します。
「うん。帝国の軍港」
タマがオリビアを見ました。
「前にこっちの港で戦列艦が壊れたのと、同じ感じらしいよ」
「そうなんだ」
オリビアは飲み物を一口飲み、少し考えてから、何でもないことのように言いました。
「たぶんこれで、海の向こうの帝国は商船以外こっちに来ないと思う」
チャトラが一瞬だけオリビアを見ました。
「……なんで?」
ミミとタマも少し首をかしげましたが、オリビアはそれ以上説明しませんでした。3人も数秒ほど考えただけで、すぐに別の話へ移ります。
「そういえば、今日の給食、親子丼だったよ」
「親子丼だったの?」
「うん。おいしかった」
「いいなあ。私も食べたかった」
「今から食べに行く?」
「行く」
帝国の軍港の話は、そこで終わりました。




