5話目 小さなネジと新しい仲間
僕は、置いていたリュックからライトを取り出すと、足首に巻き付けた。
「こうやって、低い位置から照らせば……」
半歩分だけ前に出し、ゆっくり回転すると、小石のでこぼこした長い影が出る。
「あーっ! 影が伸びてる!」
「ネジのような人工物は、形が規則的だからね。他の影と違って目立つハズだよ」
「やったね、これならスグ分かる!」
L:うぉい! そりゃ俺がTRPGで使った捜索テクだろ!w
「はいはい。指輪探したよね」
ともあれ、効率は一気に上がった。
そして。
「ポン吉! ネジあったよー!」
「おー!」
早速、アーミーナイフでタクローの背面カバーを外した。
歯車が、一箇所だけ空回りしている。
「ここだね」
ネジを締めてカバーを戻すと、キュオオォォ……という電子音とともに、タクローが浮かび上がった。
「アア……! 戻リマシタ……!」
その直後、上から光が差し込む。
「やった~、クリア~!」
「うん。“次の部屋は152”だってさ」
看板も、見違えるほどの白さを取り戻していた。
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150 瓦礫の山
・道具をひとつ修理する。
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「オオ……オオ……!」
タクローは、僕らの周囲を軽やかに回ったあと、目の前で止まった。
「オ願イデス。ワタシヲ、連レテ行ッテ下サイ」
「何だい、水臭いな」
僕は空中のタクローを軽くなでた。
「もう仲間だろ?」
「――有リ難ウ御座イマス」
スマホが震えた。
L:イヤ~、めでたい! 新しき仲間とは、耳寄りな話だぜ!
L:俺のコメントには、もっと耳を傾けてほしいがな!(泣
「ああ、L。作業中はほぼ無視してた。ごめん」
「――マスター・ポン吉? コメントヲ、見ヤスクシマスカ?」
「えっ、できるの?」
「オ安イ御用デス」
キュオオオ……と回転したタクローが、空中にホログラムのコメント欄を投影した。
「スマホト同期シマシタ。撮影ハ、ワタシノ視界ヲ使ッテモ可能デス」
「おー、未来っぽい!」
「タクロー、すっご~い!」
L:でかした、タクロー! 俺の存在感がグッと増したぜ!(後方腕組先輩面
L:今までは、スゥへのツッコミに骨が折れたからな! 骨だけに!(ドヤァ
「――ねえ、ポン吉? Lは、いっつもこんな感じだったの?」
「うん、大変だったよ」
「じゃあ、ホログラムいらないかな」
L:待てコラー!(泣
L:仲間だろ、仲間ー!?(号泣
「にししっ、ウソウソ」
転移までの間、僕らはホログラムを触って遊びつつ、大いに盛り上がった。
そして。
「おっと、ワープだ」
僕らは、野外エリアっぽい152へとワープした。
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152 川のヌシ
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「ポン吉~、『ヌシ』って絶対、アレのことだよね~」
スゥが指差したのは、川の中から顔を出した黒い小山だった。
「デッカイし、100%ヌシだよ。おーい!」
スゥがブンブン手を振ると、黒いナゾ生物は「むぅっ?」と反応した。
「なんじゃ、お主らは。川で砂を採ってくれるのか」
「砂? なんで?」
「うむ。砂が溜まったら、ワシの川が詰まってしまうでのお」
たしかに。土砂が堆積すると、巨体には深刻だろう。
「んじゃ、今度はあたしたち砂を採るのか~。ふんふ~ん」
スゥがお気楽に川のほとりへ近付くも、ふと足を止める。
「――スゥ?」
「ん~……なんか、ヤかも」
珍しく、スゥが首を傾げた。
「水の中は、あんまり好きじゃないっていうか……」
「そんなレインコート着てるのに?」
「うん。ヘンだけど、ヤ」
渋い顔をしたスゥが、川から距離を取ろうとしたとき。
黒い生物が、突如放電した。
「!? スゥ、危ない!」
バッチーン!




