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マンション型ダンジョンの101号室で特大のガバをかましたら、次の部屋が133号室だった  作者: 葦原エイ


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5/10

5話目 小さなネジと新しい仲間

 僕は、置いていたリュックからライトを取り出すと、足首に巻き付けた。


「こうやって、低い位置から照らせば……」


 半歩分だけ前に出し、ゆっくり回転すると、小石のでこぼこした長い影が出る。


「あーっ! 影が伸びてる!」

「ネジのような人工物は、形が規則的だからね。他の影と違って目立つハズだよ」

「やったね、これならスグ分かる!」



L:うぉい! そりゃ俺がTRPGで使った捜索テクだろ!w



「はいはい。指輪探したよね」


 ともあれ、効率は一気に上がった。


 そして。


「ポン吉! ネジあったよー!」

「おー!」


 早速、アーミーナイフでタクローの背面カバーを外した。

 歯車が、一箇所だけ空回りしている。


「ここだね」


 ネジを締めてカバーを戻すと、キュオオォォ……という電子音とともに、タクローが浮かび上がった。


「アア……! 戻リマシタ……!」


 その直後、上から光が差し込む。


「やった~、クリア~!」

「うん。“次の部屋は152”だってさ」


 看板も、見違えるほどの白さを取り戻していた。



――――――――――――――――――――


 150 瓦礫の山


・道具をひとつ修理する。



――――――――――――――――――――



「オオ……オオ……!」


 タクローは、僕らの周囲を軽やかに回ったあと、目の前で止まった。


「オ願イデス。ワタシヲ、連レテ行ッテ下サイ」

「何だい、水臭いな」


 僕は空中のタクローを軽くなでた。


「もう仲間だろ?」

「――有リ難ウ御座イマス」


 スマホが震えた。



L:イヤ~、めでたい! 新しき仲間とは、耳寄りな話だぜ!

L:俺のコメントには、もっと耳を傾けてほしいがな!(泣



「ああ、L。作業中はほぼ無視してた。ごめん」

「――マスター・ポン吉? コメントヲ、見ヤスクシマスカ?」

「えっ、できるの?」

「オ安イ御用デス」


 キュオオオ……と回転したタクローが、空中にホログラムのコメント欄を投影した。


「スマホト同期シマシタ。撮影ハ、ワタシノ視界ヲ使ッテモ可能デス」

「おー、未来っぽい!」

「タクロー、すっご~い!」



L:でかした、タクロー! 俺の存在感がグッと増したぜ!(後方腕組先輩面

L:今までは、スゥへのツッコミに骨が折れたからな! 骨だけに!(ドヤァ



「――ねえ、ポン吉? Lは、いっつもこんな感じだったの?」

「うん、大変だったよ」

「じゃあ、ホログラムいらないかな」



L:待てコラー!(泣

L:仲間だろ、仲間ー!?(号泣



「にししっ、ウソウソ」


 転移までの間、僕らはホログラムを触って遊びつつ、大いに盛り上がった。


 そして。


「おっと、ワープだ」


 僕らは、野外エリアっぽい152へとワープした。



――――――――――――――――――――


 152 川のヌシ





――――――――――――――――――――



「ポン吉~、『ヌシ』って絶対、アレのことだよね~」


 スゥが指差したのは、川の中から顔を出した黒い小山だった。


「デッカイし、100%ヌシだよ。おーい!」


 スゥがブンブン手を振ると、黒いナゾ生物は「むぅっ?」と反応した。


「なんじゃ、お主らは。川で砂を採ってくれるのか」

「砂? なんで?」

「うむ。砂が溜まったら、ワシの川が詰まってしまうでのお」


 たしかに。土砂が堆積すると、巨体には深刻だろう。


「んじゃ、今度はあたしたち砂を採るのか~。ふんふ~ん」


 スゥがお気楽に川のほとりへ近付くも、ふと足を止める。


「――スゥ?」

「ん~……なんか、ヤかも」


 珍しく、スゥが首を傾げた。


「水の中は、あんまり好きじゃないっていうか……」

「そんなレインコート着てるのに?」

「うん。ヘンだけど、ヤ」


 渋い顔をしたスゥが、川から距離を取ろうとしたとき。


 黒い生物が、突如放電(・・)した。


「!? スゥ、危ない!」


 バッチーン!

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