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紅蓮の絆 —果てなき戦記—  作者: 縷禾
第一章 紅蓮の咆哮
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第一章 紅蓮の咆哮 7話 【再会、そして契約】

地獄を抜けた少年は、全身に刻まれた傷の痛みすらも、自らが「生き残った」という証として噛み締めていた。数日後。少年は胸を高鳴らせ、新選組の屯所へと続く道を歩んでいた。


門をくぐった先、道場の中央で、彼女は待っていた。

あの日の戦場と同じ、仁王立ち。その背後には、3番隊の隊員たちが整然と控えていた。


「よう、生きて帰ってきたな。新入り」


近藤局長の低く響く声が、道場の空気を一変させた。彼女は少年の傷痕を値踏みし、満足そうに口角を上げる。


「試験の内容は聞いた。イレギュラーを呑み込み、生き残ったその根性。……合格だ」


少年は、深々と頭を下げた。だが、近藤は背後の隊員たちへ向かって、短く声を飛ばした。


「……おい」


合図とともに、3番隊の隊員たちが数人がかりで、厳重に包まれた長持を運び出し、近藤の前へと突き出した。近藤はそれを乱暴に開けると、中から一振りの「漆黒の刀」を片手で軽々と引き抜いた。

その刃からは、微かな「冷徹な脈動」が響いていた。


「新入り。俺たちの隊に加わるということは、ただ剣を振るうだけじゃねぇ。こいつと『契約』を交わすことになる」


近藤がその黒刃を少年の目前に突き出した瞬間、少年の脳内に氷のような冷たい声が響いた。

『……力が欲しいか?』


「……なんだ?」


少年は周囲を見回した。誰も口を動かしていない。再び脳内に響く。

『――力が、欲しいかと聞いている』


少年の視線は、近藤の手の中で脈動する漆黒の刀へと吸い寄せられた。間違いなく、この刃が発したものだった。


(……刀が、喋ったのか?)


少年が戦慄と共にその事実を認識した瞬間、近藤は獰猛に笑った。


「どうだ、恐いか? お前が聞いたのはその刀の声だ。こいつは持ち主の『命』を燃料に、限界を超えた力を引き出す。……全てを差し出し、この黒刃を己の魂として振るう覚悟はあるか?」


「……覚悟は、できています」


少年が答えた瞬間、黒刃はまるで歓喜の声を上げるように脈動した。

新選組の門は開かれた。それは少年が「ただの人」であることを捨て、地獄の最前線へ身を投じるための、魂の契約だった。

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