第五章 真実の地、富士山へ 56話【断罪の刃、総統の結末】
近藤が正面から大剣を振り上げ、ドラゴンが繰り出す鋭利な爪を葵が紙一重で捌く。二人の連携は、もはや呼吸を合わせる必要すらないほど洗練されていた。
近藤が踏み込み、大剣がドラゴンの巨体を深く、鋭く両断する。断末魔を上げ、がむしゃらに爪を乱れ打つドラゴンの腕を、葵が空中で回転しながら切り落とした。
葵はそのまま宙を舞い、着地と同時にドラゴンの尾へと取りつく。刀を尾の根元から地面へ、楔を打ち込むように深々と突き刺した。
「近藤さん! 今です!」
「ナイスアシストだ! これで終わりだぁぁぁぁ!!」
近藤の声が地底に轟く。葵に縫い付けられ、痛みで頭を下げたドラゴンの隙を、近藤は見逃さなかった。渾身の力で振り抜かれた大剣が、ドラゴンの首を一閃で刎ね飛ばす。
時を同じくして、土方の戦いも終焉を迎えていた。
原田と藤堂によって翼を落とされた左の個体に対し、土方はその巨体を踏み台にして高く跳躍する。空中で螺旋を描き、そのままドラゴンの首を切り伏せた。
周囲を囲む隊員たちから歓声が上がる中、葵の視線は総統が逃げ込んだ最奥の部屋へと向けられる。
「近藤さん、あいつがまだ奥にいます」
近藤は血に濡れた大剣を無造作に振り払い、その重みを確かめるように再び構えた。
「……俺に任せてくれ」
近藤は上段に構えた大剣を、斜め下へと容赦なく振り下ろした。
巻き起こったのは、ただの風圧ではない。龍の核が引き起こした熱と風が混ざり合い、渦を巻く破壊の衝撃波となって奥の部屋を直撃する。
轟音と共に、部屋を構成していた壁と床が粉砕された。瓦礫が雪崩のように崩れ落ち、吹き飛ばされた部屋の奥には、逃げ場を失った総統の姿が露わになっていた。




