第五章 真実の地、富士山へ 47話 【粉砕の序曲、正門の崩落】
富士山の地下へと続く巨大な門の前、近藤と葵、そして一番隊の精鋭たちが対峙していた。
その門を守るのは、軍の中でも選りすぐられたエリート部隊だ。重厚な鎧に身を包み、最新の銃器を携えた彼らの姿は、まるで一つの巨大な要塞のように立ちはだかっていた。
「……近くで見ると、まるで要塞だな。いい面構えだ」
先頭に立つ近藤が、あえて大声で空を見上げるように呟く。
エリート隊員たちは、近藤たちに向けた視線に明らかな侮蔑と嫌悪を滲ませた。
「ここより先は国家の機密施設につき、立ち入りを禁ずる! 愚かな野蛮人め、即刻立ち去れ!」
葵が腰の「龍の核」の刀に手をかけ、わずかに体を強張らせる。
張り詰めた空気の中、どちらが先に引き金を引くか、一瞬の静寂が世界を支配した。
しかし、近藤はその緊張感すらも楽しむように、不敵な笑みを浮かべた。
彼の背中に背負われた、鍛冶師が打ち上げた鈍色の大剣。近藤はその柄に手をかけると、逃げ場のないほどの殺気を放った。
「悪いが、お前たちの指図には従わん。……避けねば死ぬぞ」
警告は、宣告だった。
近藤が渾身の力で振り下ろした大剣は、重い金属音を響かせ、地面を揺らした。
空気が裂ける轟音と共に、凄まじい衝撃波が門を襲う。
次の瞬間、要塞の入り口は派手な爆発音を伴い、粉々に砕け散った。舞い上がる土煙と火花の中、堅牢を誇った門は無残な瓦礫の山と化す。
「行くぞ!」
近藤の咆哮を合図に、一番隊が煙の中へとなだれ込む。
新選組の反撃は、この圧倒的な破壊と共に始まった。軍の傲慢さを叩き斬るための戦いが、今、富士の深淵で幕を開けた。




