表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅蓮の絆 —果てなき戦記—  作者: 縷禾
第四章 黒き覚醒と家族の絆
PR
45/62

第四章 黒き覚醒と家族の絆 43話 【新たな相棒、託された龍の牙】

「これは……?」


葵が戸惑いながら尋ねた。それは見たこともないほどに精巧で、かつ凄まじい威圧感を放つ刀だった。刃紋はまるで龍の鱗のように揺らめき、鞘からはかすかに熱を帯びた気配が漂っている。


「これは、お前があの夜、軍の実験場で仕留めたドラゴンの『核』を鍛え直して作った刀だ」


近藤は淡々と語る。葵には、隊長たちが巨大な怪物の首を運び出していた光景は記憶にあったが、その後ろで何が行われていたかまでは知る由もなかった。


「お前にまだ、刀を振るう力はあるか?」


近藤の真摯な瞳が、葵の心を真っ直ぐに射抜く。それは単なる問いかけではなく、葵の魂が再び「新選組の一員」として立ち上がれるかを見極める、試練の眼差しだった。

葵は、震える手を強く握り締め、真っ直ぐに近藤を見つめ返した。


「……あります。俺はまだ、負けてません」


その瞳には、かつてのような迷いも、刀に飲まれる恐怖もない。あるのは、自分が犯した罪と向き合い、この力を正しく使うという固い覚悟だけだった。


「なら、この刀を受け取れ。お前には、これを振るう資格がある」


近藤が差し出した刀を受け取った瞬間、葵は思わず息を呑んだ。

以前使っていた刀よりも長く、そして驚くほど重い。その重量感は、自分が奪ってしまった命の重さと、これから背負っていく使命の重さそのもののように感じられた。


(また、暴走しないか……)


一瞬、胸をよぎった不安を、葵は激しく首を振って振り払った。

二度と、あんな過ちは繰り返さない。

葵は、龍の牙から生まれたその刀を強く握りしめた。その手には、もう何の迷いもなかった。


「……大切に使わせていただきます、局長」


決意に満ちた葵の声が、病室の静寂を切り裂く。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ