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紅蓮の絆 —果てなき戦記—  作者: 縷禾
第四章 黒き覚醒と家族の絆
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第四章 黒き覚醒と家族の絆 35話 【東京へ、怒りの進撃】

三番隊からの報告で葵が連行された先は、富士の麓から遠く離れた東京の地に構える「第一軍事要塞施設」だと判明。

軍上層部は、新選組の追撃を避けるため、即座に葵を首都の厳重な警戒網の中へと移送したのだ。


屯所へ戻った藤堂の報告を聞いた瞬間、近藤の眼光が鋭く光った。


「東京の、あの第一施設だと……? 奴ら、本気で葵を実験体にするつもりか」


土方は煙管を折り砕かんばかりの力で握り締め、山南は冷徹な眼差しで今後の展開を予測する。葵を取り戻すには、組織の総力を挙げて東京へ乗り込み、軍の中枢に殴り込むしかない。これは組織の誇り、ひいては近藤勇という男の「隊士を見捨てない」という信念を懸けた戦いだった。


「……野郎ども、支度をしろ!」


近藤の号令は、屯所全体を震わせた。


「葵は俺たちの家族だ。あいつを軍の言いなりにはさせねぇ。軍のど真ん中だろうが、俺たちの歩む先に障害があるなら、すべて叩き斬るまでだ!」


新選組の隊士たちが、一斉に立ち上がる。

富士で死線を潜り抜けた猛者たちが、今度は帝都・東京へと矛先を向ける。


蒸気機関車が吐き出す黒煙が、夕闇に溶け込んでいく。

新選組は、軍の施設を強襲すべく、東京へ向かう列車に乗り込んだ。


車窓を流れる景色は、戦場の風景から文明の象徴である帝都へと変わっていく。しかし、彼らの心にあるのはただ一つ。軍の冷酷な要塞に幽閉された葵を救い出し、己の「義」を貫くことだけだった。


「待ってろよ、葵」


列車の揺れの中で、土方は静かに呟いた。

軍という巨大な怪物を相手に、新選組という小さな、だが絆で結ばれた獅子たちが、今、牙を剥いて突き進む。


東京の空の下、軍の要塞に巣食う闇を、新選組の刃が切り裂く日は近い。


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