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邪馬台国叙事詩―神代建国譚―  作者: 月見


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二章 国産み 十二話 家族

 山門壱国の地に春が訪れていた。


 雪解け水を集めたため池は朝日に輝き、芽吹き始めた木々の間を柔らかな風が吹き抜けていく。田畑では人々が今年の耕作に向けた準備に追われ、村には穏やかな活気が満ちていた。


 そんな日の朝、那岐は家の前を落ち着きなく行ったり来たりしていた。普段なら熊や猪を前にしても眉一つ動かさない男が、今はまるで初めて狩りへ出る子供のようにそわそわしている。


 家の中では産婆や村の女たちが慌ただしく出入りしていた。那美の出産が始まっていたのである。


 那岐は何度も戸口へ近づいては中の様子を窺い、そのたびに追い返された。それでもしばらくするとまた近づき、再び追い返される。


「さっきから邪魔だよ」

「男は外で待ってな」

「那美様なら大丈夫だから、少しは落ち着きなさい」


 三度目には産婆に本気で怒鳴られ、那岐はようやく家から離れた。


 しかし、落ち着けるはずもなかった。漣を失ったあの日以来、那岐は誰かを失うことを人一倍恐れるようになっていた。那美は大丈夫だろうか。無事に生まれるだろうか。考えれば考えるほど不安ばかりが膨らみ、ただ家の周囲を歩き回ることしかできない。


 そのとき、家の中から甲高い産声が響き渡った。

 那岐の身体が一瞬、固まる。続いて戸が開き、産婆が顔を出した。


「おめでとう。元気な女の子だよ」


 その言葉を聞いた瞬間、張り詰めていた緊張が一気にほどけ、全身から力が抜けた。気づけば那岐は家の中へ駆け込んでいた。


 部屋の奥では、汗で髪を濡らした那美が疲れたように横たわっている。その腕の中には、小さな命が抱かれていた。赤子は顔を真っ赤にしながら、力いっぱい泣いている。


 那岐は言葉を失った。あまりにも小さく、あまりにも弱々しい。それなのに、その存在は何よりも強く胸を揺さぶった。


「抱いてみるかい?」


 産婆にそう言われた那岐は、慌てて首を振った。


「む、無理だ」

「何が無理なんだい」

「壊れそうだ」


 周囲から笑いが起こった。山門壱国の長として多くの人々を率い、獣や敵を前にしても怯まない男が、赤子一人抱くことを恐れている。その姿がおかしくて仕方なかったのである。


 それでも勧められるまま恐る恐る両腕を差し出すと、赤子の身体がそっと預けられた。

 軽かった。

 驚くほど軽く、腕の中にある命は今にも消えてしまいそうなほど儚く感じられた。その小さな手がふと動き、那岐の指を握る。ほんのわずかな力だった。だが、その瞬間、守りたい、何があってもこの子だけは守りたいという想いが、胸の奥深くに刻み込まれた。


「かわいい……」


 あまりにも真剣な声だった。部屋にいた全員が吹き出し、那美も思わず苦笑する。


「那岐も、そんな顔ができるんだね」

「当たり前だ」

「今まで見たことないけど」


 那岐は答えなかった。腕の中の娘から目が離せなかったのである。

 那美はそんな夫の姿を見ながら、優しく微笑んだ。


「名前は決めてるの?」


 那岐は迷わなかった。


「姫」

「え?」

「姫だ」


 那美が目を瞬かせる。


「もっと立派な名前でも良かったんじゃない?」

「立派だろう」

「そうかな?」

「私たちの姫だからな」


 那岐は真顔だった。その返答に、那美はついに吹き出す。


「親ばか」


 その言葉をきっかけに、部屋は再び笑いに包まれた。

 窓の外では春風が吹き、遠くから鳥たちのさえずりが聞こえている。

 こうして山門壱国に新たな命が生まれた。そして同時に、後に人々から神と呼ばれる男は、誰よりも娘に弱い父親になったのである。


 姫が生まれてからというもの、那岐は目に見えて変わった。

 朝起きれば真っ先に姫の寝顔を確かめ、仕事へ向かう前にも必ず顔を覗き込み、帰ってくれば誰より先に姫を抱き上げる。姫が笑えば満面の笑みを浮かべ、泣けばどれほど遠くにいても飛んで戻ってくる。その変わりように、村人たちは半ば呆れながらも微笑ましく見守っていた。


 姫が初めて寝返りを打った日、那岐はまるで戦に勝ったかのような顔で村人たちへ報告した。歯が一本生えただけでも、彼にとっては豊作にも匹敵する大事件であり、初めて立ち上がった時など、田仕事の最中にもかかわらず駆け込んできて、村人たちを困惑させたほどだった。


「姫が立った」


 那岐は真剣だった。

 田にいた男たちは顔を見合わせる。


「そうですか」

「立ちましたか」

「それは、よかったですね」


 反応は驚くほど薄かったが、那岐は少しも気にしなかった。


「お前たち、分かっていないな。姫が立ったんだぞ」

「分かっております。立ったのでしょう?」

「そうだ。立ったんだ」


 あまりにも本気で言うものだから、男たちは返す言葉を失った。

 さらに数日後、姫がよちよちと歩き始めた時には、那岐の親ばかぶりはいよいよ極まった。両手を広げて待つ那岐へ向かって、姫は小さな足で一歩、また一歩と進んでいく。


「そうだ。そのままだ。上手だぞ」


 那岐は今にも泣きそうな顔で見守っていた。

 ところが姫の足がわずかにもつれた瞬間、その姿が掻き消えた。常人にはそう見えただけである。次の瞬間には、姫の身体は那岐の腕の中へ収まっていた。妖術まで使って飛んできたのだ。

 それを見ていた村人たちは呆然とする。


「今の必要だったか?」

「ないな」

「絶対にない」


 那美は額を押さえた。


「転ぶ前に助けたら、歩けるようにならないでしょ」

「だが、転びそうだった」

「まだ転んでない」

「転ぶところだった」

「だから、まだ転んでないって」


 娘に関することだけは、那岐は一切妥協しなかった。

 やがて村人たちの間では、一つの噂が広まるようになった。山門壱国で最も恐ろしいのは那岐ではない。姫である。なぜなら、那岐を思い通りに動かせる唯一の存在だからだ。

 その噂を聞いた那美は、声を上げて笑った。




 二年の歳月は、驚くほど早く過ぎていった。

 姫は家の中を元気に駆け回るようになり、那美は再び子を授かった。母の腹の中に赤ん坊がいると聞いた姫は目を輝かせ、毎日のように腹へ話しかけるようになった。


「ほんとうにいるの?」

「いるよ」

「いつ出てくるの?」


 姫は飽きることなく尋ね、そのたびに那美は笑いながら答えた。やがて姫は那美の腹を撫でながら「早く会いたいな」と呟くようになり、その様子を見た那岐は目を細めていた。


 季節が巡り、出産の日が訪れる。


 家の外では、またしても那岐が落ち着きなく歩き回っていた。姫が生まれた時も同じだったが、今回は少しも慣れておらず、立ち上がっては座り、座っては立ち上がり、何度も家の中を覗こうとしては産婆に追い返されている。


「那岐様、邪魔です」

「だが……」

「邪魔です」


 ぴしゃりと言われ、那岐は肩を落とした。

 やがて家の中から元気な産声が響く。その瞬間、那岐は弾かれたように顔を上げた。ほどなく扉が開き、産婆が笑顔で頷く。


「元気な男の子ですよ」


 寝台の上では那美が疲れた顔で微笑み、その腕の中には小さな赤子が抱かれていた。傍らでは姫が不思議そうな顔で弟を覗き込み、背伸びをしながら何度も顔を近づけている。


「ちいさい……」


 姫の呟きに、那美が微笑む。


「姫も生まれた時は同じくらいだったのよ」

「ほんと?」

「ほんとだよ」


 姫は目を丸くしながら赤子を見つめた。

 夜になると、空には大きな満月が浮かんでいた。窓から差し込む月明かりは柔らかく、静かな光が赤子の寝顔を優しく照らしている。


 那岐はその光景をしばらく見つめた後、夜空の月へ視線を向けながら静かに口を開いた。


「月読にしよう」


 那美は顔を上げた。


「月読?」

「ああ。この子が生まれた夜を忘れないために。どんな時も、人々を照らす月のように育ってほしい」


 那美は窓の外の満月を見つめ、穏やかに微笑んだ。


「いい名前だね」


 こうして那岐と那美の間に生まれた男の子は、月読と名付けられた。

 姫は弟の顔を覗き込み、小さな手でそっと頬に触れる。


「わたしのおとうと?」

「ああ」

「かわいい」


 その無邪気な言葉に、那美も那岐も自然と笑みを浮かべた。

 月読が生まれてから、那岐の親ばかぶりはさらに深まった。暇を見つけては木を削って玩具を作り、海へ出れば子供たちに食べさせる魚を捕り、山へ入れば甘い果実や珍しい木の実を探して真っ先に持ち帰る。


 月読を左腕に、姫を右腕に抱き上げたまま村を歩く姿も、今ではすっかり見慣れた光景になっていた。


「那岐様は国造りより子育ての方が好きなんじゃないか」


 ある日、漁師の一人が冗談めかして言うと、周囲の村人たちから笑い声が上がった。

 那岐は少し考えるような顔をした後、月読を抱き直しながらあっさりと頷く。


「否定はできないな」


 あまりにも迷いのない返答に、村人たちはさらに大笑いした。姫は父の腕の中で楽しそうに声を上げ、月読は父の胸元に頬を押し当てたまま、安心しきった表情で眠っている。


 那美は少し離れた場所からそんな三人を見つめ、穏やかに微笑んだ。

 村を失い、家族を失い、絶望の中で生き延びてきた自分たちが、こうして笑い合う日々を手に入れられるとは、かつては想像もできなかった。けれど今、那岐の腕の中には守るべき未来があり、その未来は無邪気な笑顔となって目の前にある。


 姫の笑い声も、月読の寝息も、村人たちの穏やかな眼差しも、すべてが那美にとって何よりの宝物だった。




 さらに三年の歳月が流れた。

 山門壱国は、筑紫北部でも有数の勢力を誇る国へと発展していた。広大な平野には豊かな田畑が広がり、那岐が築いたため池や水路は国中へ張り巡らされている。湾には大小の船が出入りし、周辺の村々から集まる人々によって、市場は賑わいを見せていた。


 かつて海辺の小さな村から始まった国は、今では多くの人々を束ねる大国となっている。

 けれど那美にとって何より大切なのは、国の広がりではなく、家の中にある小さな声だった。


「お父さま!」


 朝の陽光の下、弾むような声が響く。長い黒髪を後ろで束ねた少女は、転びそうな勢いで那岐のもとへ駆け寄ると、そのまま腰へ飛びついた。


 姫である。

 五歳になった姫は、那岐や那美も驚くほど聡明な子供へ育っていた。文字を教えればすぐに覚え、初めて聞く話でも一度で内容を理解してしまう。その一方で好奇心は誰よりも旺盛で、屋敷の中に留まっていることはほとんどなかった。


 田へ行けば農夫へ駆け寄り、港へ行けば漁師の後ろをついて歩き、鍛冶場では職人たちの仕事を飽きることなく眺め続ける。


「どうして稲は秋になると黄色くなるの?」

「どうして海の水はしょっぱいの?」

「どうして鉄は火に入れると赤くなるの?」


 次々に飛び出す質問に、大人たちは苦笑しながら答えていた。最初の頃は戸惑っていた者たちも、今ではすっかり慣れている。


「姫様は今日も元気だな」

「そのうち邑長様より物知りになるぞ」


 そんな声が聞こえるたび、姫は嬉しそうに胸を張った。


「本当にあなたにそっくりね」


 那美が呆れ半分に笑う。


「そうか?」

「好奇心の塊なところがそっくり」


 那岐が首を傾げると、近くにいた村人たちまで揃って頷いた。


「姫様は若い頃の那岐様そのものです」

「じっとしていられないところまで同じですよ」


 その言葉に周囲から笑いが起こる。姫も何がおかしいのか分からないまま、声を上げて笑っていた。


 月読が三歳になった頃には、村の者たちから「小さなお母さん」と呼ばれるようになっていた。


 月読は生まれた頃から姉が大好きで、姫が外へ出れば自分も行くと言って後を追い、川辺へ行けば川辺へ、畑へ行けば畑へと、小さな足で懸命について歩いた。しかし三歳の子供が五歳の姫についていけるはずもなく、しばしば転んでは泣き出していた。


 ある日も草原を歩いていた月読は小石につまずいて転び、膝を擦りむいて大声で泣き出した。姫は慌てて駆け寄ると膝についた土を払い、傷口を確かめながら優しく声をかける。


「これくらいなら平気だよ」

「いたい……」

「男の子なんだから泣かないの」


 そう言いながらも、その声には弟を気遣う優しさが滲んでいた。

 月読は涙で濡れた目を姉へ向ける。


「歩けない……」


 姫は困ったように眉を下げたあと、小さな手を差し出した。


「ほら、手を繋ごう。ゆっくり帰れば大丈夫だから」


 月読はその手をぎゅっと握り返し、姫もまた弟の歩幅に合わせながらゆっくりと歩き出す。月読がふらつけば支え、転びそうになれば引き寄せるその姿は、まるで幼い母親のようだった。


 服が乱れていれば整え、月読の姿が見えなくなれば真っ先に探しに行く。那美が家事で手を離せない時には月読の相手をし、弟が泣けば慰めるのも姫の役目になっていた。


 夜になると、月読は決まって姫の隣へ潜り込む。


「姉ちゃん、一緒に寝る」

「また?」

「だめ?」


 眠そうな目で見上げられると、姫は断りきれなかった。呆れたようにため息をつきながらも布をめくり、弟のために場所を空けてやる。


「しょうがないなあ」


 月読は満足そうに姉へ抱きつき、そのまま安心したように目を閉じた。

 その様子を見ていた那美は、思わず頬を緩める。


「月読は本当に姫が大好きだね」

「姫もまんざらではなさそうだ」


 那岐が笑うと、姫は少し照れたように顔を背けた。


「別に……放っておけないだけ」


 そう言いながらも、眠りに落ちた月読の頭を撫でる手つきはとても自然で、その仕草だけで姉弟の絆の深さが伝わってきた。


 夕暮れの空は茜色に染まり、山門の村を吹き抜ける風には、収穫を終えた田の匂いが混じっていた。


 囲炉裏の火が静かに揺れる家の中では、姫が木の板に向かって文字を書きながら得意げな顔をしている。


「父上、見て!」


 那岐が教えたばかりの文字だった。まだ幼い手で書かれたそれは歪んでいたが、確かに読める形になっている。


「うまいな」


 頭を撫でられた姫は誇らしそうに胸を張った。


「もう次も覚えられるよ!」

「欲張るな。今日はここまでだ」

「えー」


 不満そうに頬を膨らませる姫を見て、那美は思わず笑みを漏らした。その隣では、昼間は村中を駆け回っていた月読が、那美の膝を枕に船を漕いでいる。


「母上……」

「なあに?」

「ねむい……」

「そうね」


 那美が優しく髪を撫でると、月読は安心したように目を閉じ、ほどなくして小さな寝息を立て始めた。


 そんな息子の姿を見つめる那岐の表情は穏やかで、かつて漣を失い、死を望むほどの絶望の中を彷徨っていた男とは思えないほど柔らかい。その顔を見るたびに、那美の胸は温かさで満たされた。


 那美は眠る月読を抱き寄せながら、改めて家族を見渡した。文字を覚えることに夢中な姫、幸せそうな寝顔を見せる月読、そして二人を優しい眼差しで見守る那岐。


 家族を失い、一人ぼっちになったあの日。焼け落ちた村の中で泣くことしかできなかった幼い少女は、自分がこんな未来を手にするなど想像すらできなかった。


 今は夫がいる。娘がいる。息子がいる。帰る家があり、守るべき人たちがいる。

 それだけで、十分だった。

 囲炉裏の火がぱちりと音を立てる。那美はそっと那岐の肩に身体を寄せた。


「どうした?」

「ううん」


 首を横に振った那美は、家族の顔をもう一度見つめながら穏やかに微笑んだ。


「幸せだなって思っただけ」


 那岐は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに優しい笑みを浮かべる。


「ああ」


 短い返事だった。

 しかし、その一言には那岐の想いのすべてが込められていた。

 夜も更け、山門の村は深い静寂に包まれていた。


 寝所では姫と月読が寄り添うように眠っている。五歳になった姫は無意識のうちに弟を抱き寄せるように腕を回し、月読もまた安心しきった顔で姉の胸元に身を寄せていた。

 その穏やかな寝顔を眺めながら、那岐と那美は並んで腰を下ろしていた。


「賑やかになったね」


 那美が微笑みながら呟くと、那岐も静かに頷いた。


「ああ」


 かつて那岐は、雪に閉ざされた岩山の上でただ一人墓を守り続けていた。愛する者を失い、未来も見えず、終わりのない孤独の中を彷徨っていた日々が確かにあった。しかし今、隣には那美がいて、目の前には姫と月読がいる。笑い声の絶えない家があり、守るべき村があり、共に生きる人々がいる。


 失ったものは決して戻らない。

 それでも、この幸せは間違いなく自分の手の中にあった。

 那美は眠る子供たちへ視線を向けたまま、どこか悪戯を思いついた子供のような表情を浮かべる。


「これからもっと増えるかもしれないよ?」


 その言葉に、那岐は思わず振り返った。


「……え?」


 驚いた顔を向ける夫に、那美は少しだけ頬を染めながら照れくさそうに笑った。その意味を理解した瞬間、那岐の表情はさらに固まり、しばらく言葉を失ったあと、ようやく絞り出すように尋ねる。


「本当か?」

「まだ分からないけどね」


 そう答える那美の声はどこか嬉しそうで、その笑顔を見た那岐は自然と口元を緩めた。やがて彼はそっと那美の肩を抱き寄せ、那美もまた何も言わずその胸へ身を預ける。


 幸せだった。

 恐ろしいほどに幸せだった。


 あまりにも満たされているせいで、那美は時折、この幸福が夢のように感じられることがあった。目を閉じて、次に開いた時にはすべて消えてしまうのではないか。焼けた村に一人残された幼い自分へ戻ってしまうのではないか。そんな頼りない不安が、胸の奥をかすめる夜もある。


 けれど、那岐の腕は温かく、眠る子供たちの寝息は確かに耳に届いていた。

 だから那美は、その小さな不安を笑って胸の奥へ押し込めた。


 明日もまた同じ日々が続いていく。子供たちは成長し、村はさらに豊かになり、家族は増えていく。二人はそう信じていた。


 その夜、那美は那岐の腕の中で静かに目を閉じた。

 明日も、明後日も、この穏やかな日々が続いていく。

 そう信じられるほど、夜は優しかった。

ここまでお読み頂き、ありがとうございます。


流行りのジャンルでも、激しい格闘ものでもない作品ですが、テーマを出来るだけ伝えられるよう頑張っていきます。


もしよろしければ、反応いただけると執筆の励みになります。

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