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天使の囀り

 タイトルだけ見れば、幻想的なイメージが浮かぶのが、ここで紹介する『天使の囀り』なのですが、本作は『バイオホラー』という表現が一番しっくりくるかもしれません。


 ひとつ気になるのは、貴志祐介は京都大学経済学部出身なのに、何故こんなバイオホラーを書けたんだろうと思いました。おそらく取材したり調べたりしたのでしょうが、ホラーを書くうえで、必要なのは多方面な専門知識ですよね。知識があれば書けるホラーの幅が広がるはずです。


 以下『天使の囀り』のあらすじ


 「北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。恋人の高梨は、病的な死恐怖症タナトフォビアだったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。

 

 さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンでいったい何が起きたのか? 高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 前人未踏の恐怖が、あなたを襲う」



 


 本作については、ネタバレをしないと解説しづらいところがあるので、ネタバレを含みながら解説します。ご注意ください。



 序盤で私は「バイオホラー」ということを言ってしまっておりますが、この事件の黒幕は「人間の脳に寄生する線虫」です。


 ある宗教団体がこの「寄生虫」を世の中にバラまいて、理想的な世界を創ろうと企んでるんですね。能に寄生されると、「恐怖が快楽に変換される」という特性があり、例えば極端に死を恐れる人は、逆に死に魅了されてしまうように書き換えられてしまいます。


 なんともおぞましい状態です。しかも、「おぞましい」描写を文章で的確に表現している為、人を選ぶ作品です。


 幽霊ではなく線虫をホラーの対象にしてしまう貴志祐介のセンス、真似ようと思ってできるものではありません。




 もし興味が湧いた方は、一度貴志祐介の作品を読んでみて下さい。

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