第18話 炸裂する赤
死の予感が、ニコライの中で何かを弾けさせた。
嫌だ。
まだ死にたくない。
なんで俺が殺されなきゃならないんだ。
俺はただ、生きて帰りたかっただけなのに!
ニコライの手には、一発だけ「特別な弾丸」を込めたモシン・ナガンが握られていた。
炸裂弾。
当たれば肉を引き裂き、骨を砕く、悪魔の弾丸。
彼は照準など合わせなかった。
腰だめに銃を構え、絶叫とともに引き金を絞った。
「うあぁぁぁぁぁッ!!」
ドォン!!
重い衝撃が手首を襲う。
ほぼ同時に、前方の白い影の顔面で、赤い花が咲いた。
バシュッ!
それは、スイカが内側から破裂するような、おぞましい光景だった。
白いマスクが千切れ飛び、赤い霧が雪原に舞う。
死神の身体が、強烈な衝撃で後ろへとのけぞり、雪の中に崩れ落ちた。
――静寂。
ニコライは肩で息をしながら、立ち尽くしていた。
銃口から立ち上る紫煙。
火薬の臭いと、鉄の臭い。
やったのか?
俺が?
あの「不死身」を?
信じられなかった。
だが、雪の上に倒れたその姿は、動かなかった。雪が急速に赤く染まっていく。
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