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赤き星の震える指 ——死神を撃った男の告白  作者: beens
第4章 3月6日の銃声

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16/20

第15話 肉の波

本作は、前作で描いた、

シモ・ヘイヘの戦いを描いた物語と対を成す物語です。

『白き死神の挽歌エレジー ——極寒のコッラ、五〇五の墓標』

https://ncode.syosetu.com/n4792ls/

 午前9時。地獄の釜の蓋が開いた。

 

「ウラーーーッ!!」

 何千、何万という叫び声が重なり合い、大気を震わせる。

 第56師団を含むソ連軍の大部隊が、一斉にコッラ川の防衛線へとなだれ込んだ。

 ニコライもその波の一部だった。

 

 思考は停止していた。

 ただ前の人間の背中を追い、転ばないように足を動かす。転べば、後ろから来る友軍の群れに踏み潰されるからだ。

 

 ドォン! ドォン!

 

 敵の迫撃砲が着弾する。

 人間が吹き飛び、赤い霧になる。だが、波は止まらない。

 一人が死ねば、後ろから二人が湧いてくる。これがソ連軍の戦術、「人海戦術」だ。兵士の命を弾丸と同じ消耗品として扱い、敵の弾薬が尽きるまで肉の壁を押し当て続ける。

 ニコライの視界の端で、昨日までパンを分け合っていた新兵が、上半身を失って倒れるのが見えた。

 悲しみはなかった。

 ただ、(ああ、あいつはもう寒くないんだな)という、羨望にも似た乾いた感想だけが浮かんだ。

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