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第13話 狩られる者たち
それからの日々は、緩やかな自殺のようだった。
兵士たちは精神を病んでいった。
ある者は、雪の塊を見て「奴がいる!」と叫んで乱射した。
ある者は、夜中に塹壕から飛び出し、そのまま帰ってこなかった。
ニコライも限界だった。
眠ろうとして目を閉じると、あの白いマスクの男がまぶたの裏に浮かぶ。
食事をしていても、喉を通らない。
「ニコライ、俺たちは……家畜だ」
イワンが虚ろな目で呟いた。
「屠殺場に並んで、自分の番を待っているだけの肉だ。今日か、明日か。眉間を撃ち抜かれるのを待っているだけなんだ」
否定できなかった。
我々は兵士ではない。狩られる獲物だ。
銃を持っていても意味がない。相手が見えないのだから。
師団全体が、たった一人の男に恐怖し、足止めされていた。
政治将校の怒号も、もはや兵士たちの耳には届かなくなっていた。
死神への恐怖に比べれば、軍法会議など子供の遊びのようなものだった。
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