121 もう一回やり直し
世界の境は、あまり見てはいけない、と物心ついたときには周りの大人たちに言い聞かせられていた。
それを見つめ続けると目が潰れるとか心を持っていかれるとか、散々な脅し文句つきだった。
そして私はどうしたかというと、森に一人で入りはじめてじきに世界の境に出くわしたとき、見つめるだけでなく触ったり魔素術で攻撃をしたりいろいろやってみたのだった。
触る、のはじきにやめた。何かありそうで何もない、冷たいけれど熱がありそうな感覚は不思議でおもしろかったけれど、それだけでしかなかった。魔素術で攻撃するのはもっと面白くなかった。蜂の群舞だとか鶴の一声だとかをいくらぶつけても何の変化もなかったからだ。
それよりも、見つめるのが一番面白かった。世界の境は完全な闇だけれど、その先に何かが見えるような瞬間がときどきあったからだ。それは完全な見間違い、勘違いだったかもしれないけれど、確かに何かあるように見えたのだ。
「おい、あんまり世界の境を見るなって言っただろう」
後ろから声がした。振り返ると、兄がいた。いや、こいつはただの盗人だ。母から馬車を奪い、私たちから尊厳を奪おうとした。あのとき第三王女殿下に馬車に乗せてもらえなかったら、私と両親は別れさせられ、高原氏族のどこかの家に奴婢として取りこまれるところだった。
あれ、何で私はこんなことを考えているんだろう?私は高原氏族三十六家の一つの娘で、どこかの家の奴婢になるかもなんて心配はしなくていいのに。
「ユウ、シホゥはいた?」
姉の声がした。かなり近い場所まで来ている。
それを聞いて、これは現実ではないと私は確信した。姉は自ら森の中に入ることはしなかった。集落全体の指示で入らないといけないときには入ったが、年の離れた妹を探すなんてことのためにそんなことはしなかった。殊に世界の境があるような森の奥までなんて、絶対に来なかった。
まあ、賢明な振る舞いではある。姉は高原の外の人間と比較しても大した魔素術の使い手ではない。そんなのが一人で森の奥まで来るなんて、自殺行為でしかないからだ。
そのときにふと気づく。私の手は小さくなっていた。服装も、高原にいたころの粗末な草色のワンピースだった。学院の制服ではない。
そうだ、私は高原を出て成長し、王都の高等学院に入学したんだ。何でそれが高原にいるんだ。
私は立ち上がり、筍の階の上に乗って思い切り上昇した。兄も姉も追ってこなかった。それは予想通りだった。
姉が魔素術において不出来な一方で、兄は父の跡取りとして十分な力量があると目されていたが、その魔素術の出来には偏りがあり、名付きの術のうち、亀の甲羅と蜂の群舞、鶴の一声しか使えなかった。それらについて卓越しているのは間違いがなく、移動しながら亀の甲羅を張り続けるといったことも難なくやってのけたが、使えない三つの術については全く駄目だった。
魔素を工夫して使えば追ってくることは可能だが、それでも上昇するスピードという点では筍の階に敵うべくもない。なので、向こうが追ってこないのは当然だった。
森の樹冠を抜け、空がよく見えるところまで出たが、そこで私はどうしようかと考えあぐねた。私が今いるここは現実ではない。それは、樹冠の彼方に見える光景でも明らかだった。本来、森の向こうには高原の民が暮らす集落があり、そこだけ木がないのだが、私が見る限りではそのような場所はなく、いきなり森が途切れてそこから先は砂漠になっていた。目を凝らせばラウトゥーゾの遺跡まで見えた。
どうすれば現実に戻れるんだろうか、と考えあぐねていたとき、私の左手に暖かな感触があった。私の中からではない。そちらだけ薄い手袋をはめたような感じ。
そして、耳にもかすかに声が聞こえた。
「シホ、目を覚ましなさいよ!」
ホリィの声だった。そして、シュルやラヴィの声も聞こえた。そちらは何を言っているのかわからない。でも、耳を澄ましている最中、視界に白いものが横切っていったのに気づいた。
羽衣だった。
私は羽衣を掴んだ。いつの間にか、羽衣は私の周りを囲むように浮いていた。私は羽衣に魔素を込めた。何も起こらない。次に魔力を注ぐ。
すると、さっきまで子どもの手だった自分の手が、見慣れた大人の手に変わっていた。服装も、学院の制服に変わっている。臙脂色のスカートがはためくのを視界にとらえ、安堵感を覚える。
段々とシュルやラヴィの声がはっきり聞こえるようになってきた。二人とも、早く帰ってきて、と懇願していた。
そして、今度は右手から別な暖かみが流れてきた。先にあった暖かみはよく知った感じだったが、こちらの暖かみはそうではない。
左手の温もりの主は誰なんだろうと思いながらその温もりに意識を向けていた。
と、次の瞬間、視界が切り替わった。
そこは天幕の中で、初めての場所ではなかった。ストームの結界に入る前に隊長さんから話をきくのに使っていた場所だ。
視界にまず映ったのは、私の目の前に浮いたホリィとシュル、そして小さいサイズのラヴィだった。左手を握っていたのはマリちゃんで、マリちゃんは大粒の涙を絶え間なく流していた。私がそんなマリちゃんに声をかけようとしたとき、右手の温もりが消えた。
そちらに目をやると、ガリエス先輩がいた。その後ろにはファラーグ先輩も控えめに立っている。
私の視線に、ガリエス先輩は半ば怒ったような表情で、
「お前が目を覚まさないから、リーヌ・フォロが困っていた」
と言う。マリちゃんは何度も頷いていた。
「だって、魔素を流しても全然覚まさないんだもの。私だけじゃ足りないと思って治癒術師の先輩たちに助けてもらおうかと思ったけど、皆、運び出されてきた執事さんとか他のストームの人たちの治療に手一杯で。ガリエス先輩が治癒術を使えて本当に良かった……」
「あー、すみません、先輩。ありがとうございました。……ていうか、何で私ここで寝てるの?ストームの領主館に入ってそれで……」
「地下室に入ったところで倒れたのよ」
ホリィが言う。
「あのクソ人形が仕掛けた罠を突破しようとして、その途中で力尽きたの。シュルが結界を張ってあんたのダメージを最小限にしてくれたけど、意識がなかなか戻ってこなかったのよ」
「そうだよ、一度意識があっちに掴まったら、僕の結界じゃどうしようもないんだからね」
シュルが私の鼻の上に停まって言った。そして軽く眉間をつついてくる。
「もう無理しちゃ駄目だよ」
「うん。……ごめんね。えっと、でもそれだとタロちゃんはどうなったの?まだ結界の中にいる?」
「あのねえ、あんたをここまで連れて帰ったのは誰だと思ってるの」
ホリィがため息混じりに言うのに、私は悟る。
「あー、そっか。タロちゃんにも迷惑かけちゃったなあ。タロちゃんは今どこ?」
「あんたを引っ張り戻した後、領主館の外に転がしてきてた人がいるからってその人を取りに行って戻ってきて、今はそっちの治療の手伝いをやってる」
「治癒術師の人たちがいるのに?」
「そうなんだけど、それだけじゃ手が足りないっていうか。さっきタロスが担いできたのがガリエス家の執事だったんだけど、錯乱がひどくてね。とりあえず治癒術師が眠らせようとしてもすぐに意識を取り戻して、その度に周りに魔素術で攻撃をしようとしてきて。それで、それをタロスが亀の甲羅で防ぎながら、治癒術師が治療をするっていうことの繰り返しをしてるのよ」
マリちゃんも言う。
「亀の甲羅を張るのが少しでも遅れたら怪我をするようになるのだけど、執事さんの術の速さに対応できるのが治癒術師では無理で。クラリィ婆ちゃまたちもラヴィの修復の準備に取りかかっていて、頼れるのがタロスさんしかいないの」
「ああ、そっか……。それだとタロちゃんは動けないねえ。どれくらいで何とかなりそう?」
「わからないわ。執事さんがとりあえず落ち着いてくれればいいんだけど」
「眠らせようとしても駄目なんだっけ?」
「そうなの。今回のような場合、まずは眠るのが回復への一番の近道なんだけど、執事さんがもともと強い人だったみたいで、抵抗されてしまっていて」
「執事のアードは、魔素術だけではなくて武術にも長けていて。とても強いんだ」
ガリエス先輩がしみじみとした口調で言った。
「いつも父上の傍に控えていて……。忠義に厚い人間なんだが、今回はそれが悪い方に作用しているらしい」
「ああ、先輩、知っている人なんですね」
「六年前までは一緒に暮らしていたからな」
それで気がついた。
「そっか、先輩、ストームに住んでいたんですね」
「ストームに結界が現れるまでは。そのとき俺はたまたま叔母上のところに預けられていたから難を逃れたんだが。……これは前に話したかな。父上の様子がおかしくなって、屋敷の空気が悪いからと下の兄上が手配してくれたって。……いや、多分、兄上は父上が何かしようとしていると察して俺を逃がしてくれたんだろう」
私は思わずマリちゃんの方を窺った。マリちゃんは表情が無くなっていたが、それ以上のことはなかった。静かに先輩の話の先を待っていた。
先輩は私たちを見ながら頭を下げた。
「レクス兄上のこと、本当に申し訳なかった。まさか兄上が人間を襲うなんて」
先輩からの謝罪は初めてではない。私としてはこれ以上謝られても、と思うのだけど、マリちゃんはどうかな……。
私がまたマリちゃんの方をちらりと見ると、マリちゃんは無表情のままだったが、
「先輩、もういいですよ。さっきも謝ってもらいましたし。それに、私よりもあのときはシホちゃんの方がひどい怪我をして」
「いいよ、マリちゃん。私ももう先輩に謝ってもらってるから。それに先輩が謝る話じゃないし」
「二人とも、本当にすまない。レクス兄上がおかしくなっていたんだったら、傍にいた俺が気づいて止めるべきだったんだ。でも、まさかそんなことをするとは思わなかったんだ」
「お兄さんの様子に全然おかしいところはなかったんですか」
「なかった。眠れない、とは言っていたけど……。あと、今思えばぼんやりしていることがあったくらいかな。でも、当時は何とも思わなかった。それよりも父の方が様子がおかしかったから」
「どんな風におかしかったんです?金遣いが荒くなってたっていうのはききましたけど」
「雰囲気が棘々しくなって、何もなくても苛ついていた。家族も使用人も皆、父の八つ当たりの的になっていたな」
「先輩も八つ当たりされたんですか」
「ああ。怒鳴られたり物を投げつけられたりしたよ。大抵はレクス兄上が助けてくれたけど、兄上が間に合わないときには俺も魔法を使って防御したりしていた。そうすると父の機嫌は更に悪くなって、俺は途中、自分の身を守ることをやめたりもしたんだけど、レクス兄上は諦めるなって言って。何もしなかったからといって機嫌がよくなるわけじゃない、それだったら怪我をしないようにした方がましだと。それで、俺も納得して魔法を使うようになった。尤も、父に当てたら大変なことになるから、魔力制御にはかなり気を使うようになったよ。おかげで今、精緻な魔法の制御ができるようになっている」
「人に当てたら神々の煉獄が作動するから?でも、家庭内の喧嘩でもそんなのが動くんですかね」
「そんな当然のことも知らないのか!」
天幕の入り口で突然大きな声がした。
見ると、ハーヴェロイ王子がいた。あー、そういえばこいつもここに来ていたんだったけ、と思い出して私はげんなりした。
私は自分の気持ちをあからさまに顔に出したつもりだったのだが、王子は気にせず喋り続ける。
「煉獄に最初に納められたのは最初のテウルの王の王子だったが、彼は身内で遊んでいるときに誤って魔法がきょうだいの子に当たってそういうことになった。これでわかっただろう、当然家庭内の出来事であっても煉獄の起動対象になることが」
「申し訳ありませんが、ハーヴェロイ王子、ここは患者の部屋です。許可のない方は入室できません」
マリちゃんが立ち上がって言った。王子は言葉に詰まった様子を一瞬見せたが、
「……無礼だぞ、お前。何者だ」
「治癒術師局所属の者です」
「そんなのは服を見ればわかる。名を名乗れ!」
「王子、落ち着いてください。ここは病人の部屋ですよ」
ファラーグ先輩が優しい口調で言った。
「あと、ここにいる彼女は極みの治癒の使い手です。貴重な人材ですのでご配慮をお願いします」
王子は唇を噛んで言葉を呑み込んでいた。
王子が黙ったのはそれでいいんだけど、極みの治癒って何?初めてきいたわ。何か凄そうな感じはするけど。
王子は薄目でファラーグ先輩を睨みながら、
「レイ・テウル・ファラーグ、後で話がある」
「あー、いいですよ。後でおききします。ただ、話した内容は王宮には報告させていただきますから。今回ストームで見聞きしたことを全て報告書に作成する、それが俺たちのストーム入りの条件なので」
「それは、お前も該当するのか」
王子はガリエス先輩を見た。先輩はまっすぐ王子を見返した。
「そうです」
「お前の家の領地なのにか。情けないことだな。これがラウトゥーゾとともにテウルの懐刀と言われたガリエスのなれの果てか」
ガリエス先輩は言い返さない。視線を僅かに落としただけだ。
あー、いらいらする。
私は右手の人差し指をぴんと立て、そこから細い筍の階を王子の目めがけて生やした。一瞬で出現した針のようなそれを目のぎりぎりまで伸ばされて、王子は何が起きたのかわからなかったらしい。固まっていた。
「シホちゃん!」
ファラーグ先輩がいちはやく動きだし、王子の肩を掴んで後ろに下がらせる。
「駄目でしょ、いきなりそんなことして」
「あー、いや。寸止めだし、問題ないでしょ」
言いながら、筍の階を消滅させた。ファラーグ先輩は頭を振りながら、
「いや、でももし目に刺さっていたら、失明してたよ?」
「大丈夫ですよ、手元が少々狂ったって、絶対に当てません」
「それでも、今君は結界から戻ってきて目が覚めたばかりでしょ。いつも通りに術が使えないかもしれないじゃないか」
「いやー、どんなにへましたって当てませんって。もし当たるとしたら、的の方から動いて当たりにきた場合だけですよ。たとえば、いきなりのことにびびってふらついたりとか?まあ、腰抜けのぼんぼんならそういうことがあったかもしれませんけど、その場合には治癒術で治しますから」
そのときには王子は我に返って、
「不敬だ!今ここで殺してくれる!」
と叫びながら、腰に差していた細い剣を抜いた。私は剣に向けて筍の階を伸ばした。さっきと同じスピードで、でもさっきよりも太いものを。
筍の階が当たると、剣はあっさり折れた。王子は呆然としている。なんかこの王子やっぱり使えないな。貴族は大体こういうとき、剣を魔法で強化しているものなんだけど。そうなると、魔素の塊である筍の階がぶつかったくらいでは折れない。
王子は折れた剣を信じられないといった表情で見ていた。
そこへ、アンリウォルズ先輩が入ってきた。
「王子!ここにいたんですか、探したんですよ。……何かあったのか?」
折れた剣を見れば、誰だってそういう問いが出るだろう。
はっきりと誰に訊ねたわけではなく、誰も答えようとしなかったが、ファラーグ先輩が小さくため息をつきながら説明した。
アンリウォルズ先輩は目が険しくなりながらも王子に言った。口調は穏やかに、
「殿下、何かご用があってどこかへ行かれている途中だったのでは?そこまでお送りしますよ」
「ああ、いや。用はここにあってだな。今の結界の中の様子をききたくて来たのだが」
言いながら、王子は私を軽く睨んだ。
「話をきく相手がこれでは話にならないな」
「弱いものいじめをするからでしょ」
私は言い返した。
「弱いものいじめ?本当のことを言っただけだろう」
「本当のことなら何を言ってもいいっていうわけではないでしょう。それに、ストームがこんなことになっているのはガリエス先輩のせいじゃない」
ファラーグ先輩が私と王子の間に入っていった。
「まあまあ、シホちゃん。王子、フロリゼルにいろいろ言うのはやめてください。アリス・ゼンの言うとおり、ストームの件はこいつのせいじゃないですし、今ここで責めたところで何の意味もないですよ。それで、アリス・ゼンから話をきいてどうするんですか」
「ストーム解放の作戦を考える」
力強く王子は言った。はああ?何言ってるの、この人。
「方針はもう決まってるでしょう」
私は思わず言った。
「宮廷魔法使いが結界に穴を開けて、私とタロちゃんとで中に入って領主館の地下に入る。そして前当主かレオナルドの装置をどうにかする。以上!」
「そうは言うが、地下に入ってすぐに力尽きて戻って来たじゃないか。つまりお前では役者不足ということだ」
「次はそうはなりませんよ。あそこに何があるかわかったし作戦は練っていきます」
「当てにならんな」
「まあまあ、王子。王子には何か考えがあるんで?」
とりなすようにファラーグ先輩が訊ねると、王子は少し胸をそらして、
「俺が行く。魔力を碌に使えない平民が行くからそんなことになるんだ。俺のように魔力量が豊富にある者が行けば、何があっても突破できるだろう」
「あの地下室に入っていくのに魔力じゃ駄目よー」
ホリィが言う。神使のことはきいているのだろう、王子はホリィの存在に少し丁寧な反応を見せた。
「何故ですか。きけば、魔が憑いた人形の残骸が漂っているだけのこと。それを一掃すれば」
「一掃するのはいいわよ。それを、魔力でどうにかしようっていうのが駄目なのよ。そんなことをしたら神々の煉獄が作動するわよ」
「そんな馬鹿な!」
「気持ちはわかるけどねー、あっちはそういうずる賢い手を使ってきてるの」
「神々に何とかしていただくことはできないのですか」
「できなくはないだろうけど、しないんじゃないかな。何であんな奴のために煉獄の仕組みを組み直さないといけないんだってなりそう。まあ、神々からするとあいつは小物だからねえ」
「ハーヴェロイ王子、とりあえずここは病人の部屋なので。出ましょう。アリス・ゼンの回復は今回の作戦で大事なことです」
アンリウォルズ先輩が言った。王子は不満そうに、
「こんな無礼な者に任せないといけないのか」
「必要な力を持っているので。それと王子、王子の言動は王宮に報告させていただきます。レイ、この部屋で何があったのか教えてくれ」
「わかりました」
「いいぞ。堂々と報告すればいい。この平民が私に無礼な振る舞いをしたことをな」
王子の発言に、心配そうにマリちゃんが私を見た。私は鼻息荒く言った。
「いいですよ、どうぞ。王子が弱いものいじめをしていたことをよくよく報告してください」
「弱いものいじめだと?お前は何を言っている」
王子が憤慨した様子で私を見た。
「さっきも言ったでしょ、本人のせいじゃないことをねちねちと責めるなんて、弱いものいじめですよ。しかも全く生産性がない。馬鹿らしい」
「あー、アリス・ゼン。詳しいことはレイからきくから。お前は体を休めておけ」
「そうよー、何だったら私も神々に報告しておくから。マリも安心していいからねー」
ホリィの言葉にマリちゃんは安堵の表情を見せた。王子は少しばかり表情を強ばらせる。
それはともかくとして、アンリウォルズ先輩はハーヴェロイ王子とファラーグ先輩を連れて出て行った。




