↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した黒猫は悪役令嬢を改造したい 〜極悪非道のはずのお嬢様が、ただの不器用ポンコツだったので断罪エンドを全力で回避します!〜  作者: ゼロブロ
第2章 黒猫、王太子の靴ひもを狙う

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/58

第9話 王太子、観察力がない

完結確定。

毎日朝7時に更新します。

よろしくお願いします。

 王太子アレクシスが屋敷へ来る。


 その知らせを聞いてから、シルビアは目に見えて落ち着かなくなった。

 本人は平然としているつもりらしいが。

 朝食もいつも通り食べたし、午前の授業もきちんと受けた。

 礼儀作法の復習も完璧だった。


 だが、私は見ていた。

 いつもより本のページをめくる速度が遅い。

 窓の外を見る回数が多い。

 侍女がドレスを選ぶとき、普段より長く迷っている。

 髪飾りを三度も変えた。

 そして何より、私の背を撫でる手が、少しだけ忙しない。


 緊張している。

 いや、それだけではない。

 楽しみにしている。


 たぶん、シルビアはアレクシス王太子に会えるのを楽しみにしているのだ。

 だが、それを本人がどう認識しているのかは怪しい。


「ノワール」

 シルビアは鏡の前で、侍女に髪を整えられながら私を見た。

 今日のドレスは淡い青色だった。

 白いレースが控えめにあしらわれていて、七歳の少女らしい可愛らしさがある。

 髪には小さな真珠の飾り。

 かなり良い。

 悪役令嬢感は薄いが、本人の顔面が強いので油断はできないけれど。


「殿下にお会いするのですから、失礼があってはなりませんわ」

「にゃ」

 そうだ、失礼があってはならない。

 だが、それ以上に大事なのは、怖がらせないことだ。

 シルビアは王太子の前に出ると、緊張で表情が固くなる可能性が高い。

 声も硬くなり、目も細まる。

 そして口から出る言葉は、おそらく高圧的になる。


 危険である。

 非常に危険である。


 黒猫式・悪役令嬢改造計画、最初の大試練。


 王太子アレクシスに、シルビアを誤解させないこと。

 難易度は高い。

 私は猫である。

 人間の言葉は話せない。

 未来の断罪イベントを説明することもできない。


 アレクシス王太子に向かって「あなた将来、この子を断罪しますけど、その前に観察力を鍛えてください」と言うこともできない。

 すごく伝えたいけど。


 できることは限られている。

 鳴く、すり寄る、邪魔をする、最終手段は噛む。


 しかし噛むのは王族に対してちょっとアレだから、靴ひもを狙おう。

 私は真剣だった。

 シルビアは、そんな私を見て首をかしげる。


「あなた、今日はずいぶん険しい顔をしていますわね」

「にゃ」

 任務中なので。

 侍女エマが、シルビアの髪飾りを整えながら小さく微笑んだ。


「ノワール様も、王太子殿下にお会いするのが緊張なさるのでしょうか」

 ……様。

 相変わらず私は様づけである。

 猫としての身分がじわじわ上がっている気がする。

 シルビアは少し得意げに言った。


「当然ですわ。ノワールはわたくしの猫ですもの。殿下の前でも堂々としていなくてはなりません」

 堂々。

 出た。

 危険単語である。

 「堂々」は、だいたい「威圧」とつながっている。

 私はすぐに鳴いた。


「にゃ」

 違うぞ。

 堂々とは、睨むことではなく、命令口調になることでもない。

 もちろん高笑いでもない。

 シルビアは私を見下ろした。


「分かっていますわ。高笑いはいたしません」

 お、通じた。

 そこは分かっているらしい。

 大きな進歩である。


 少なくとも王太子の前で「おほほほ」とやられる危険は減った。

 私は少しだけ安心した。

 少しだけ。


 昼過ぎ。

 王太子一行がグランベル公爵家へ到着した。

 屋敷の玄関前には、公爵夫妻とレオンハルト、そしてシルビアが並んでいた。私はシルビアの足元にいる。

 本来なら、王太子を迎える場に猫がいてよいのかは分からないが。

 だが、シルビアが「ノワールもわたくしのそばにいるべきですわ」と言い張った結果、私はここにいる。


 公爵は苦笑し、夫人は微笑み、レオンハルトは「まあ、ノワールなら大人しくしているだろう」と言った。

 猫への信頼が重い。

 ほどなくして、馬車が止まり、一人の少年が降りてくる。


 アレクシス王太子。

 年はシルビアと同じ歳。

 金色の髪に、青い瞳。服装は上品で、姿勢も良い。

 顔は、かなり整っている。

 さすが乙女ゲームのメイン攻略対象。

 幼いながらも、すでに王子様である。

 成長後は、そりゃ人気が出るだろうという顔だった。


 周囲の空気も、彼が現れた瞬間に少し変わる。

 使用人たちは緊張しながらも、どこか見惚れている。

 アレクシスは穏やかに微笑み、きちんと挨拶をした。 


「本日はお招きいただき、ありがとうございます。グランベル公爵」

 声もよい。

 礼儀もよい。

 見た目もよい。

 身分もよい。

 周囲の評価も上々。

 なるほど、攻略対象としては申し分ない。


 だが、問題は中身である。

 私はじっと王太子を見た。

 アレクシスの視線が、公爵から公爵夫人、レオンハルトへ移る。

 そして最後に、シルビアへ向いた。

 その瞬間、シルビアの背筋がさらに伸びた。

 ……伸びすぎである。


 表情が固まる。

 目元に力が入る。

 口元がきゅっと結ばれる。

 ああ、まずい、最高潮に緊張している。

 シルビアは一歩前へ出た。


「ごきげんよう、アレクシス殿下」

 声は丁寧、挨拶も完璧。

 だが、表情が怖い。

 しかも、少し離れているため、シルビアはアレクシスの顔を見ようとして目を細めていた。

 結果、完全に睨んでいる。


 アレクシスの表情が、ほんの少しだけこわばった。

 今、彼は怯んだ。

 私は内心で頭を抱える。

 違う、睨んでいない!

 見えていないだけだ。


 王太子、そこで誤解するな。

 考えろ、考えるのだ!

 アレクシスはすぐに微笑みを戻したが、わずかに距離を取った。


「ごきげんよう、シルビア嬢」

 声は礼儀正しい。

 だが、少し硬い。

 シルビアはそれに気づいたのか、さらに顔を引き締めた。

 悪循環である。

 私はシルビアの足元で短く鳴いた。


「にゃ」

 力を抜け。

 表情筋を解放しろ。

 しかしシルビアは私の声を、別の意味に受け取ったらしい。


「ノワールも、殿下にご挨拶なさい」

 違う。

 今は私ではない、あなたの表情の問題だ。

 だが、王太子の視線が私に落ちた。


「黒猫?」

 アレクシスは少し驚いたように目を丸くした。

 私は彼を見上げた。

 顔はいい、身分もいい、周囲の評価も上々。

 だが、観察力がない。

 現在の評価、将来の国王・国家運営に不安。

 私は心の中で厳しく採点した。


 アレクシスはしゃがみ込むほどではないが、少しだけ身をかがめた。

「君の猫かい?」

 シルビアはすぐに答える。

「ええ。ノワールですわ」

 その声は、少しだけ誇らしげだった。

 よし。

 猫の話題なら、少し緊張が解けるかもしれない。

 私はシルビアの足元にすり寄った。

 アレクシスはそれを見て、柔らかく微笑む。


「美しい猫だね」

 シルビアの頬が、ほんの少し赤くなった。

 自分が褒められたわけではないが、自分の猫を褒められて嬉しいのだろう。

 素直に喜べ。

 ここで素直に喜べ、シルビア。

 シルビアは口を開いた。


「当然ですわ。わたくしの猫ですもの」

 当然ですわ……。

 違う。

 そうじゃない。

 そこは「ありがとうございます」だ。

 アレクシスの笑みが、少しだけ引きつった。


 ほら。

 今の「当然ですわ」が、高慢に聞こえた。

 私はすかさずシルビアの足に前足を乗せた。


「にゃ」

 言い直せ。

 シルビアは私を見下ろす。

 一瞬、首をかしげたあと、はっとしたように顔を上げた。


「……お褒めいただき、ありがとうございます」

 言えた。

 ぎこちないが、言えた。

 アレクシスは少し驚いたようだった。


「うん。よく懐いているんだね」

「ええ。ノワールは賢い猫ですから」

 また誇らしげ。

 だが、今度は少し柔らかい。

 よし。

 猫トーク、効果あり!

 私は内心でうなずいた。


 その後、王太子一行は屋敷の中へ案内された。

 大人たちはしばらく応接室で話をするらしい。

 シルビアとアレクシスは、庭に面した小さなテラスでお茶をすることになった。


 つまり、婚約者同士の交流時間である。

 そう、危険な時間だ。

 私は当然のように同行し、シルビアの椅子の足元に座る。


 テーブルには紅茶と焼き菓子が並べられていた。

 出たな、紅茶。

 私は反射的に身構えた。

 先日の悪評イベントを思い出す。

 カップ、熱い紅茶、そして緊張した場面。


 今回、相手は王太子である。

 ここで何か起きれば、被害は大きい。

 私はテーブルの下から周囲を監視した。

 侍女エマが紅茶を注ぐ。

 よし、手は落ち着いている。


 シルビアの表情は硬く、アレクシスも少し緊張している。

 沈黙。

 長いな。


 七歳同士のお茶会とは思えないほど、空気が重い。

 シルビアは何かを言おうとして何度か口を開き、閉じる。

 アレクシスも同じだ。

 この二人、会話偏差値がすこぶる低い。

 先に口を開いたのはアレクシスだった。


「シルビア嬢は、最近どんな勉強をしているの?」

 無難な質問。

 よい。

 まずは無難でいい。

 シルビアは背筋を伸ばした。


「歴史と礼儀作法、あとは魔法理論ですわ」

「魔法理論も?」

「当然ですわ。公爵家の娘として、基礎は身につけておくべきですもの」

 悪くない。

 少し硬いが、普通の範囲だ。

 アレクシスは感心したように言う。


「すごいね。僕は魔法理論は少し苦手だ」

 ここだ。

 ここでシルビアが「お教えしましょうか」と優しく言えれば、好感度が上がる。

 シルビアは目を細めた。

 考えている。

 いや、相手の顔を見ようとしているのかもしれない。

 どちらにせよ、怖い。


「殿下が苦手ですの?」

 声が硬い。

 アレクシスの肩が少しこわばる。

「う、うん」

 シルビアは真剣な顔で言った。

「王太子であられるのに?」

 私は固まった。

 まずい。

 今のは非常にまずい。


 本人としては、たぶん驚いただけだ。

 王太子なのに苦手科目があるのか、という純粋な疑問。

 だが、聞こえ方は最悪である。

 王太子なのにそんなこともできませんの?

 完全にこれだ。


 アレクシスの顔が少し赤くなった。

 恥ずかしさか、むっとしたのか、どちらにせよ非常によくない。

 私は即座に動いた。

 テーブルの下から出て、アレクシスの足元へ向かう。

 そして、彼の靴ひもに前足をかけた。


 靴ひも。

 最終手段の一つである。

 私は軽く引っ張った。


「わっ」

 アレクシスが驚いて足元を見る。

 会話が中断された。

 成功である。

 シルビアも私を見る。


「ノワール?」

 アレクシスは目を瞬かせたあと、少し笑った。

「僕の靴が気になるの?」


「にゃ」

 気になるのは靴ではない。

 会話の炎上である。

 だが、アレクシスの表情は少し和らいだ。

 空気が変わる。


 私は靴ひもから前足を離し、今度はシルビアの足元へ戻った。

 シルビアは、先ほどの自分の発言を思い返したのか、少しだけ視線を落とした。

「……殿下」

「何かな」

「魔法理論は、難しいところもありますわ」

 お、言い直す気だ。

「わたくしも、最初は分かりにくいと思いました」

 アレクシスが少し驚いたように顔を上げる。

「そうなの?」

「ええ。ですから……」

 シルビアは少しだけ言葉に詰まった。


 私は足元で見上げる。

 頑張れ。

 命令形ではなく。

 高圧的でもなく。

 普通に。


「必要でしたら、わたくしの使っている本をお貸ししますわ」

 よーーーーーーーっし!!!!!

 良い!

 かなり良い!

 思わず尻尾が横揺れしてしまった。

 アレクシスも、今度は素直に笑った。


「ありがとう。見てみたいな」

 シルビアの頬が赤くなった。

「か、貸すだけですわ。分からないところがあっても、わたくしが教えるとは限りません」

 悪役令嬢ポイント、少し加算。

 だが、照れ隠しとしては許容範囲。

 アレクシスは苦笑した。

「うん。ありがとう」

 ここまでは何とか持ち直した。

 私は内心で息を吐く。


 王太子の靴ひも介入、効果あり。

 ただし、これを毎回やるわけにはいかない。

 さすがに靴ひもだけで国家の未来を支えるのは無理がある。


 お茶会はその後も続いた。

 シルビアは少しずつ話した。

 アレクシスも、少しずつ質問した。

 ぎこちないが、悪くない。


 だが、問題は終盤に起きた。

 アレクシスが、何気なく言ったのだ。


「魔法といえば、神殿でも珍しい力を持つ子が見つかったらしいね」

 私は耳を立てた。

 聖女候補。

 その言葉は危険だ。


 ゲーム本編のヒロインで平民出身の聖女候補。

 将来、シルビアと対立することになる少女。

 もちろん、今はまだ詳しい話ではないのだろう。

 だが、乙女ゲームの世界では、聖女候補という言葉は重要なフラグだ。

 シルビアの表情が硬くなった。


「聖女候補、ですか」

「うん。まだ幼いそうだけど、珍しい力を持っているとか」

 アレクシスは悪気なく続ける。

「父上も、神殿が大切に育てるだろうとおっしゃっていた」

 シルビアはカップを持つ手に力を入れた。

 かすかに、指先が震えている。


 なぜだ。

 嫉妬か、不安か。

 婚約者である王太子が、別の少女の話をしたからか。

 七歳のシルビアには、まだその感情の名前は分からないのかもしれない。

 彼女は口を開いた。


「殿下は、その聖女候補にご興味がおありですの?」

 声が低い。

 アレクシスが少し驚く。

「え? いや、そういうわけでは」

「そうですの」

 シルビアの目が細まる。

 まずい。

 非常にまずい。

 悪役令嬢感が漏れ出ている。

 将来のヒロイン敵視ルートの種が、今まさに植わりかけている。

 私は迷わず、アレクシスの膝へ飛び乗った。


「うわっ!」

 アレクシスが驚いて声を上げる。

 シルビアも目を見開いた。

「ノワール!」

 私はアレクシスの膝の上で、堂々と座った。


 会話を止めるためである。

 断じて王太子に懐いたわけではない。

 断じて。

 アレクシスは驚いたあと、困ったように笑った。

「君は本当に不思議な猫だね」


 私は彼を見上げた。

 その通り。

 私は不思議な猫である。

 だから今、あなたの不用意な発言による地雷設置を止めた。


 アレクシスはそっと私の背を撫でようとした。

 私は少し迷った。

 王太子に撫でられる、これをシルビアがどう受け取るか。

 判断が遅れた。

 アレクシスの手が、私の背に触れる。

 シルビアの声が飛んだ。


「ノワールは、わたくしの猫ですわ!」

 テラスが静かになった。

 アレクシスが手を止める。

 シルビアは自分の声が思ったより大きかったことに気づいたのか、顔を赤くした。


「そ、その……勝手に撫でられては困ります。ノワールが驚きますから」

 言い直した。

 偉い。

 だが、最初の一言が強すぎた。

 アレクシスは少し困ったように手を引っ込めた。


「ごめん。君の猫だったね」

 シルビアは視線をそらした。

「分かればよろしいのですわ」

 また強い。

 私は膝の上で頭を抱えたくなった。

 だが、同時に思う。

 これは嫉妬だ。

 猫を取られそうになった嫉妬。

 そしておそらく、王太子の関心が自分ではないものへ向いたことへの、小さな不安。


 シルビアは、それをうまく扱えない。

 だから、強い言葉になる。

 アレクシスはその奥を見ない。

 表面は見ている。

 けれど、その奥までは見ていない。

 お茶会は、その後すぐに終わった。


 大きな失敗はなかった。成果だけ見れば、悪くない。

 しかし、アレクシスは最後まで、シルビアに少し距離を置いていた。

 シルビアも、それに気づいていた。

 玄関で王太子を見送るとき、彼女は完璧な礼をした。


「本日はありがとうございました、アレクシス殿下」

 声は丁寧、礼も完璧、だけど表情は固い。

 アレクシスも礼儀正しく微笑む。

「こちらこそ、ありがとう。シルビア嬢」

 それだけ。

 馬車が去っていく。

 シルビアは、しばらくその後ろ姿を見ていた。


 私は彼女の足元に座る。

「にゃ」

 シルビアは私を見下ろさない。

 ただ、ぽつりと言った。


「殿下は……わたくしのことが、お嫌いなのかしら」

 小さな声だった。

 胸が、きゅっとした。

 七歳の少女の声だった。


 さっきまでの公爵令嬢の顔は、そこにはなかった。

 ただ、婚約者に距離を置かれたことを感じ取ってしまった子どもがいた。

 私は何も言えない。


 アレクシスは、たぶんシルビアを嫌っているわけではない。

 ただ、怖いと思って、誤解している。

 周囲の評判や表面の態度だけを見て、シルビアの本当の気持ちを見ていない。

 だが、それはシルビアにとっては同じことだ。

 私はそっと、彼女の足に体をすり寄せた。


「にゃ」

 違う。

 そう言いたい。

 あなたが嫌われているわけではない。

 ただ、伝わっていないだけだ。

 しかし、言葉にはならない。

 シルビアは少しだけ笑った。

 いつもの鋭さのない、寂しそうな笑みだった。


「慰めてくれているの?」

「にゃ」

 そうだ。

 シルビアは私を抱き上げた。

 腕に力が入り少しだけいつもより強い。


「ありがとう、ノワール」

 その言葉は、とても小さかった。

 けれど、ちゃんと言えた。

 私はシルビアの胸元に顔を寄せる。

 シルビアも私の背に顔を埋めた。


 王太子とのお茶会。

 大事故は防いだ。

 けれど、誤解は残った。

 小さなひびが、シルビアの心に入った。

 このひびが、十年後の断罪につながるのかもしれない。

 私は静かに目を細めた。


 王太子アレクシス。

 その観察力のなさが、シルビアを傷つける。

 これは、早めにどうにかしなければならない。


 黒猫式・悪役令嬢改造計画。

 対象追加。

 王太子アレクシス。

 再教育候補である。

「王太子アレクシス、シルビアの将来の夫である。身分も顔も性格もいい。だけど、今のお前に娘はやらんぞっ!娘を嫁がせる親の気持ちになる黒猫、元人間二六歳独身。by ノワール」


ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


続きが何か気になる、面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると、とても嬉しいです。

黒猫一匹と作者が喜びます。

ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。