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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
780/812

第161話-6 狙い通りにならないのが世の常

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 アイラは歩くのだった。

 すでに、日課となっているほどだ。

 歩きながら、人を探すのだった。

 (イスドラークにやってきたラナトールから商人だとは分かったけど、彼らが商売をおこなっている場所に行ってみる。)

 アイラはそう思いながら、ミグリアが商売をしている場所へと向かう。

 アイラの方も何も情報を得られなかったというわけではなく、色んな人に不慣れな聞き込みをしながら、ミランを探していたのだった。

 なぜなら、ミランの首筋にある水晶を見て、自分と同じ先祖の関係だとすぐに分かったからだ。

 だからこそ、どこかで会う必要を感じていたのだった。

 アイラは歩きながらも、警戒を怠るようなことはしない。

 女が一人でうろつき回れるほどに治安が良いというわけではないイスドラークである以上、危険を感じれば、自分の身は自分で守らないといけない。

 「女一人で、歩き回らせるほど、アーサルエルさんは甘くないと思うんだけどなぁ~、アイラ。」

 聞きたくもない声が一つ聞こえるのだった。

 ピキィ!!!

 眉間に皺を寄せるような感情になるアイラだったが、ここで暴力沙汰を起こすわけにはいかないので、声をかけてきた人物を無視するようにして歩き続ける。

 「俺を無視しないでぇ~、アイラちゃ―――――――――――――――――――――ん。」

 しつこくアイラに声をかけてくる人は、言うのだった。

 我慢するしかない。

 問題を起こせば、大変になることを知っているからだ。

 怒りの感情をある程度コントロールすることはできているのだから―…。

 そのように自分自身に思い込むしかない。

 そんな会話がイスドラークの中で目立たないということはなかった。残念なことに―…。

 「しつこい男ねぇ~。」

 「ええ、可哀想に―…。」

 こういう主婦の方々の噂話というものがなされるのであり、後の井戸端会議の話題を提供する結果となったが、この二人が知る由はない。

 そういう場には行くことはほとんどなく、イスドラークでは皆無としか言いようがない。

 アイラとエンゲルは、仕事でイスドラークにいるのであり、イスドラークの人々の生活に関する論文を書くための調査をおこなっているわけではないのだから―…。

 そんな言葉をエンゲルは聞こえたとしても無視して、アイラに話しかけようとするが、無視されるのだった。

 アイラからしたら、エンゲルと会話をすればするほど、こちらの方が精神的なダメージを受けて、精神的な不調を迎えるので、そんなのは嫌だし、エンゲルのカルフィーア村での評判は宜しくないのだから―…。

 変なことを言って、笑いをとろうとしてくるからだし、ウザいという表現が似合うぐらいに、いろいろとしつこく話かけてくるのだから―…。

 さて、そんな二人は、そんな状態を続けながら、ミグリアが商店を開いている場所へと到着し、見つけるのだった。

 すでに、昨日までに、どういう人であるか、顔や容姿などを聞いているので、合致した人がいると分かったのだ。

 そして、ミグリアの横には、グロリーガもいて、仲良く会話をしているのだった。

 アイラは、二人の目の前に行き―…。

 「………………ちょっと聞きたいのですが、ミグリアというラナトールからこちらへと商売に来ている人はいませんか?」

 アイラも会話ができないわけではないが、得意な方ではないし、数年前までは黙っている時間の方が多く、話すのは親友たちと、リガであった。

 アイラは、必要以上に話すことがなくたって上手くやれていたのだが、ある事件を機に離れるようになったせいで、自分で話かけないといけないので、そういう面ではアイラも苦労をしているというわけであり、もし、この場だけでも、彼女らに任せるようなことが都合よくできればと何度も思ったことか。

 だけど、そのようなことは自分勝手なことであり、できないことも分かっている。

 だからこそ、自分が苦手なことであったとしても、しないといけない以上、初対面の人でも話かけるようなことの苦手であったという理由で逃げることはできない。

 アイラ自身の選択であり、そうである以上、自分に文句を言ったとしても、仕方ないという結論になるのだった。

 自分の選択が間違っていないと思うために―…。

 そんな少女からの言葉を聞いた二人のうち、ミグリアは反応するのだった。

 (悪い子ではないが、後ろにいるのはウザそうだねぇ~。)

 そんなことをミグリアは思いながら口を開くのだった。

 「私がミグリアだが―…、お嬢ちゃん、何の用だい?」

 まあ、形式的なことであるが、このように返事をするのだ妥当であろう。

 ミグリアからしたら、悪い子ではないとしても、良い子のように見せる人だって世の中にいる以上、警戒をしないというわけにはいかないが、グロリーガは一切、警戒していないどころか、疑問の気持ちを思いながら、アイラを見ているのだった。

 そんなことに対して、ミグリアはアホかと心の中でグロリーガにツッコミを入れながら、アイラの言葉を待つのだった。

 アイラの方は、ミグリアの言っている意味をしっかりと考えた上で話すのだった。

 「……………ラナトールからイスドラークの護衛の中に、少女はいませんでしたか?」

 ここで、首筋に水晶があると言ったも、誰もそのことに気づくはずはないし、それを知っているのなら、この場にいるミグリアは「人に創られし人」の一族ということになる。

 だけど、ミグリアは「人に創られし人」の一族ではない。

 アイラもミグリアの首筋を見て水晶がないということが分かっているからこそ、このような言葉を言うのだった。

 そのため、ぼかしているような感じのことになるのだった。

 グロリーガは、何となくだけど、誰を探しているのかを予想するのだった。

 あいつらというところまで絞ることはできたが、それ以上は分からないのであったし、なぜ探しているのかは予想できないわけではないが、詳しいことではないし、情報を開示して良いのかは判断のしようがなかった。

 アイラが何かを隠しているのが分かったからだ。

 「少女かぁ~。確かにイスドラームまでの間に我が商会の護衛の依頼を受けた人がいるけど、そんな情報を知って何をする気だい?」

 そう、情報をタダで提供するようなことはできないし、一応は護衛をしてもらった側なので、そのような個人情報を提示するのは危険なことでしかない。

 瑠璃たちの情報を公開して、アイラが瑠璃たちの敵であるということになるのなら、ミグリアとしても商人としての信頼という面で、傷つくことになってしまうので、迂闊に言うことはできない。

 そして、知らないことも多いのだから―…。

 「その少女に会いたい。私の―…。」

 アイラが言いかけたところで―…。

 「その少女と俺たち同じ故郷の出身で~、この子が偶然、あなた方の隊商がやって来た時に見かけたので、その少女の泊っている宿へと向かって、募る話をしようとしているんだ。それに、この子とその少女は凄く仲良くてぇ~、すいません。その少女が泊っている宿の情報を教えてくれないだろうか?」

 アイラの口を塞ぎ、エンゲルが言う。

 エンゲルからしたら、変に向こう側にこちらの情報を与えるようなことはできない。

 それに、エンゲルも今、自分が言った言葉が相手に不信感を抱かせるのは分かっているが、これ以上、ミグリアらに情報を提供するのは危険だからこそ、嘘を敢えて混ぜることによって、怪しまれることになるだろうが、そこのところは守らないといけない。

 アイラだと、それをつい口にしてしまうのではないか、と思ってしまったからだ。

 そして、宿の場所を知れば、エンゲルからしたら、アイラのやりたいことの目的も果たせることであろう。

 そんな気がしたので―…。

 (……………かなり怪しい二人だが、悪というわけではないな―…。言えない事情というものがあるんだろうなぁ~。だけど―…。)

 グロリーガは分かっている。

 本来なら、瑠璃たちの情報を言うべきではないが、サンバリアへと向かおうとしていることだけは、彼らの会話の中で分かっている。

 なので―…。

 「その少女が泊っている場所は知らない。こちらのミグリアの隊商のラナトールからイスドラークまでの護衛というのが依頼であり、それ以後は報酬を支払い、知らない。だけど―…、その少女はサンバリアへと向かおうとしているみたいだけど―…。これ以上は情報を出すことはできないし、こちら側から教えたということはどういうことか、分かっているよなぁ~。」

 グロリーガもタダで情報を渡すようなことはできない。

 情報は有益なものほど、その値段は高いのだから、何かしらの対価もしくは、ミグリアが売っている商品を買ってもらおうとしているのだ。

 そういう狙いにミグリアは呆れるが、商売人である以上、グロリーガのしていることを否定することなどできやしない。

 できるわけがない。

 (グロリーガー……お前…………………。)

と、心の中で思いながら―…。

 グロリーガは、エンゲルの返答を待つのであった。

 エンゲルの方も、何を言われているのかが分かったので、言うべきことは決まっているので―…。

 「分かりました。何かお勧めの商品とかありますか?」

 それ以後、エンゲルは、ミグリアやグロリーガの説明を聞き、何品か買うのであった。

 イスドラークやカルフィーア村からでは、中々手に入らないものを―…。

 エンゲルからしたら、仕方ないことであり、必要経費と割り切りたいのだが、リガに怒られるのではないかと思うと、気分としてはあまり良いものではなくなるのであったが―…。

 その様子を見ながら、エンゲルのことを哀れに思うミグリアとグロリーガであった。


 買い物を終え―…。

 「お前さんらも気をつけろよ。ここ最近、イスドラークで、何かしら不穏な動きがあり、それが爆発しそうな感じがするのでねぇ~。」

 ミグリアは言う。

 グロリーガも分かっているが、ミグリアの護衛である以上、最低限、ミグリアを立てないといけない。

 それを知っているからこそ、最後はミグリアに譲るという形をとったのである。

 そういう意味では、目立ちたがり屋だと周囲からは思われているグロリーガであるが、気を遣えないわけではない、ということである。

 そして、ミグリアの言葉を聞いたのをエンゲルは、しっかりと返事をすることで、返すのだった。

 「ええ、その時は自分でできる範囲で何とかしますよ!!」

 エンゲルはこのように返事をするのだった。

 その言い方は、自分ならできるということの意味を込めて―…。

 そのような言い方でグロリーガは、エンゲルの実力を見破ったのか?

 「ミグリア、明日にはラナトールへと戻るのだよなぁ~。」

 「ああ。」

 「話は少しだけ戻るが、あいつら……たぶんだけど、天成獣の宿っている武器で戦いに長けている連中だな。動きが戦いを知っている人物だし、ミグリアが警戒していることに気づいていた。でも、あの少女は、その戦いを知っているはずなのに、天成獣の力というものを拒否しているような―…。いや、これ以上は関係ないな。」

 グロリーガは、エンゲルとアイラが天成獣の宿っている武器で戦うことができる存在であることを動きから見破ることができた。

 だが、アイラの方はなぜか天成獣という存在を拒否しているように感じたし、何かしらの深い闇があるのだと思ったのだが、何でもかんでも介入するのは良い結果を導くとは限らないので、今回は大人しく「関係ないな」と言って、これ以上、深堀りするようなことは止めるのだった。

 ミグリアからしても、そのような判断は間違っていないと思うし、グロリーガのお節介はいつものことであるので、変なことに巻き込まれるのはなるべく避けないといけない。

 (ラナトールの方でも大変なのに、イスドラークのことに関わるようなことはできない。)

 ミグリアは心の中で思うのだった。

 人が関われることには限度というものが存在し、問題を解決するためにはある時点からある時点までの時間を消費するということによって、なされる以上、この限度ということは平然と成り立つことになり、有限であるということも証明されるのである。

 なので、人は個人で全ての問題を全部解決できるわけではない、ということになり、どうしても取捨選択というものが必要となってくるのである。残念なことであるが―…。

 付け加えると、要は、選択をミスをすると大変なことになるというのは避けて通ることができない。

 そして、エンゲルとアイラの方が歩いて行くのを見ながら、グロリーガとミグリアは二人が馬鹿な目に遭わないように思うのだった。

 翌日、ミグリアの隊商は護衛とともに、ラナトールの方へと出発していくのであった。


第161話-7 狙い通りにならないのが世の常 に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆をしていきたいと思います。


では―…。

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