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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
773/811

第160話-12 イスドラークへ

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 「彼ら、いや、彼女らを見つけるためには、特別な条件が必要で、それができるのは私と瑠璃だけ。なので、他の人が探そうとしても見つけることはできないし、向こうから接触してこない限り分かることはないでしょうね。」

 ミランははっきりと言う。

 なぜ、そう言えるのか?

 自身以外に、話す理由はないし、そのことを外でこっそりと聞いているかもしれない人物がいれば、このアウリア大陸では面倒くさいことになる。

 さらに、ラーグラに聞かしてしまうようなことがあれば、もし、仮に逃げられるようなことがあれば、サンバリアに情報が漏れることになり、自分達が不利になってしまう。

 そのようなことをミランが望むはずもない。

 ゆえに、理由は一切、聞かれたとしても言わない。

 「それに―…、私と瑠璃以外には見えないでしょうし―…。」

 ミランは続けて言う。

 その言葉の意味を、ミラン以外の人は理解できない。

 いや、瑠璃は僅かばかりだけど、見当というものをつけることができるかもしれない。

 それは、瑠璃自身の体に、首筋にあるものであろう。

 それを見ることができるのは、それを首筋に持っている者達だけである。

 そして、ミラン以外は、本当に不思議そうな顔をするのだった。

 (ミランさんが言っている意味が分からないけど、何か―……、何か理由があるのだろうか?)

 礼奈はこのように疑問を思うのだが、答えを聞けるようなことはないだろう。

 ゆえに、これ以上聞かない方が良いだろうと判断したし、ミランに任せるしかない、ということになる。

 「じゃあ、私は外の方を少しだけ、歩いてくるわ。」

 そう言いながら、ミランは外へと出て行くのだった。

 自身が歩き回ることによって、「人に創られし人」の一族の関係者の誰かに見つけてもらう必要があるのだった。

 この出歩きが、イスドラークに入ってからのミランの日課となっていた。


 一方で、スラム街に近い場所の宿。

 この宿はスラム街に近いこともあるが、それなりの値段となっているが、なぜか、安く泊まることができていた。

 それは、おじさんと少女がこの宿の経営者と知り合いであり、かつ、カルフィーア村と関係のある者であったからだ。

 そして―…。

 「アイラ、相変わらず、水晶を首筋に持っている人物との接触はできていないようだな。」

 アーサルエルは、陽気な表情で言う。

 酒の類を飲んでいるわけではないが、今日は、ぐっすりと眠ることができたから、気分が良いのだろう。

 良い宿に泊まっているからとも言えるかもしれないが―…。

 まあ、宿が良いと気分が悪くなったりする者は、よっぽどの別の理由が大きなものでない限りないと思えるのだが―…。

 そんななか、アイラと呼ばれている少女は、銀色もしくは鼠色をしたマフラーという場違いなものをしながらも、アーサルエルから指摘されることもなく、自分の状況を報告するのだった。

 「ええ、あの日以来、見かけた場所を中心に、ラナトールのキャラバンが多く集まる市場にも向かったけど、いなかった。彼女もイスドラークのどこかしらに泊まっているのは確かだと思う。だけど、見つからない。見つけられない。一体、どこに―…。こっちは、他にもやらないといけないことがあるのに―…。」

 アイラからしたら、さっさと見つけて、声をかけて、何かしらの向こうの目的を聞き出すのと、敵か味方のどちらかを判断しないといけない。

 首筋に水晶があることは、「人に創られし人」の一族であり、三百年ほど前にある人物によって創られた人の血を引いているのだから―…。

 そうである以上、魔術師ローと接触している可能性があり、ローからの使者の可能性も十分にあるのだから、出会うなというのは不可能なことでしかない。

 そして、アイラやアーサルエルがしなければ依頼があり、それは暫くしたら、開始されるようなことである以上、それまでの間に、見つけないといけない。

 そんなことを思っていると―…。

 「おう、アイラじゃねぇ~か。俺の面白い話を聞きたいかぁ~。」

 急に、アイラの後ろから声がするのであったが、アイラは頭にきたし、後ろを取られるわけにはいかないと判断し、素早く行動を起こし、さらに、気配を消し、今、声を出した者の背後に立ち、マフラーの形を変化させ、声を出した者に突きつけるのだった。

 それは、マフラーという名の刃になって―…。

 「いらない。そして、死にたいの?」

 アイラは言う。

 言っている声に抑揚はなく、まるで、自身がアサシンのごとく振舞うのだった。

 一応、味方であることは気配から分かっているので、脅すということだけにとどめている。

 そして、アイラからしたら、この声を出した人物の言う面白い話を聞くという気持ちは一切ない。なぜなら、そんな話を聞いたとしても面白いわけがなく、自分が面白いことを言っているのを面白いねと言いたいだけの承認欲求の塊が動いているだけの人物でしかないのだから―…。

 ゆえに、嫌悪感というものがはたらくのであろう。

 「おいおい、気配を消して、味方に刃を突きつけるようなことをするなよ、俺だよ、俺だよ、エンゲルだよ。」

 アイラの背後から話しかけ、アイラに背後を取られるということをおかした人物は、カルフィーア村から援軍として来た人物の一人エンゲルである。

 アイラを少しだけ驚かそうとしたが、逆に、エンゲルの方が命の危機を迎えるという、釣り合わない、望まない方の結果になっているのだ。

 エンゲルからしたら、「えっ、これで!!!」という気持ちになっていてもおかしくはないし、驚かそうとしただけで、と感じているのだろう。

 だけど、エンゲルは、アイラに対して、これ以上反論することなどできない。

 本気で命を奪われてしまうかもしれないからだ。

 「エンゲルか。詰まらない話をするのは止めろ。お前のせいで、村の皆が迷惑を被ってる。これ以上は、村の皆のために、処断しないといけない。」

 アイラは、抑揚のない言い方をしつつ、エンゲルに圧をかける。

 この圧は、エンゲルに相当効いたのか―…。

 「冗談には聞こえないから止めろ!!! マジで!!!」

 エンゲルからしたら、こんな場所で命を奪われるという結末を迎えたくはないし、さらに、そんな危機を経験したいとは思えない。

 というか、アイラの言っていることは本気でやりそうな言い方なので、エンゲルは兎に角、アイラが馬鹿なことをしないように、こちら側から降参しないといけない。

 そして―…。

 「エンゲルは静かにしてる。それが平和で良い。」

 アイラはそう言うと、部屋の中へと戻り、自分の寝ているベットで寛ぐのだった。

 そして、エンゲルは緊張が途切れたのか―…。

 (アイラ(こいつ)は、本当に声に感情のない言い方をしてくるから、本気でしてきそうに思えてしまって、こっちが寿命を縮めてしまうわぁ~。)

 エンゲルはこのような愚痴を心の中で言ってしまうが、それを口に出して言うようなことはしない。

 アイラが聞けば、今度こそ命を奪われてしまうのではないか―…、本当になりそうなので―…。

 空気を読めないわけではないが、余計な一言を言ってしまうというか、余計なことを思いついてしまうのがエンゲルの弱点であり、そのせいで、余計な問題を起こしているのだ。

 まだまだ、治りそうなものではないが―…。

 「そうねぇ~。エンゲル(こいつ)のつまらない話は世界にとっての災厄でしかないわ。なので、その口を糸で縫い合わせた方が良いと何度、思ったことか。エンゲルにはアイラを隣に置いておく方が世界平和のためになるわ。」

 そして、エンゲルの後に続いて入ってきたのは、リガである。

 この二人は、カルフィーア村から数日をかけて、このイスドラークにやってきた。

 目的は、カルフィーア村の長が受けたイスドラークのスラム街が起こすクーデターというか、革命を成功させるためのサポートであり、イスドラークの領主が最近、サンバリアから手に入れた兵器が出てきた場合に、戦うということになっている。

 その兵器に関しては、アーサルエルを当てた方が勝つ可能性が高いのは事実であるし、その兵器に関する情報もアーサルエルやカルフィーア村長なら知っていてもおかしくはない。

 その兵器自体は、数十年ぐらい前から存在しているのだから―…。

 そうである以上、どこかしらの件で関わっている可能性は十分にあるのだから―…。

 「リガ、そいつの隣は嫌。馬鹿がうつる。」

 「おい!!! 俺は馬鹿じゃなくて、面白い奴だから!!!」

 アイラの言葉に、エンゲルは自分が馬鹿ではないと言いながら、かつ、面白いことを言っているのではないか、とちゃんと自分の存在はこうであると付け加えるのだった。

 自分視点ものを―…。

 そして、アイラとしては、エンゲルの隣で、いつもいつも、エンゲルの暴走を止めるのは嫌なことでしかなく、こんな奴のために自分の時間が奪われるのは嫌なことでしかない。

 エンゲルという存在は、いるだけで迷惑であり、お調子者で、こっちの体力や気力が削られるものでしかなく、なるべくというか一生関わりたくないと思っているのだから―…。

 「自覚がないのは駄目な人間の証拠だわ。後―…、アーサルエルさん、長より、イスドラークでの依頼の助っ人にやって来ました。」

 リガは代表して言う。

 その言葉は危険な任務の可能性があるのを承知していることでもあるし、それに加えて、アーサルエルというカルフィーア村の今、戦える人材の中で一番の人間と依頼で関わるのだから、自分が足を引っ張るようなことは許されないと思っているからこそ、緊張感を伴いながら、言うのだった。

 リガとしても、気合が入るというものなのであろう。

 そして―…。

 「ああ、分かった。援軍助かる。」

 アーサルエルは真剣な表情になりながら、言うのだった。


第160話-13 イスドラークへ に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していくと思います。


今日は、やる気が出来ません。

何でだろう。

気になることが多すぎるなのでしょうか?

ということで、無理しない範囲で執筆をしていきます。

では―…。

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