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ナメクジーーー人類最後の日  作者: アル治


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4/5

4話  遭遇

いつも読んでいただきありがとうございます。

 ヘンリーは慌てて車へ駆け戻った。

 勢いよくエンジンをかけ、そのまま急ハンドルでUターンする。

「このままではマズい……。」

 アクセルを踏み込みながら呟く。

(私を認める前に、奴らが死んでしまう。)

(認める前に死ぬことだけは許さん!)

 ヘンリーの車は猛スピードでショッピングモールの駐車場へ飛び込んだ。

 急ブレーキをかけると、車を降り、一目散にオメガリマスを放した場所へ向かう。

 しかし、その姿はもうなかった。

 残されていたのは、地面を這った跡だけ。

 粘液が付着したアスファルトは黒く変色し、一部は溶け落ちている。

「……留まる習性はないか。」

 ヘンリーは跡を辿る。

 それは建物の壁まで続き、壁には人が通れるほどの穴が開いていた。

 まるで何かが溶かしながら進んだような、不自然な穴だった。

「……わざわざ店の中へ入ったのか。」

 ヘンリーは正面入口へ回り、自動ドアをくぐる。

 店内は普段と変わらない。

 買い物を楽しむ家族。

 談笑する若者。

 走り回る子供達。

 誰1人として、自分達のすぐ近くに怪物が潜んでいることなど知らなかった。

 ヘンリーは店内を見渡しながら、小さく呟く。

「……まだ間に合う。」

 一方その頃――。

 エマはトイレで見つけた穴の先を調べようとした。

 しかし、その先は男子トイレへ続いている。

「……さすがに入れないか。」

 諦めたエマは、そのまま正面出口へ向かって歩き始めた。

(あんなナメクジが自然界で生まれる……?)

(いや、あり得ない。)

(人工生命体……。)

 エマは自分の考えをすぐに打ち消す。

(まさかな。映画じゃあるまいし。)

 そんなことを考えながら歩いていると、1人の男性が目に入った。

 スーツでも、ラフな格好でもない

 どこにでもいそうな中年の男。

 しかし、その男は落ち着きなく辺りを見回しながら、何かを探すように床ばかり見ていた。

(……何をしてるんだろう。)

 落とし物を探しているようにも見えない。

 どこか様子がおかしかった。

 その時だった。

「キャーーッ!!」

 食品売り場の方から、女性の悲鳴がショッピングモール中に響き渡る。

 エマは反射的に駆け出した。

 同時に、先ほどの男も悲鳴のした方へ走り始める。

(……何だ、この人。)

(探し物をしていたんじゃないの?)

 嫌な予感が胸をよぎる。

 エマは人混みをかき分け、食品売り場へ向かった。

 そして、そこで目にした光景に言葉を失う――。


今後もよろしくお願いします。

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