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夢のよう
「こんな近くに相沢さんがいるなんて、夢のようだ……」
はい。私も夢のようです。
キャパオーバー気味な私は、心の中で思う。
「他の人は、全く覚えていないんです。今は、あなただけが頼りです。」
手を伸ばした永瀬さんが、私の手をそっと握る。
……ああ、これは現実だろうか?
憧れ続けた永瀬さんに、手を握られている。
私は、文字通り、天にも昇る気持ちだった。
「相沢さん。退院したら、家まで付き添ってもらえませんか?」
「一人では、不安なのです。」
「はい、喜んで。」
反射的に言ってから気がついた。
永瀬さん、今、何て言ったの!?
「……よかった」
安心したように、少しだけ力が強くなる手。
「相沢さんがいてくれて」
「これからどうぞよろしくお願いしますね」
キラキラした笑顔が直視できない。
(え、家って……)
(永瀬さんの家に行くってこと!?)
(それってつまり……2人きり!?)
ーー何年も願っていた、2人きりという状況。
突然のチャンスに、心の準備ができない。
ーーこれは、退院までにダイエットしなきゃ!
退院は、明後日。
短期間に減量なんて、できるはずもないけれど、ベストコンディションで臨みたい私だった。




