永瀬さんは、私にだけ距離が近い
――次の日。
永瀬さんが京都から帰ってきた。
一日ぶりに、永瀬さんを会社で見られて、とても嬉しい。
彼女になったのだから、会社の外でも会えるのに、そんなことを思ってしまった。
――永瀬さんが、部長にお土産の八つ橋を渡している。
「永瀬くん、出張、ご苦労だった。」
「ところで――、相沢くんとは、上手くいったかね?」
――えっ??
部長、今、何て??
「はい、お陰様で。部長、この度はありがとうございました。」
笑顔で挨拶する永瀬さん。
待って、永瀬さん。
今回のこと、永瀬さんが計画したの?
部長は、わざと資料を忘れたの?
「君たち、あまりにももどかしかったからねえ。お節介だとは思ったけど、一芝居うたせてもらったよ!」
と、得意げな部長。
「だいたい、この私が、大切な資料を渡し忘れるわけがないだろう。」
――それは、どうなんでしょう??
演技にしては、様になりすぎていましたが。
「計画を思いついた、私に感謝したまえ!
二人の結婚式の、スピーチ、考えておくからね。」
バチン、と音がしそうなウインクをした部長。
いやいや、それはまだ早いですっ!
気が早い部長の発言に、
私は、顔を赤くしてしまった。
でも
――いずれ、そうなったら嬉しいけれど……。
永瀬さんと目が合い、照れながら、二人でほほ笑んだ。
……こうして私達は、あっと言う間に会社公認のカップルになったんだ。
――――――
「おはようございます、相沢さん!」
永瀬さんが、爽やかな笑顔で隣に来た。
キラキラした光が背後に見える。
彼氏になった永瀬さん。
やっぱり、とても麗しい。
「相沢さん、今日もお仕事頑張りましょうね。」
こっそり私の手を引き寄せる永瀬さん。
近い近い近い――!!!
もしかしたら、永瀬さんは、くっつき魔だったのだろうか?
今日も、彼氏に翻弄される私。
この距離感になれる日は、まだ遠そうだ。
――永瀬さんは、なぜか私にだけ距離が近い――
――終――
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも、クスッと笑っていただけたなら嬉しいかぎりです(^^)
妄想ダダ漏れの話を、見捨てずに読んでくださった心の広ーい皆様!
心より感謝いたします。
ブックマークも、ありがとうございました。
ラブコメを書くのは、最初で最後になるかもしれませんが、終始楽しく書けました。
本当にありがとうございました(*^^*)
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