43/47
すべての記憶がなくなっても
私は、今、何を聞いたのだろうか?
好き?
誰が誰を??
まさか――
そんなことがあるの??
完全にパニックになった私に、永瀬さんが続ける。
「……ずっと長い間、相沢さんが好きでした――。
でも、勇気のない私は、見ていることしかできませんでした。」
――永瀬さんは、私の気持ちを代弁しているのだろうか?
その言葉は、私が長い間永瀬さんに向けてきた思いと、まったく同じだった。
「すべての記憶がなくなっても、相沢さんのことは覚えていました。」
「――それほどに、私の中には、相沢さんのことが刻まれていたんです。」
永瀬さんが、私の手を取った。
「相沢さん、僕とお付き合いしてもらえませんか?」




