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一話 脱字

 1話 異世界転生!?


 気がつくとそこは草原だった


「……は?」


 海斗は立ち尽くしていた


 青空


 風


 草


 あと山


「いや説明うっす……」


 頭の中で声が響く


 感情のないナレーション


 まるで誰かが文章を読み上げているみたいだった


「なんだこれ……」


『海斗はそういった』


「言ってねぇよ!?」


 海斗が叫ぶ


 すると数秒遅れて、


『海斗は叫んだ』


「追記すんな!」


 海斗は息を切らしながら周囲を見回した


 どこまでも続く草原


 ゲームみたいな青空


 そして、


 どこか見覚えのある景色


「……あ」


 海斗の顔が青ざめる


「これ、俺の小説だ」


 昨日更新した、

 PV5の異世界ファンタジー


 勢いだけで投稿した一話目


 その冒頭そのままだった


『なぜならいせかいっぽかったからだ』


「うわぁぁぁぁぁ!!」


 海斗が頭を抱える


「ひらがなになってる!

 漢字変換ミスってる!」


 投稿前に修正するつもりだった


 でも、

 

「まぁ誰も読まねぇしいいか……」


 そう思って放置したやつだ


『スマホは圏外だった』


 海斗が慌ててスマホを見る


「うわほんとに圏外だ!」


 アンテナは0本


 Wi-Fiもなし


 バッテリー残量12%


「終わった……」


 その時だった


「きゃあああああ!!」


 遠くから悲鳴が聞こえる


 海斗の体が勝手に動いた


「え?」


 足が走る


 意思と関係なく


「ちょっ、待っ――」


『海斗は走った』


「お前のせいかぁぁぁ!!」


 草原を駆け抜けた先


 そこには、


 スライムに襲われている少女がいた


 銀髪


 白いローブ


 いかにもヒロインですみたいな見た目


「うわぁテンプレ!」


 海斗が叫ぶ


 すると少女が振り向いた


「た、たすけ――」


 一瞬


 少女の言葉が止まる


 まるでノイズみたいに揺れて、


「たすけてくださ――」


 言葉が途中で消えた


「え?」


 海斗が固まる


 その瞬間、


 頭の中でナレーションが響く


『文字数がたりなかった』


「最低だろこの世界!!!!」

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― 新着の感想 ―
自分の書いた未完成な小説に迷い込む設定が斬新ですね! 設定の薄さや誤字脱字がそのまま現実に反映されるメタ的な展開が面白く、作者ならではの苦悩がコミカルで笑えます。 文字数が足りなくてヒロインの言葉…
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