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この世に一人だけの錬金術師~物作り好きのゲーマーが家族のためにアイテム革命起こします!~  作者: 鳥助
第三章

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80.物質の調合

「さぁ、楽しい調合の時間だ!」


 自室の机の上にショック石とミシングの葉を用意した。今日はこの二つを使って、アイテムを作る。


「今回は水を介さない調合だね。どんな風に調合するんだろう?」


 いつもは水に入れて【成分抽出】をして、それを調合していた。だけど、今回はそれが出来ない。物質同士を合わせる必要があるからだ。


「うーん。まずは、このまま【調合】の魔法をかけてみるとか?」


 やり方が分からない以上、思いついたものは何でも試すのがいい。まずは、素直に魔法を発動させて、【調合】出来るかどうか試してみる。


 ショック石とミシングの葉を重ね合わせるように置く。そして――。


「【調合】!」


 【調合】の魔法を発動させた。すると、素材は光りを放つ。まさか、一発で正解を引き当てた?


 だけど、素材が光っているだけで、変化は訪れない。ただ、光を放っているだけだ。だから、【調合】の魔法の発動を止めた。すると、その後に残ったのは変わらない素材だけ。


「どうやら、この調合の方法は違うらしい。じゃあ、どんな手段があるんだろう?」


 私は画面を開いて、錬金術の魔法の欄を確認する。まだ、使っていない魔法はある。この中から、何か使えそうなものはないか。


「どれも、違うなぁ……。そういえば、前世のゲームで錬金術ってどうやって使っていたっけ?」


 そこで、前世のゲームでの錬金術を思い出す。大きな窯があって、その中に水が溜まっていて、素材を中に入れて錬金術を発動させる。これが、ベーシックだった。


 だったら、この世界の錬金術もそういう形になるんじゃないだろうか? ということは、それに関連した魔法があるはずだけど……。


「……あっ、これ……」


 気になる魔法を見つけた。【錬金水】という魔法だ。


「えーっと、『素材を調合するのに使う魔力で出来た水。この中に入れた素材は魔法が発動されると、魔法の影響を受ける』か」


 錬金術の魔法の影響を素材に促す水。きっと、これを介して魔法を発動させれば、素材同士が【調合】されるに違いない。


「とりあえず、やってみよう。えっと、【道具召喚】!」


 【道具召喚】で五十センチくらいの釜を出す。


「じゃあ、この中に……【錬金水】!」


 次に【錬金水】の魔法を発動。すると、釜のそこから水がせり上がってくるのが見えた。その【錬金水】を七割まで溜まったら、魔法の発動を止める。


「わぁ、なんかキラキラして綺麗な水……」


 水は少し光り輝いていて、普通の水ではないことが良く分かった。これならば、素材の【調合】が出来そうだ。


「じゃあ、この中に素材を入れて、【調合】してみよう」


 釜の中にショック石とミシングの葉を入れる。そして、混ぜ棒を取り出して、ゆっくりとかき混ぜる。


「とりあえず、挑戦! さぁ、行くよ! 【調合】!」


 混ぜ棒をかき混ぜながら、【調合】を発動させる。すると、水から光りが放たれた。


「うわっ、綺麗! なんか、幻想的かも!」


 その光景が綺麗で目を奪われている。だけど、すぐに我に返る。今は調合中なんだから、しっかりとイメージしなくっちゃ。


「えーっと、ショック石が擦れるような形状。そのショック石にミシングの葉の効果を付与して……」


 そのイメージで魔法を発動していく。すると、光りが収束した。


「あっ、出来た?」


 恐る恐る、中を見ると何かが出来ているような気がする。手を入れて、その物を取り出す。不思議と手には水がついていなかった。


「これが……調合アイテム?」


 手のひらに載せて観察する。葉の形をした石が生まれていた。


「なんか、イメージと違う……。一応鑑定しておくか」


【葉石】


・ミシングの葉の形をしたショック石


・擦れると破裂する


「う、うーん……。これじゃあ、葉の形をしたショック石だよ。ミシングの葉の効果がちゃんと付与されてない」


 これは【調合】の失敗。きっと、イメージが悪かったんだろう。


 でも、【調合】の力は分かった。素材を合わせたり、形を変えたり、自分のイメージが具現化するものだ。


 ということは、ちゃんとしたイメージが整わないと希望通りの物が出来ないということ。だから、完成形をしっかりとイメージする必要がある。


「そうだなぁ……。形は玉。玉の中にショック石が二つ入っていて、衝撃で強く擦れて破裂する。そして、その威力はミシングの葉の効果で向上する」


 うん、しっかりとイメージ出来た。これならば、調合も成功するだろう。


 もう一度、釜の中にショック石二つとミシングの葉を一枚入れる。あとは、イメージをしながら……【調合】!


 すると、水が光りだす。頭の中でしっかりとイメージをして、魔法を発動させた。すると、水の中に入っていた素材の形が変わっていくのが分かった。


 そのまま集中していくと、光が収束した。


「次は完成しているかな?」


 ドキドキしながら水の中からアイテムを取り出す。現れたのは殻に囲まれた球体だった。


「あっ、想像通りだ!」


 やっぱり、イメージすることが大切だったんだ!


「わー! この殻はどこから出てきたんだろう!? 錬金術の魔法は物質も生み出しちゃうのかな? だったら、使っていない素材も想像すれば、補助的な役割で出てくるのかな?」


 これはゲームみたいだ。ゲームの【調合】も、どこからその素材が現れたんだ、っていう感じで足りない素材が補助されていた。


 なるほど、これだったら想像出来る範囲が広がる。主要な効果を持つ素材だけで、色んなアイテムが作れそうだ。


「そうだ! 【鑑定】!」


【ショック玉】


・中に入ったショック玉が衝撃で擦れると破裂する


・威力:微


「やったぁ! 新しいアイテムが出来た! 早速、試しに行こう!」


 私が出来上がったばかりのショック玉を持って、部屋を飛び出していった。

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