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この世に一人だけの錬金術師~物作り好きのゲーマーが家族のためにアイテム革命起こします!~  作者: 鳥助
第三章

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81.威力の検証

「よし、早速使ってみよう」


 庭の木を目の前にすると、手にショック石を持つ。


「まずは普通のショック石の威力の検証。――えい!」


 二つに重ねたショック石を木に向かって投げる。接触した瞬間、パァンッという音と共に破裂した。


「なるほど、こんな感じか。さて、威力はっと……。木の皮が少し捲れただけか」


 想像通りの威力だ。これだと、魔物に当たっても皮膚が傷つくだけで終わってしまう。


「じゃあ、今度は出来立てのショック玉を――えいっ!」


 離れた位置からショック玉を投げる。木に接触すると、中のショック石が擦れ――大きな衝撃になった。音は前よりも大きい。じゃあ、威力は?


「えーっと……木の皮が捲れる程度か。なるほどね、これが微の威力か」


 鑑定では威力が微になっていた。その結果がこれだけど、なんというか想像よりも弱かった。


「うーん、これだと使い物にならないな。やっぱり、威力を上げる必要がある」


 威力を上げるには一体どうしたらいいか。新しい素材を使うか、同じ素材で底上げするか。


「とりあえず、同じ素材で出来ることをやろう。ということは、やるべきことは効果の引き上げ。きっと、ミシングの葉を【合成】すればいいかも」


 【合成】には効果をかけ合わせて高める魔法だ。だから、ミシングの葉の効果を【合成】で引き上げることが出来ればいい。


「よし、早速部屋に戻って調合しよう」


 ◇


 部屋に戻ってきた私は、沢山のミシングの葉を取り出した。


「さてと、どんな風に【合成】しようか。ショック石にミシングの葉を大量に【合成】させる? それとも、ミシングの葉だけを【合成】して、効果を高めてから、最後に【調合】する?」


 やり方は様々ある。どれが成功するか分からない今、色んな可能性を考慮してたくさん実験すべきだ。


「じゃあ、まずは――ショック石と沢山のミシングの葉の【合成】からやってみよう」


 【道具召喚】で道具を召喚し【錬金水】で釜の中を魔力の水で満たす。それからショック石と二枚のミシングの葉を入れた。


「【合成】開始!」


 混ぜ棒で混ぜ合わせながら、【合成】の魔法を発動させていく。光りが放たれ、どんどん形が変わっていく。そうして、光りが止むと、アイテムが生成された。


「どれどれ……。あっ、同じ物が出来た。じゃあ、効果はどんな感じ?」


【ショック玉】


・中に入ったショック玉が衝撃で擦れると大きく破裂する


・威力:微


「へー。説明文が変わっている。でも、威力は微のままだ」


 とりあえず、この成功したアイテムは置いておいて、次の【合成】に移ろう。


「次はミシングの葉を【合成】して、効果を高めた物をショック石に調合する感じで。さて、ミシングの葉同士の【合成】だけど、上手くいくかな?」


 釜の中にまず二枚のミシングの葉を入れる。そして、混ぜ棒でかき混ぜながら【合成】を発動させる。光りが放たれ、収まっていく。そして、その中から出てきたアイテムは――。


「おっ、ミシングの葉が出てきた。でも、ただのミシングの葉じゃないよね? 鑑定っと」


【合成されたミシングの葉】


・成分の働きをさらに高める性質を持つ


「うん、説明文が変わってる。『さらに』がついた」


 どうやら【合成】は上手くいったようだ。今度はこれにショック石を【調合】していく。


 錬金窯にショック石と合成されたミシングの葉を入れ、混ぜ棒でかき混ぜながら【調合】していく。すると、光りが放たれ、次第に収まっていく。


 中から取り出すと、ショック玉が出てきた。


「うん、成功している。じゃあ、効果はどんな感じかな?」


【ショック玉】


・中に入ったショック玉が衝撃で擦れると破裂する


・威力:小


「あっ! こっちの方が威力が高い! ということは、先に【合成】してから、最後に【調合】したほうがいいんだ!」


 これは、成功ルートを掴んだね。効果を高めたい時は効果同士を【合成】してからのほうがいい、と。これは今後に使えそうな発見だ。


「……この効果ってもっと高められるかな?」


 ふと、思った。このまま、ミシングの葉をかけ合わせていけば、今よりも強い効果を引き出せるんじゃないかってこと。


「……試してみる価値はある。もっと、威力の高い攻撃アイテムが出来れば、危険地帯に連れていってくれる可能性が高まる」


 自分の道は自分で切り開く。その為には、威力の高い攻撃アイテムが必要だ。


「よし! もっともっと、ミシングの葉を【合成】して、威力の高いショック玉を作る!」


 ◇


 再び、木の前までやってきた。手にするのは、三つのショック玉。これが、今の私に出来る限界のショック玉だ。


「まずは、威力が小のショック玉。えいっ!」


 ショック玉を木に向かって投げる。接触した瞬間、大きな破裂音がした。見てみると木は少し窪んでいた。


「これが小の威力ね。じゃあ、次は――中のショック玉」


 ミシングの葉を三枚【合成】して出来た、威力が中のショック玉。それを、先ほどとは違う場所に向かって投げる。


 大きな破裂音がした後、木の破片が飛び散った。その痕を見てみると、拳よりも深く窪んでいるのが見えた。


「……うん。威力は上がっている。これでも十分そうだけど、出来ちゃったんだよね――威力が大のショック玉が」


 ミシングの葉が五枚【合成】して出来たのが、威力が大のショック玉。一度【合成】に失敗してしまったけれど、今まで以上に集中してようやくできた大の威力。


「さて、どんな威力を見せてくれるかな? ――えいっ!」


 違う場所にショック玉を投げつける。接触した瞬間――大きな破裂音と共に爆風が飛んできた。木の破片が飛び散り、木が軋む音が響く。


 目を開けてみてみると、木は真っ二つに折れていた。


「これが、威力大のショック玉?」


 木を真っ二つに折るほどの威力。これは、もう――!


「ショック玉、大成功!」


 この威力ならば、きっと申し分ないはずだ。あとは、アマリアお姉様たちにこのアイテムの威力を見せるだけだ。


 どんな反応をするか、今から楽しみだ!

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