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コメディ!?シリアス!?記憶操作!? このハッカー、ネーミングセンス皆無につき。~都市伝説《K》の正体は、ミルクティーを愛する無自覚系女子高生~   作者: R.D
第一部

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第八話 熱血教師の進路指導と、完璧な『シンロ』

「お前は学校には来ないくせに、いつもきっちり制服を着て出歩きおって! 見つかりたいのか、見つかりたくないのか、どっちなんだ!」


 私は筋肉教師の狩り場、生徒指導室に誘拐されていた。


「ひぇっ……!」


 私は学校の近くにあるスーパーで買ってきたばかりのミルクティーを大事に胸に抱えながら、目の前で鼻息を荒くする暑苦しい筋肉――生活指導の剛田先生からスッと目を逸らした。


 新作のロイヤルミルクティーを買いに近くのスーパーへ行っただけなのに、よりによってパトロール中のこの筋肉教師にエンカウントするなんて。


 私のリアルラックのステータスはどうなっているのか。


 「そのどちらとも取れない、優柔不断な態度が一番駄目だと言っているんだッ!」


 バンッ! とパイプ机を叩く音が、無機質な生徒指導室に響き渡った。


 「……みつかりたいわけじゃなくて、服がこれしかないというか……」


 剛田先生に気圧された私は、囁くレベルの小声で反論していた。


「声が小さい!もっとはっきり言わんか!いいか秋月、お前ももう二年生だ。そんなフラフラした態度ではこの先通用せんぞ!いつまで安全な場所に引きこもっているつもりだ!」


 筋肉教師の声量がすごい。私の鼓膜を突き破りそうな勢いだ。


「……安全な場所にいたいというか、私もチャンスがあれば動きたいけど、一歩も動けないというか、その……、えっとー……、ハッカー的には家にいたほうがいいというか……」


 あまりの圧力にしどろもどろになりながらも、なんとか小声で応当する私に剛田先生はとんでもない爆弾発言を言い放った。


「ハッカーの真似事などいつまでもやっておれるか!……いい加減、お前も自分の『進路(シンロ)』をどうするのか本気で考えろ!」


 剛田先生が、私の顔を真っ直ぐに指差して怒鳴った。


『シンロ』


 その単語に、私はピクリと眉を動かした。


 シンロ……侵路?私が普段、どの経路から企業や都市のサーバーにハッキングしているか探りを入れてるの?


 この脳筋教師、ただの体育教師のフリをして、実はサイバー警察の回し者だったりするのだろうか。


 いや、あの時私の盗聴を野生の勘で察知した化け物だ。油断はできない。



「私の侵路(シンロ)……?そ、それは流石に教えられないと言いますか、命綱ですし、プライベートですしぃ……」


 私は命を落とす覚悟で鬼教師に話せないって、……ハッキリとはいえなかったけど、なんとか言葉に出来た。我ながら惚れ惚れするガッツだ。


「暗号化して秘匿して……、何重にもプロキシを噛ませてるから……、私のシンロは、完全に闇の中と、いいますかぁ……」


「なにぃっ!?」


 私のそのしどろもどろなセキュリティ宣言を聞いて、剛田先生は目を限界まで見開いて絶句した。


「教師にも完全に秘匿だと!? 己の進むべき『進路(シンロ)』を誰にも相談せず、たった一人で道を切り拓くというのか……!」


 たった一人で道を切り拓く? まあ、ソロプレイヤーのハッカーとしては最高の褒め言葉ね。


 この筋肉教師もわかってるじゃない、私という至高な人間の存在が。


「ええ。外野に邪魔されたくないから。私は私のやり方で、世界の裏側まで行くつもりで『侵路(シンロ)』を考えてます」 


 その筋肉の驚きで調子を取り戻した私の声は、少し蘇ってきていた。


「せ、世界の裏側……!? 日本の大学や企業に留まらず、世界を股にかける気か!……秋月、お前という奴は!!」


 剛田先生はワナワナと震えた後、なぜか感動したようにボロボロと男泣きを始めた。


「よくぞ言ったァ! お前のその確固たる信念、しかと受け止めたぞ!!」


「えっ、ちょっと、急に大声出さないでください!ミルクティーこぼれるっ!」


 今日は何故かいつもとは逆、喚く先生をを私がなだめる事になった。


 この脳筋先生は本当によくわからないわね。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。


 もし少しでも「面白い」「続きが気になる」「この先の展開に期待したい!」と思っていただけましたら、


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 これからもよろしくお願いいたします!



                    R・D

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