「雪灯りの下、君と笑う」
雪像コンテスト会場。
結衣はまだ雪へ顔を埋めていた。
「むりぃぃぃ……」
真っ赤。
耳まで真っ赤。
春は困惑していた。
「え、そんな恥ずかしいこと言った?」
レオナが肩を震わせる。
「自覚ゼロなの怖ぇよ!!」
ミアもため息。
「天然タラシ……」
観客たちはもう完全に盛り上がっていた。
「青春だぁ……」
「いいわねぇ〜」
結衣はさらに埋まる。
「消えたい……」
その時。
司会のお姉さんが叫んだ。
「完成〜〜!!」
会場に並ぶ雪像。
だが。
春と結衣の作品は、
かなり目立っていた。
巨大な世界樹。
その周りへ咲く、
星みたいな花。
しかも。
結衣の魔法で、
ほんのり金色に光っている。
観客たちがざわつく。
「綺麗……」
「すご……」
アリアも少し見上げていた。
『……春たちみたい』
結衣の顔がまた赤くなる。
「アリアさん!?」
その時。
審査員のおじいさんが頷いた。
「これは良い」
「互いを支え合う形になっとる」
春と結衣。
「「え?」」
おじいさん真顔。
「つまり愛じゃな」
「違います!!」
会場爆笑。
ルナがしみじみ。
「もはや伝統芸」
結果発表。
──優勝。
春&結衣。
大量拍手。
リリィ大はしゃぎ。
「やったですぅぅ!!」
結衣はまだ恥ずかしそう。
春は少し笑っていた。
「よかったな」
結衣も小さく笑う。
「……うん」
その時だった。
司会のお姉さん。
「では優勝記念に〜!」
嫌な予感。
「カップルツーショット撮影です!!」
春&結衣。
「「えぇぇぇぇ!?」」
逃げようとする。
だが。
観客が盛り上がる。
「いけー!」
「もっと近く!」
レオナは床を叩いて笑っていた。
「公開処刑だこれ!!」
結衣は真っ赤のまま固まる。
春も珍しくかなり焦っている。
すると。
カメラマンが言った。
「もっと距離縮めて〜」
春と結衣。
じりっ。
少し近づく。
「もっと〜」
さらに近づく。
肩が触れる。
結衣の心臓。
限界。
その瞬間。
アリアがぽつり。
『……羨ましい』
全員止まる。
結衣「え?」
アリアは少し困った顔。
『こういうの、したことないから』
一瞬、静かになる。
すると。
結衣が笑った。
そして。
アリアの手を掴む。
「じゃあ一緒に撮ろ!」
『……え』
春も笑う。
「それいいな」
リリィも飛び込む。
「みんなで撮るですぅ!!」
最終的に。
全員集合になった。
レオナは変顔。
ミアは呆れ顔。
ルナはど真ん中。
アリアは少し照れてる。
そして。
春と結衣は、
気づけば隣同士だった。
カメラマンが叫ぶ。
「はい、笑ってー!」
その瞬間。
パシャッ。
白銀の街で。
みんなの笑顔が、
一枚の写真へ残った。




