## 「雪祭りとカップル疑惑」
## 「雪祭りとカップル疑惑」
雪祭りの街、ルミナス。
白銀の通りには、
色とりどりのランタンが浮かんでいた。
青。
金。
虹色。
雪へ反射して、
街全体がキラキラ光っている。
結衣は目を輝かせていた。
「すごい……!」
春も少し笑う。
「思ったよりでかい祭りだな」
リリィはすでに屋台へ突撃している。
「焼きマシュマロですぅぅ!!」
ミアが追いかける。
「待って! お金!!」
レオナは豪快に笑った。
「祭りだぁぁぁ!!」
アリアだけは少し戸惑っていた。
人が多い。
賑やか。
笑い声。
全部、慣れてない。
そんなアリアへ、
結衣がそっと近づいた。
「アリアさん」
『……?』
結衣は小さく笑う。
「一緒に回ろ?」
アリアは少し目を丸くする。
そして。
小さく頷いた。
『……うん』
黒銀の羽根が、
ふわりと舞った。
ルナ、即反応。
「嬉しい羽根」
『もう言わなくていい』
その時だった。
通りの奥から声。
「カップル雪像コンテスト開催中ー!!」
春たち。
「……ん?」
司会のお姉さんが叫ぶ。
「優勝者には特製スイーツ一年分!!」
結衣の耳が反応した。
ぴくっ。
春が気づく。
「食いついた?」
「く、食いついてないし!」
だが。
次の瞬間。
リリィが春と結衣の背中を押した。
「行くですぅぅ!!」
「えぇ!?」
気づけばエントリーされていた。
春&結衣。
「「なんで!?」」
司会のお姉さんニコニコ。
「仲良しカップルさんですね〜♪」
「違います!!」
観客、ニヤニヤ。
レオナ、腹抱えて笑う。
「がんばれ新婚!!」
「誰が新婚だ!!」
アリアは少し考えていた。
そしてぽつり。
『……でも、お似合い』
結衣。
「!?!?!?」
春。
「アリアまで!?」
ルナはもう笑いを堪えてない。
「祭りは恋愛イベントの宝庫」
そして。
競技開始。
雪像テーマ。
──“大切な人”。
結衣が固まる。
春も固まる。
気まずい。
超気まずい。
司会。
「ではスタート!!」
周囲のカップルたちは、
すごい勢いで雪像を作り始める。
ハート。
天使。
ペア動物。
だが。
春と結衣。
無言。
レオナが遠くから叫ぶ。
「なんか作れぇぇ!!」
結衣は慌てる。
「え、えっと……!」
春も焦る。
「ど、どうする!?」
その時。
アリアがぽつり。
『結衣、花好き』
結衣が振り向く。
アリアは少し照れながら続けた。
『春は、世界樹』
春も気づく。
「……あ」
結衣も笑った。
「花と樹、作ろっか」
「いいな」
二人は雪へ向き合った。
春が大きな樹を削る。
結衣が周りへ花を咲かせる。
その光景を見て。
観客たちがざわついた。
「綺麗……」
結衣は夢中になっていた。
その横顔を、
春は少し見惚れる。
楽しそうに笑ってる。
その顔を見ると、
なんか嬉しかった。
すると。
結衣がふと顔を上げる。
目が合う。
数秒停止。
結衣の顔が赤くなる。
「な、なに?」
春、無意識。
「いや、可愛いなって」
結衣。
「────────っ!!!」
雪へ顔から突っ込んだ。
──ずぼっ。
観客、大爆笑。
レオナ、転げ回る。
「天然最強ぉぉぉ!!」
ミアが頭抱える。
「また無自覚でやってる……」
アリアは口元を押さえて笑っていた。
黒銀の羽根が、
ふわふわ舞っている。
ルナが頷く。
「幸せの羽根」
アリア。
『……それは、少し好き』




