「雪熊チェイスと恋の吊り橋」
雪原を全力疾走。
後ろから巨大雪熊。
──ドドドドド!!
揺れる大地。
レオナが叫ぶ。
「速ぇぇぇぇぇ!!」
ミアは半泣き。
「なんで熊があんな機動力あるの!?」
春は先頭を走っていた。
「ルナァァァ!!
魚捨てろぉぉ!!」
だが。
ルナは魚を死守。
「断る」
「なんで!?」
結衣は走りながら叫ぶ。
「もう食べ物買ってあげるから!!」
ルナ、少し揺れる。
「……本当?」
「本当!!」
だが次の瞬間。
アリアがぽつり。
『でもその魚、高級品』
ルナ。
「やっぱり離さない」
「なんでぇぇぇ!!」
その時。
春が雪へ足を取られる。
「あ」
ズルッ。
そのまま坂道を転がり始めた。
──ゴロゴロゴロ!!
「うわぁぁぁぁ!!」
結衣。
「春くん!?」
助けようとして飛び込む。
結果。
結衣も転がる。
さらに。
アリアも巻き込まれる。
三人まとめて雪だるま状態。
レオナ腹筋崩壊。
「何回転ぶんだお前ら!!」
リリィが笑いすぎて呼吸困難。
「ひぃぃ……!」
ミアだけ現実的だった。
「笑ってる場合じゃない!!
熊来てる!!」
巨大雪熊。
もうすぐ後ろ。
超近い。
春は雪まみれのまま立ち上がる。
「やるしか……!」
だが。
結衣が春の顔を見て吹き出した。
「……ぷっ」
春「?」
結衣、笑い堪えられない。
「雪だらけ……!」
春の頭。
完全に雪だるま。
しかも眉毛だけ見えてる。
アリアまで口元を押さえた。
『……変』
春ショック。
「マジ?」
ルナが真顔。
「伝説の雪男」
レオナが転げ回る。
「似合いすぎる!!」
春「ひどくない!?」
その瞬間。
雪熊が咆哮。
──グォォォォ!!
全員現実へ戻る。
「「「逃げろぉぉぉ!!!」」」
その時だった。
前方に橋。
だが。
かなり古い。
ミアが顔色を変える。
「待って!!
あれ絶対壊れる!!」
でも止まれない。
春が叫ぶ。
「全員走れ!!」
レオナが先頭で飛び込む。
橋。
──ミシッ。
嫌な音。
リリィ涙目。
「いやですぅぅぅ!!」
アリアは黒翼で飛ぼうとする。
だが。
結衣がバランス崩した。
「きゃっ!」
春、即反応。
「結衣!」
手を掴む。
だが。
二人とも橋から落ちそうになる。
ミア絶叫。
「またそれぇぇ!?」
春は必死に結衣を支える。
結衣も春の腕を掴む。
超近い。
しかも吊り橋揺れる。
ルナだけ冷静。
「恋愛イベント中に死にそう」
「縁起でもないこと言うな!!」
その時。
アリアが羽根を広げた。
黒銀の羽根が舞う。
『……捕まって』
春と結衣を支える。
三人でなんとか橋を渡り切った。
だが。
後ろから雪熊突進。
橋が完全崩壊。
──バキィィィン!!
雪熊。
向こう側へ落下。
数秒後。
遠くから。
「グォォォォォォ……」
静寂。
全員。
「…………」
そして。
レオナが吹き出した。
「生きたぁぁぁぁ!!」
結衣も座り込む。
「もぉぉぉ疲れた……!」
春も息切れ。
「朝から濃すぎる……」
アリアは小さく笑っていた。
その時。
黒銀の羽根がふわっと舞う。
ルナ、即答。
「楽しかった羽根」
アリア。
『……否定できない』




