「させるかぁぁぁ!!」
「突破するぞ」
春の声に、全員の空気が変わる。
恐怖はある。
でも。
ここで止まれない。
ガルドが操縦桿を握りしめた。
「スカイライン・ゼロ、最大出力!!」
──ゴォォォォ!!
蒸気エンジンが唸る。
列車全体が震えた。
空中レールへ火花を散らしながら、鋼鉄列車が加速する。
前方には、機械戦艦群。
数十隻。
巨大砲。
無数の迎撃機。
完全に包囲されていた。
ミアが叫ぶ。
「真正面から行ったら蜂の巣だよ!?」
だが。
春は剣を握る。
「道を開く!!」
その瞬間。
終焉砲が光った。
──ギュォォォォ……
リリィが涙目になる。
「撃ちますぅぅぅ!!」
ノアが震える声で言う。
「あと30秒で発射……!」
春は息を呑む。
時間がない。
ゼルヴァが静かに前へ出た。
「春」
「え?」
「艦隊は俺たちが止める」
レオナも笑う。
「お前は中枢へ行け」
ユナが頷く。
「世界樹継承者の役目だ」
春が目を見開く。
「でも!」
その時。
アイリスが優しく笑った。
「信じてください」
春は言葉を失う。
仲間たちの目には、迷いがなかった。
ゼルヴァがニヤッと笑う。
「お前一人に背負わせる気はない」
その瞬間。
スカイライン・ゼロの屋根が開いた。
そこに。
小型高速艇が格納されていた。
流線型。
白銀の機体。
翼には花の紋章。
ガルドが親指を立てる。
「反乱軍最速艇だ!」
レオナが叫ぶ。
「名前急に春っぽくなったな!?」
「ミアが付けた」
「やめてぇぇ!?」
ミアが顔を真っ赤にする。
こんな状況なのに、少し笑ってしまう。
その時。
機械戦艦群が一斉砲撃を開始した。
──ズドドドドド!!!
空が爆発する。
ガルドが怒鳴る。
「時間切れだ!!」
ゼルヴァが黒花魔力を展開する。
「行け、春!!」
レオナが炎槍を構える。
「派手に暴れてやるよ!」
ユナは静かに剣を抜いた。
「後ろは任せろ」
春は拳を握る。
そして。
仲間たちを見た。
「……死ぬなよ」
ゼルヴァが鼻で笑う。
「誰に言ってる」
春は小型艇へ飛び乗る。
ノアも隣へ座った。
ミアが叫ぶ。
「中枢へのルートは送る!!」
ガルドがレバーを叩く。
「射出準備!!」
後方では。
ゼルヴァたちが戦艦群へ突撃していく。
黒花。
炎。
蒼い斬撃。
夜空が戦場へ変わる。
終焉砲の光が、さらに強くなる。
残り10秒。
春は操縦桿を握った。
「行くぞ、ノア!!」
ノアが頷く。
「うん!!」
──カシュン!!
ブレイブ・ブルームが射出された。
超高速。
白銀の光となって、戦艦群の隙間を突き抜ける。
敵機が追撃してくる。
ミサイル。
レーザー。
春は歯を食いしばる。
「うおおおお!!」
ギリギリで回避。
その先。
巨大なアーク・ギアの中心部が見えた。
そして。
終焉砲が、ついに限界まで輝く。
オメガの声が響いた。
『全生命体を初期化します』
春の瞳が燃える。
「させるかぁぁぁ!!」
ブレイブ・ブルームが、一直線に機械神核へ突入した。




