「行くぞぉぉぉ!!」
──シュゴォォォォォ!!
機械竜の咆哮が夜空を震わせる。
赤い閃光。
巨大な熱線が列車へ放たれた。
「来るぞぉぉ!!」
ガルドが怒鳴る。
スカイライン・ゼロが急加速した。
──ガタンッ!!
列車が空中レールを滑走する。
熱線がギリギリ横を通過。
後方のレールが爆発した。
「うわぁぁ!?」
春は窓へしがみつく。
下を見ると、遥か地上。
落ちたら終わりだった。
リリィは半泣き。
「高いですぅぅぅ!!」
レオナは逆に大興奮していた。
「最高じゃねぇか!!」
「感覚おかしいだろ!?」
春がツッコむ。
その時。
機械竜が翼を広げた。
無数のミサイルポッドが展開される。
ミアの顔色が変わる。
「まずい!」
──ガガガガガ!!
大量の追尾ミサイル。
空が埋まる。
ガルドが操縦桿を握り叫ぶ。
「振り落とされんなよぉ!!」
列車が急旋回。
春たちは吹き飛ばされそうになる。
ユナが壁へ剣を突き刺し耐える。
アイリスはリリィを抱えた。
ミサイルが迫る。
その時。
ゼルヴァが静かに立ち上がる。
「騒がしい」
黒花魔力が広がる。
彼は窓を開けた。
「ちょっ!?」
春が止める間もなく。
ゼルヴァは空へ飛び出した。
「ゼルヴァぁぁ!?」
夜空。
無数のミサイル。
その中心で。
ゼルヴァが片手を掲げる。
「散れ」
──パチン。
指を鳴らした瞬間。
黒花が空いっぱいに咲いた。
次の瞬間。
──ドドドドドドドド!!!
ミサイルが全て空中爆発した。
火花が夜空を埋める。
リリィが目を輝かせる。
「かっこいいですぅぅ!!」
だが。
機械竜は止まらない。
赤い単眼がゼルヴァをロックする。
『高脅威対象確認』
口の砲口が最大出力へ。
春が目を見開く。
「やばい!!」
機械竜が超巨大熱線を放つ。
──ズゴォォォォォ!!
空そのものを焼く一撃。
ゼルヴァは避けきれない。
その瞬間。
春の胸が光る。
──ドクン。
春は無意識に飛び出していた。
「はぁぁぁ!!」
世界樹剣が虹色に輝く。
風を纏い。
空中へ跳躍。
そして。
ゼルヴァの前へ割り込む。
「春!?」
春は叫ぶ。
「世界樹ぉぉぉ!!」
巨大な花の盾が展開された。
──パァァァァ!!
熱線と虹の盾が激突する。
凄まじい衝撃。
空気が裂ける。
春の腕が震える。
「ぐっ……!」
押される。
強すぎる。
その時。
後ろから、ゼルヴァの手が春の肩へ置かれた。
「一人で支えるな」
黒花魔力が流れ込む。
虹色と黒。
二つの力が重なる。
盾が巨大化した。
──ドォォォォォン!!
熱線が弾け飛ぶ。
機械竜の攻撃が押し返された。
春が驚く。
「これ……!」
ゼルヴァが少し笑う。
「悪くない」
その時。
ミアが車内から叫ぶ。
「春!! 竜の胸!!」
春が見る。
機械竜の胸部。
巨大な赤いコア。
世界樹の紋章が反応している。
春は気づいた。
「あれが弱点!」
レオナが笑う。
「なら壊すだけだな!」
ガルドが叫ぶ。
「列車をもっと近づける!!」
スカイライン・ゼロが加速する。
蒸気が爆発的に噴き出す。
空中レールを火花を散らしながら突き進む。
機械竜も咆哮を上げた。
『排除』
巨大な翼が広がる。
春は剣を握る。
夜空。
鋼鉄列車。
機械竜。
その中心で。
春は叫んだ。
「行くぞぉぉぉ!!」




