「ドラゴンまで機械ですぅぅ!?」
空そのものが、機械へ変わり始めた。
──ギギギギギ……
夜空に巨大な歯車が浮かび上がる。
雲が金属へ変質し。
星空は、赤い回路に塗り替えられていく。
人々が恐怖で立ち尽くした。
「なんだよ、あれ……」
「空が……!」
ミアが歯を食いしばる。
「空間制御領域……!」
春は目を見開いた。
空だけじゃない。
地面も。
建物も。
街全体が、少しずつ機械へ侵食されている。
ゼルヴァが低く呟く。
「世界を書き換えているのか」
リリィが震える。
「そんなの反則ですぅぅ……!」
その時。
オメガの巨大な瞳が輝いた。
『対象解析完了』
『世界樹エネルギーを確認』
『危険度──最大』
次の瞬間。
空から無数の光線が降り注いだ。
──ズドドドドドド!!!
街が爆発する。
春たちは咄嗟に散開した。
「避けろ!!」
ユナが人々を庇いながら叫ぶ。
レオナは炎壁を展開。
アイリスは黒花結界を広げた。
だが。
光線は止まらない。
まるで空全体が敵だった。
春が剣を握る。
「どうすりゃいいんだよ、これ!」
ミアが叫ぶ。
「オメガ本体は、上空中枢にいます!!」
空の遥か上。
巨大な歯車の中心。
そこに、巨大な機械都市が浮かんでいた。
《機械神核アーク・ギア》
ミアが悔しそうに拳を握る。
「でも、普通じゃ辿り着けない……!」
その時。
ゴゴゴゴゴ……!!
地面が揺れた。
春たちの背後。
地下から、巨大な何かが浮上してくる。
蒸気。
轟音。
そして。
巨大な鋼鉄列車が現れた。
空へ向かって伸びるレール。
無数の砲塔。
レオナが目を輝かせる。
「うおぉぉ!?」
ミアがニヤッと笑った。
「反乱軍の秘密兵器」
列車の側面に、大きく刻まれている。
《スカイライン・ゼロ》
ミアは親指を立てた。
「空中要塞までぶっ飛ばすよ!」
リリィがテンションを上げる。
「列車ですぅぅ!!」
春も少しワクワクしていた。
「いやロマンすごいな」
ゼルヴァは呆れ顔だった。
「遊びに来たわけじゃないぞ」
「顔がちょっと楽しそうですけど」
「気のせいだ」
その時。
列車のドアが開く。
中から、大柄な男が現れた。
片腕が機械。
白髪。
鋭い目。
彼は春たちを見回した。
「お前らが異世界組か」
ミアが笑う。
「紹介するよ」
男は巨大レンチを肩へ担いだ。
「俺はガルド」
ニヤリと笑う。
「この列車の車掌兼、整備士だ」
ガルドは春を見る。
「話は聞いてる」
その目が真剣になる。
「オメガを止められるのは、お前らしかいねぇ」
春は頷いた。
「やるよ」
その瞬間。
空のオメガが再び光る。
『抵抗行為を確認』
『殲滅兵器を起動』
空間が裂ける。
そこから。
巨大な機械竜が現れた。
全長数百メートル。
鋼鉄の翼。
赤い単眼。
口には巨大砲。
リリィが絶叫する。
「ドラゴンまで機械ですぅぅ!?」
ガルドが叫ぶ。
「全員乗れぇ!!」
スカイライン・ゼロのエンジンが唸る。
蒸気が噴き上がる。
春たちは列車へ飛び乗った。
直後。
──シュゴォォォ!!
機械竜が咆哮する。
そして。
空へ向かう鋼鉄列車と、機械竜の追撃戦が始まった。




