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第69話 猫獣人族の男達

「集まってもらって悪いわね」


丘の上から降りて、シイラに集めてもらった猫獣人族の男達を前に、ミリアは声をかけた。


「あなたたち、人族と立ち会ったら勝てるの?」


正面にいた男が不愉快そうに声を荒げる。

「人族の女が、何を偉そうに!」


それを皮切りに他の男達が騒ぎたてる。

ミリアは片眉をあげ、鋭く息を吐く。


右手の中指がまわる。


その瞬間、男達とミリアの間に青い火柱が一瞬だけ立ち上った。


「で?勝てる?」


静まりかえった空間にミリアの言葉が響く。

誰も声をあげない。

その顔には悔しげな色。

握りしめた拳。

まだ諦めてはいないようだが。


……これは、やっぱり。


「相手が魔術を使わなければ、大概の相手は身体能力で勝てる。武器があろうが関係ない」


「ぅなーな!」


後から、フレッドと呼ばれた男が声を発した。

腕にはミナとミトを抱えている。


「それじゃ、相手が魔術を使わないって前提なら?何人くらい相手にできるの?この集落で」


フレッドがミナとミトを降ろし、応える。


「20人から30人は問題ないだろう」

鋭い爪を伸ばして言い切った。


ミトはシイラの元へ走っていった。


「人狩りの数は?」


並んでいた男達の一人がミリアの問いに答える。

「最近、森の中をうろつきまわってる奴らは4〜50人くらいだ」


ミリアは視線を落とす。

……有利な場所は選べるけど、人数が圧倒的に足りないわね。


視界にミナが入る。また足から攀じ登ってくるつもりなのか。

そっと、ミナを抱え上げる。

ミナは嬉しそうに、っなっなといいながら、胸元に収まった。

……空気読んで欲しいわね。読んだうえでこうしてるのかもしれないけど。


「私はあなた達の敵じゃない。バートのようにはしてあげられないけど。

でも、人狩りにしたいようにさせて見過ごせるような非道でもないわ」


横から見つめてくるレットの瞳。


「私は、イタンシャだから。もし、あなた達が自分の力でこの場所を守りたいというなら、手をかすわ」


男達の目に困惑、そして強い意志を感じる。


「ここの人数だけじゃ足りないわね」


このままでは、一つずつ集落を潰されていく。そうなればもう、抵抗のしようもなくなってしまう。


「この辺に他の猫獣人族の集落はないの?同じ問題を抱えてるのなら、協力するようにできない?」


問題は多くあるのだろう。人族の手を借りることには。バートの存在は、過去の救世主でありつつも、人族に対する、魔術に対する畏怖でもあるはずだ。それは払拭しなければ、協力を得ることはできない。

そのためには、この言葉が必要なはず。


「私のことは、魔術を封じる道具だと、そう言って」


続けてもう一押し。

「それができる、人族の魔術師を捕まえたって。痛めつけて言うことを聞くように仕込んであるってね」

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