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第58話 孤独な手品師見習い

……これは、失敗したかな……


森に入り、携帯食料を食べながら歩き続けてどれくらいたっただろうか。今さらながら自分が今、独りきりであることを痛感させられる。


思えば独りだったのは、王都の路地を、独りでいた時だけだ。

その前は家族と一緒だった。

その後はアサルカやジルが一緒だった。


アサルカはまだボルスと魔獣被害の対処をしてるのだろうか。ジルはアサルカに会えただろうか。


ミリアは目の前の光景に、現実逃避するかのようにアサルカやジルを思った。


地面に大きく亀裂が走り、森を隔てている。

そんなに深くはないが、幅は広い。

眼下に流れる川。

激流というほどではないが、流れは早い。


……地図にこんな川、描いてなかったわよ。


森の中で知られていなかったからか

最近現れたのか


そして、背後から迫る、魔獣の群れ。


……あんな数相手にできるわけないじゃない!私、弱いのよ!


後戻りもできない。先に進んで渡れそうな場所を探すしかない。

川の流れはアルネラの方向から少しずつ西へずれていく。


魔獣の群れはまだついてきている。完全に捕捉されている。力尽きるのを待っているのか。

随分と賢いものだ。


少し川幅が広がり、高さが低くなる。

それでもミリアの背の2倍はあるか。


……まだ降りられそうにない


そう思っていると、背後に動きがあった。

10匹ほどがまとまって距離を詰めてくる。川を背に迎え撃つことにした。


ギースとの闘争での魔力の疲れは完全には抜けていない。極力節約しなくては、先に力尽きてしまう。


10匹のブッシュウルフが目の前に現れ、囲んできた。


……飛びかかってきてくれれば、川に落とせたのに……


じりじりと川沿いに移動しながら、動きを注視する。

なるべく少ない手数で倒したい。


進行方向にいた個体が威嚇するように吠えた。

一瞬気を取られる。

逆側の2個体が飛びかかってくる。


一瞬気をそらしたことで、倒してもぶつかってしまう位置。


……それならば!


ミリアは背後に飛びながら、2匹を両断する。

着地する地面はない。


……行くところまで行ってあげるわよ!


宙に放り出される。

風が耳元で鳴る


水飛沫を上げ、ミリアは川に落ち、流されていった。


ブッシュウルフの悔しげな咆哮があたりに響きわたった。



第2部はこれで終了です。

ジルの成長と、ミリアの覚悟を見届けていただき、ありがとうございます。

幕間2話の後、第3部に入ります。

引続き、ミリアの旅路を見守っていただけると嬉しいです。


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