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命短し恋せよ乙女2/16

雪深い森の中にブリジット・エリントンの姿が消えると飛翔魔法で上空高く舞い上がった。開拓地の地形を把握するためだ。


オウムガイの殻はレシピブックのアイテム、釣竿で釣りをすれば0.8パーセントの確率でドロップ、というか釣れるアイテムだ。


他にエンチャント本とか、エンチャントされた弓とかも釣れる。それらはいわゆる宝カテゴリに属しているアイテムなんだけど、一方でゴミと言われる骨や、革の靴もある。


つまり僕はソーシャルゲームでいう0.8パーセントで当たりが出るガチャを引くようなことになるわけだ。これはその例えでいうなら最高レアリティのキャラを狙うのと等しい。


長期戦が想定される。クリエイター権限を使う? いいや。ま、そこは始まったばかりだ。ちょっとばかり楽しんでもばちは当たるまい。


飛翔魔法で移動する。ブリジット・エリントンの塔の真上まで来た。彼女の足だとまだ森を歩いているはず。木々に遮られて僕の姿を見ることなんて叶わないし、そもそも僕が飛んでるとは思ってもみまい。


塔を起点に方角を確かめる。まずはあの三角の岩山だ。北に位置し、ゴツゴツした岩肌をさらしている。そして、西だ。空に向けてがばっと口を開けている巨大な空洞がある。結局はいつものようにどうせダイヤモンドを集めさせるんでしょ。


森は岩山の裾野から広がり、絨毯のように大地を覆っている。お目当ての釣場は南にあった。結構大きい湖だ。森の中一面をコバルトブルーに染め、空を走る雲を湖面に映し出している。


早速、と行きたいところだけど、そこはグッと抑えて三角の岩山に向かう。ゴツゴツした岩肌にとりついで鉄のツルハシを振るった。道を作りながら鉄鉱石や石炭を次々と採掘していく。


小一時間労働して、鉄鉱石二スタック、石炭五スタック集まった。十分だろう。なかなかの成果だと思う。この三角山は当たりだった。


ふもとの森に降りた。トウヒの幹を鉄のツルハシで叩く。レシピブックのアイテムで叩くとその部分は記号化し、一定時間ほっとけばトウヒのキューブブロックとなってアイテム化する。


アイテム化する前に漏れなく触れていく。記号化したトウヒは触れればインベントリに収納することが出来る。触れ忘れてアイテム化させてしまったら面倒だ。トウヒのキューブブロックをまたレシピブックのアイテムで叩かなければならない。二度手間っていうやつだ。


手間という点でいうなら、木系資材をアイテム化させるのに最も効果的なのはオノだ。石系はツルハシで、土や砂利系はシャベルと、レシピブックでは決まっている。


インベントリをポップアップさせ、その画面のクラフトグリットに記号化したトウヒのキューブブロックを四つ入れる。作業台がクラフトされた。


作業台はクラフト専用の機能ブロックだ。作業台が持つインベントリをポップアップさせる。画面はというとクラフトグリットとアイテムを入れるスロットで構成されていた。三角山で採取した石のキューブブロックを作業台のクラフトグリットに八個入れる。作業台からかまどがクラフトされた。


かまども機能ブロックだ。そのインベントリをポップアップさせる。クラフトグリットに石炭と鉄の原石を配置。鉄のインゴットが出来上がった。


作業台でトウヒのキューブブロックから木の棒をクラフトし、さらに先ほどかまどでクラフトした鉄のインゴットで鉄のオノをクラフトする。


やはり専用の道具を使うのは気持ちがいい。鉄のオノでトウヒの幹を叩いてどんどん記号化し、触れていってインベントリに収納していく。これも小一時間ほど作業し、山ほどの木材を得た。


飛翔魔法で湖へ向かう。これからオオムガイの殻を吊り上げるわけなんだけど、それはガチャでレアキャラを引き当てるようなもんだ。湖のほとりに着くと小屋の建築を始めた。長丁場の戦いになる。気分転換に休むところが必要だ。


出来上がったのはいつもの豆腐建築。ただ今回は暖炉がある。豆腐に煙突がにょきっと頭を出していた。釣りがほとほと嫌になって結局クリエイター権限ってなりたくない。厭きずに釣りを楽しむのには環境だ。大切なのは快適さ。


作業台でクラフトした焚き火を暖炉の炉室に設置する。レシピブックの焚き火は僕が生きている限り燃え続ける。消すにはレシピブックのアイテムが必要だ。


椅子やテーブルもクラフトし、湖畔の山小屋が何となく出来上がった。周りに松明を挿していく。モンスター除けの湧き潰しだ。


というわけで、やっと釣りが始まる。地平線の向こうに日が落ちようとしていた。


あらら。楽しみは明日に持ち越しってわけだ。取り敢えず、夕飯だけでも確保するか。


インベントリのホットバースロットに収納してある釣竿をアイテム化させた。釣糸を湖に投げ込む。レシピブックでクラフトされた釣竿は餌もいらないし、釣った獲物も記号化して現れる。


すぐにサーモンが釣れた。触れてインベントリに収納する。あっけなく釣れたのでまた釣糸を湖面に投げる。時間を待たずしてまたサーモンが釣れた。


入れ食い? 釣りが楽しくなってきた。湖面に釣糸を投じる。またサーモンが釣れる。まじか。釣り、めっちゃ楽しぃー。


湖面に釣糸を投じる。すぐに引きがあった。釣竿を引き上げる。湖面にピンクと白の縞模様の魚影。あっと思った。サーモンじゃない。湖面から姿を現したのは真ん丸巻貝。


オウムガイの殻⁉


引き強過ぎて草


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