第2話:貴き義務の吐き気
豪華なサロン。村長の息子・バルトが、エルナのために誂えたドレスを持って現れる。
バルト: 「ああ、エルナ。今日も実に見事な美しさだ。次の祭りが終われば、いよいよ君は私のものになる。村長一族の血を繋ぐという大役、光栄に思うがいい」
シグル: (私と結婚するというのに、なんていやらしい目つきなの。エルナはまだ14才なのに、こみ上げる吐き気を抑えながら)
「……バルト様。エルナはまだ、心の準備もできておりません。それに、私との婚姻の話も進んでいるというのに、あまりに早急ではありませんか?」
バルト: (不思議そうにシグルを見る。悪意はなく、心底「何を言っているんだ?」という顔で)
「シグル、君は勘違いをしているようだな。君との結婚は『家の結びつき』だ。だが、エルナとのことは『村の維持』……言わば、神聖な儀式だよ。そこに感情や順番を挟む余地などない。むしろ、君も将来、私の子供を産むのだろう? ならば、次代の巫女となる子をエルナに産ませることは、私にとっても君にとっても、誇らしいことではないか。」
シグル:なに言ってるの、この男。婚約者に別の女と子作りをするのを誇らしい と思えと言う。
しかも、こんな少女を、、、、私から見てもおっさんのこの男が、、、、しかもいやらしい目つきで。。。
「……誇らしい? 私の夫となる方が、目の前の少女を道具のように扱うことがですか?」
バルト: (苦笑して) 「道具とは心外だな。私はエルナを、この村で最も大切に扱っている。最高の食事、最高の宝石、そして最高の私の種を与える。……シグル、君も少し疲れているようだね。そんな端にも棒にもかからない『嫉妬』のような感情は、この豊かなルナ・フェリスには似合わないよ。それに私は君の魅力に惹かれている。何も恥ずかしがることはないんだよ。それは君のチャームポイントだ。」
シグルの独白: (なんで腹筋が割れてること知ってるの?誰にも見せたことないのに。きもちわるい。それより、こいつには、何を言っても無駄だ。バルトだけじゃない。この村の連中は、エルナの命を削って得た脂身を食らいながら、それを『慈悲』だと信じ込んでいる。……外だ。あの石碑に刻まれていた通り、魔力のない地へ行けば、この男の理屈も、エルナの呪いも、すべて消し飛ばせるはずだ)
今は、チャンス
を待つ時だ。




