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無題/日記  作者: 岸 星煌
一章『その言葉の真■と確かな芸術について』
8/21

Log_7

傀儡は人になりうるか。

感情がないロボットが、人に似うるのはなぜ?


"感情"

その情報を知ってるから。内容を実行するだけ。

心の底からなんて、無い。



あぁ! それでも 焦がれていたい _│





「ねぇ、なんか生温いんだけど。レンジ、壊れてんじゃない?」


――朝 8 : 15


時計の音が、チクタク鳴り響く。


いつのか分からないけどココアパウダーがあったから、昨日照井さんが買ってきてた牛乳入れて飲もうとしたら、コレである。

今時回るタイプの電子レンジなんて希少種でしょ……しかも、この世界なら尚更。

冷たくも温かくもないココアを啜りながら、諒にそう話しかける。


「しょうがないだろ? 最低限使えるんだから、自腹で払うやつなんていねぇよ」

照井さんの金の湧きどころは謎だ。

経費で落ちない分は払ってくれるし、この前心に連れられて服を買いに行った時も現金を財布ごとくれた。

でも、こういう……洗濯機とか、掃除機関連は変え買える気も何もない。


「まあそうか……、おい待て」

正論を食らってぐうの音も反論も出なかったが、

それはそうとして余っていた最後の食パンに齧り付こうとする諒が目に止まった。

その手を、思わず止めてしまう


「その食パン、なんか塗った?」

諒に問いかける。だって、明らかにパンが白い。


「いや?なんもしてない……」


「……まじかよ、諒くんさぁ」

0.1秒の思考、答え。即答である。

いや……いくら何でもそれはないだろ。なんだ、素材の味か?無理あるだろ。

それとも料理のの天才性は持ち合わせてないのか?

思わずドン引いてしまう。相手もこの対応は想定してなかったのか、

「なにかおかしかったか?」

と言わんばかりの顔で頭にハテナマークを浮かべ、困惑している。

いや誰でもするだろ……


「せめてなんか塗ったり焼いたりしろよ……」

ため息をついて、皿ごとパンを取り上げる。

「甘いのがいい?それとも食事系?」

キッチンへ行く。冷蔵庫にはほぼ何も無いが、最低限の材料や調味料はある。


「いや、別にいいよそれ食うし……」

差し伸べられた手を振りほどく。


「は? 何その態度。作ってやんてんだから『ありがとうございます』つって座っとけばいいんだよ」

「で、なにがいい?」


「……」


「甘い系で……」


思えば、諒のあんな顔を見たのは初めてだった。



「いや、別に優しさとかじゃないよ……義務的な?

まあ別に見返りなんて気にしてないし……」


諒に、なぜあんなことしたかと聞かれた。別に理由なんて無いのに……


「……そうか」

「なんだよ〜別にいいでしょ?」


不思議そうな顔をされたから。

紛らわすために、肩をベシベシ叩きながら、会話を続けた。


砂糖が塗られたマーガリントーストを、ヨーグルトを食べながら見つめる。

(次は、朝ごはん作っといてやるか)

空っぽの冷蔵庫を思い出して、情をかけてやろう、と。そう考えた。

そう食べたヨーグルトは、甘くて私好みだった。



ほくそ笑んでたのが余程珍しかったのか、訓練時の諒の態度がなんだかよそよそしかった。



――昼 ??時


「は〜〜〜」

マジでどこだよ。ここ。


たまには外に出ないと、って焦りに駆られて飛び出したはいいものの……

適当にフラフラ歩いても何もわかんないわ。

世界は広い。だからこそ、広大な大地に絶望してしまう。


今日は天気が良い。絶好の散歩日和……なのだが、迷子になってしまった。

スマホのマップに頼ろうとしたら、この世界に対応していない?のかエラーを起こして開けない。

帰り道はだいたいわかるが、せっかく外に出たのだから、何かをして帰りたい気分だった。


そもそも、

土地は一緒だけど、建物が丸々変わってたり、道路が舗装されて通れなかったり……

街の方は車がうるさかったから。

暇を潰すのにはいいけど、ああいうのは人と一緒に行きたいから、Uターンして住宅街を歩いていたら、人通りのないところに来てしまった……

ほぼ森では?ここ。


「道はあるから、かろうじて歩けはするけど……はぁ」


ほとんど綿毛が飛んでしまったたんぽぽを見下ろしながら、草……いや、雑草を踏みつけ歩く。

自宅と遜色ない程の木々を通り抜けて、せめて人……いや建物をと願いながら足を進ませる。

はぁ、ここら辺で私の知らない土地があったなんて……

そう落ち込みながら、探検気分で奥まで行った。


それは、そこから数分歩いた時のことだっただろうか。


(あれ……)

歩いた先に見えたのは、人の姿。

白い髪の女の子が居る。

思わず足を止める。その姿を、観察してみなくなった。

その子は切り株の上に座り、目を閉じて黄昏ている。

女の子の周りを蝶が飛び、木洩れ日が辺りを照らす。動物に好かれそうなその姿は、人が居ないのもあり、いっそう神秘的に見える。


(あの子、ここら辺詳しいかな……)

少しの期待を込めて、近づく。

「……それとも、私みたいに迷子だったりして」

(それなら、一緒にいてあげなきゃ)

その足には、迷いなんてなかった。


side/視線 ??


「迷子ですか?」

星煌が駆け寄って、そう話しかける。

白い髪の子は、その声に反応して目を覚ます。


「…………情報 "迷子"」

「パターンが一致するか 解析開始」

下を向いていた顔が急に正面を向いた。

思考を演算 結果を解析。


肩に止まっていた蝶達は飛ぶ。花は風に寄り添い、日は大地と一体になった。


「結果 否定」

「分析 それは疲労の方が正しいでしょう およそ75.4%」


「そっか、疲れだったのね」

小さく呟く。結果に納得したらしい。

こっちに目線を合わせた。青い瞳が、夜空の星(星煌)を捉えた。


「始めまして。ちょっと疲れてやすんでただけだから、気にしないで」


星煌を見上げ、言葉を返した。その微笑みは、どこか儚げな雰囲気を演出した。


side 星煌


迷子ではないらしい。でも、疲れてるならなんかしてあげないと。


「なら、これあげるよ」

そう言って鞄からペットボトルを取り出す。

「水、まだ開けてないから。飲んで」

拒否する可能性を含めたから、相手の冷たい手を取って無理やり持たす。

持ち物がないように見えたから。ついお節介を焼きたくなった。


「今日、二十五度だよ。暑いから、水分補給しないと」


相手は驚いたように目をパチクリさせている。

やっぱり、初手で手を掴んだのが良くなかったのか?

ペットボトルは、しっかり握りしめていた。


「えぇっと……これ、見えるかな?」

そして一言。自分の頬を指さす。

「うん、見えるよ。……なんか触れた方が良かったかな?」


指した指先には、横幅二センチ程の黒い線が何本か入っていた。

そういうタトューなのか、オシャレなのか知らなかったから、気にしないでおいたけど、なにか重要なものだったのか……?


「ご、ごめんね急に。分からないならいいの」

選択を誤ってしまったのか、相手は手をあわあわさせて謝罪をしてくる。

「水、ありがとう。大事にするね」

水をもう一度握りしめてた。これは私の宝物だ、と隠す子供のように。


「うん。迷子じゃないなら……」

「そうだ、なんでこんな所いるか、聞きたかったんだ」


目的を思い出す。そういえば、道案内をして欲しかったんだ。

そのためにもまずは会話をしないと。


「ちょっとした散歩。ちょっとのつもりだったけど、遠くまで来ちゃった」

お茶目に、困ったように笑う。

私と一緒で、散歩をして遠くまで来た……ふむ、もしこの子が来たのが私と真逆だったら、道案内は期待できなさそうだな。


「そうなんだ。私もここら辺まで来たの初めてで、木しかなくてビックリしちゃった」

「そうだよね。でも、自然が美しくて、嫌いじゃない……みたいな」

「確かに。私もうるさいのより、こういった木々の漣を聞く方が好き」

隣の席 (ただの切り株) に座り込む。その言葉を肯定して、更に意見も付け加える。


「んふ、頭に木の葉が付いてるよ」

葉っぱがついてたのが可愛かったけど……いや、可愛かったから。

頭に手を伸ばして、葉っぱを手に取る。

顔が丸くて、たぬきのようにも見えた頭から緑が消えて、白一色になる。

「_! ……ありがとうございます」

相手は微かに恥じらい、感謝をしてくれた。

「そう? 似合ってたよ、ヘアピンみたいで。」

(私もなにか付けようかな……最近、前髪が伸びてきたし)


「……優しい、ね」

相手は感謝だけではなく、尊敬も付け加えてくれた。

「え、いやいや、このくらい誰でもやるって」

褒められるとは思ってなかったから、謙遜してしまう。

相手に恥をかかせたい!とか、そういう意図がない限り、誰でもやると思うけど……


「例えそうであっても、……うん、"嬉しい"」

相手は納得したように頷く。


「少し、過去の話をしても?」

こちらがまたまたなんて言う暇もなかった。

体がこちらを向く。その顔は憂いを帯びており、目は地面の花に愛を向けている。


「もちろん。なんでも聞くよ」

そんな姿を見てしまったから。私も正面を向いた。

相手を安心させる、笑顔を保ちながら。


side「そういえば、自己紹介がまだだったね。

よければ、"私"のことは江汐(えじお)って呼んで」


…… side /視線 江汐


「うん、えじお。いい名前」

「そうなの。私も、そう思ってる」

少しの和やかな会話。でもその空気は、過去の話で消し去ることになってしまう。


「私は、()()()()()()なの。

人造人間。アンドロイドとも言える。」


「あ、だから線……」

そうだ、顔のこれは、ロボット側のパーツ。

私が操縦する。または操られる。そのための。


「昔の話だけどね。

悪い研究員に捕まって、脳と、身体をいじられた」


今だって、彼女の体は半分が鉄の塊で、思考も半分奪われている。


「私が『神経痛』の才能を持ってたのをいいことに」


「『神経痛』……」

難しそうな顔をする。無理もない。唐突にこんな話をされて真顔でいられる人間の方が少ない。


「うん。ある程度、痛みには耐えられたから」


痛いことをされた。何回も。何回も何回も。

お金がなかったのか麻酔もなしで何度も切られて"私"が完成する頃には、何も感じなくなった。

詳しくは思い出せなかったし、思い出したくなかった。


「連れ出してくれた人がいたから、良かったんだけど。その人がいなかったら、私はきっと全身ロボットになってたよ」

目的も、意図も知らないけど。

軽減できる、とはいえ痛いのは嫌だったから、抵抗した。

だから、嫌いになった。


「……じゃあ、その人は命の恩人だね」

星煌が答える、傷を付けないよう、寄り添うように。

「はい。大切な、人なんです」


それは紛れもない、"私"の()()()()、気持ちだった。


連れ出された、希望を見出した。

優しく抱いてくれたその姿に、震えた。

右目から、痛み以外での涙が流れたのは初めてだった。


「学校にも、連れていってくれたんです。

でも、周りは私を『気味悪い』と呼んで、それが嫌で、結局辞めちゃった」


まぁ、そんな本格的なイジメでは無い。

なにかする訳でもない。ただ、影でコソコソ。誰も近付かず、ただ逃げる。

先生も気付かなかった。傍から見れば、ただの一匹狼だったから。


俯いてしまう。星煌の顔を見るのが嫌だった。

一方的にこんな話をしたのは、嫌われたかったから。優しくされて、びっくりした。

『きもちわるい』そう、だから、こっちに寄り添って欲しくなかった。


でも、相手はそんなこと気にしなかった。私が、思っていた地上に。


「気にする人いるんだ。何がある訳でもないのに。世界は広いね」


「今恩人さんのこと話してる時、顔。すっごく、嬉しそうだったよ」


「え……」

顔を上げる、そこには、その時の私の顔を写したように、笑顔で、目を細める星煌が居た。


「ほら! その顔、ロボットなんかじゃできないよ」


うんうん、と顔を動かす。それは、そうかもしれなかったけど、でも……


「今の話聞かされて、嫌じゃないの?」

「この顔が、機械が、嫌いじゃないの?」


みんなそうだった。

恩人さんとその██以外は、みんな顔を顰めた。嫌った、遠ざかった。置いていった。


いつも、その背を見てた。


「うん、気にしない。顔なんて、ただのパーツじゃん。

むしろ、私中身で人を判断するから江汐の事、もっと知れて良かったよ」


嘘だ。そんなこと、そんなこと……


「……じゃあ、中身が、世界のようにコロコロ景色を変えたら、どうです?」

「"私"が、次の日には違う"私"になってて……」

反論する。言い訳をして、して……


「それは、そういう人じゃん。

私だって、気分によって態度違うし」

「形が変わっても、全部を好きになって。

結局は一緒にいちゃうんだよね」


……


「そういう、ものなの?」


都合のいい、返事を期待する。

嫌われたかった心は、いつの間にか同調を望んでいて。


「うん! そういうもの」


彼女は、本当に、気にして無さそうに笑いかけた。

その笑顔は、少し下手くそで。

恩人の、██を思い出した。


全部が即答で、本心で、優しいもの。

彼女はきっと、そういう人なんだ。


「ありがとう」


今度は、正面を向いて、顔を見て。


「"私"は、きっとそう感じてる。」


それが、どんな感情かは、わからなかった。昔なら、理解できたと思う。


でも、相手は、そうである事を願うように

「ありがとう。私も、同じこと思ってるよ」

そう、言葉をかけてくれた。


感情は、半分薄れたけど。

感情という情報は知ってる。だから、述べる。

それに適した言葉を、感想を。




きっと、次会うときは出来ない。

私たちは…………



side 星煌


( ……まあ、結局私が勝手にそう思っててただけなんだよね )

嬉しそうな江汐の顔を見て、私は一安心した。相手の機嫌を損ねないことが、初対面において最も重要なことだ。


そんな会話に浸っていたら、の時。

ブーブーと、スマホから通知が来る。

「『穴が来た。お前もはやくこい』」


「ごめん! 結局、道はわかるんだよね!?」

「連絡があって、私帰らなきゃ!!」

慌てて席を立つ。そういえば、穴とかあったわ。

て、いうか

結局水飲んでないじゃん!


「うん。ありがとうね、話聞いてくれて」

でも相手は、そんなことは気にしてなくて。


「全然。次会うときは、ハイタッチができるくらい、仲良くなれた気がするよ」

「ふふ、今の言葉、忘れないでね」


「もちろん!」

そんな冗談を言い合えるほど、にはね。

鞄を背負い、スマホをポケットに入れる。

靴を整えて、ズボンに付いた木屑を払う。

「またね、江汐!」

そう、声をかけた。もちろん、笑顔で。

遅刻しないように、走り出す。


「えぇ、元気で」

遠くなるそのシルエットに、手を振る。

すぐ前を向いてしまったから、振り返してくれたかは分からないけど。


そして私は後悔する。

一つ、

江汐と連絡先でも交換すればよかったこと。そうしたら、偶然に期待しなくてもまた会える。


二つ、

ロボットならきっと私の道がわかるはず。

なら迷子の私を案内して貰えばよかった!!!!



――数十分後 午後 14 : 00


「まだ、間に合いますか!?」

駆け込みアウトする。見ればちょうど残りの一匹を駆除し終えたところで、どこからどう見ても遅刻だった。


「わかるだろ?遅刻だ、バカ」

走りの疲れでゲホゲホ息を荒らげてる私に情けをかけず、追い打ちのデコピンをかましてくる。


「諒はこう言ってるけど、心配してたからね! 悪い人に捕まってたらどうしよう〜って!」

「あ!!! もちろん、私も!」

「んな事言ってないだろ……」

心は心配してくれている!優しい!

……血の着いた服でベッタリしてくる。まあ、そろそろ衣替えの季節だから。長袖とはお別れだから、別にいいか……


いや、むしろ生きて帰ってきたことを褒めて欲しい。

言い訳を始める。心の中で。

自宅の登録もしてないマップと睨めっこして、ついでに穴の場所まで見つけて自力で来たんだ。

遅刻でマイナス50点でも合計1000点は固く取れるだろ。


「……写真、取れなかったな……」

帰り道、そう嘆く。

照井さんに写真を任せたが、撮り終えた際に間違ってデータを消してしまった、らしい。


――夜 23 : 00

自室にて



今日はとても色々あって、疲れた。

帰宅後のシャワーは格別で、夜ご飯もするする入った。

歯磨きを終えた歯はミントの味がして、夜ご飯はもう記憶しか残ってないが。


残念がりながら布団に横になる。まぶたが重い。すぐにでも眠れそうだ。


みんなに江汐のことを話したら、『お喋りが原因で遅刻か』と怒られた。

心以外。

なんでか知らないが、仲良くするのは"いいこと"だ!!って、褒められたけど。


……目を閉じて、記憶を思い出す。

そういえば、あの子は『観測』で見た子じゃなかったな。

その画。森は確かに一致していたが、その他が全く違った空も曇りだし。

江汐は、黒髪とは真逆の白髪だった。

あぁ、でも髪の長さは似てるかも。


(もう一回観測したら、前のと同時間の観測できるかな……)


…………いやめんどくさいな。

こういうのって、なんの代償があるか分からないから、今日はやめておこう。


ゴロン、と毛布を被り横になる。

考察を言い訳に、すぐに深い眠りについた。



side 星煌


うん、賢明な判断だ。

「まあ、何がある訳でもないんだけど」

なんてことを言いながら『観測』を終える。


私には結果(それ)が見えないから、あんまり使いすぎてもこっちが合わせれなくなって困っちゃうんだ。

要点を1つずつ、机に貼られた付箋にメモする。


あぁそうだ。補足もしてあげよう

何故、朝星煌はあんなことをした?

何故、昼にあの子を助けた?


指を空に指しながら答える。


正義感に駆られたわけではない。単なる善の精神?いや。そんな大層なものではない。


()()()()()()()()()()()

それだけだ。拍子抜けした?期待外れ?

そういう人間もいるんだ。


"行動原理" なんてない。いい感じに相手に合わせて、して欲しそうなことをするだけ。

まぁ、相手に気遣いすぎるのも、良くないけど。


そう、ノートにサラサラ書いていたら

コンコン、玄関をノックされる。


「今いいか」


最近知り合った声は、静かな夜によく響く。

まあ、それでも声がよく通る方だけどね。


「うん、鍵開けたからどうぞ」

まあ、開けたのは私じゃないけど。


そうして入ってきた……


ああ、みんなにも分かりやすいようにしてあげる。

"サイドテール"で、"オレンジのインナー"が入った茶髪気味の女の子。

前髪で隠れた左目は、何かがあったのか?と連想させる。深堀る気はないけど。


「もうそろそろ、やるべきだと思ってな」

「部下が教えてくれたんだ。目標の敵組織と接触した、と」

彼女は中に入る。そして丁寧に話し始める。

「なんだか楽しそうだった。何を話したは知らないが、情報はもらしてないだろう。」


そう話終えると同時に、姿勢をそちらに向ける。このチェアは座り心地が良く、立つ気は到底ない。


「引くつもりは、ない?」

問いかける。

それは何十回もした、覚悟について。

相手は答える。


「あぁ、()()()()()()()()()()()として、責務を果たさなければ」


何十回聞いても揺らぎない信念で


現れている左目は、燃えるような赤だった。



記録 : 記入 星煌

Q 今回の穴どうでした

A 数が多い。それ以外は特に。


回答 篠原 諒

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