↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かぼちゃのパンツはもういらない~弱みを握ればこっちのもの!  作者: 星降る夜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/48

43 石ころ拾いツアーでしゅ!


 翌朝、家族が王宮へ出かけたのを見届けると、私は元気よく号令をかけた。


 「石ころ拾いツアー出発!」


 レオン以下総勢7名。元気よく馬で出発。私はホルンに乗せてもらっている。


 一番荷物が多いのはウィズだ。何を持ってきているんだろう?


 朝、テッドがお弁当を作ってくれた。ジャックとケルンが大事そうに抱えている。お昼が楽しみだ。


 馬車とは違って速いけど、ゴロゴロできない。時々ラグビーボールのようにレオンやクーガにパス回しされる。うとうと寝ていると突然空中を舞っている。


 ギャッ!


 何度、短い悲鳴をあげたことか……。


 「びっくりするから止めて」とレオンに涙目で訴えたら、「起こしてからにするか」と呟いた。


 違うから、そこじゃないから!


 投げないで!


 「優しくするでしゅよ!」

 「めしか?」


 なんかずれてる……。


 でも私のお腹が、ぎゅうルルって答えた。違うのに……。


 「休憩に入る」


 水辺で馬を休ませる。


 「クーガとジャックは周辺の見回りだ」


 レオンの一言であっという間に2人が目の前から消えた。凄い……。


 ギンの作ってくれたハチミツレモン水を飲んでいると、戻ってきた2人がレオンに何か報告している。どうしたんだろう?


 「レオン? なにかあったの?」

 「ネズミがいたらしい」

 「ねずみ?」

 「なんか探っている奴らのことですよ」


 ギンが隣で教えてくれた。


 「この辺りを嗅ぎ回っていた連中だ」

 「ルリアを探るの?」


 探られるようなことは何もしていないよ!


 なんたって天下の3歳児。隠すことはありません。ギルドマスターじゃあるまいしね。


 「お前を探ってどうするんだ」


 レオンが呆れたように言う。


 えっ、そう言われると……。


 実は隠し事があるような気がしてきた。脱税はしていない。拾ったのは石だけだし……。


 「れお、わたし、大丈夫かな?」


 レオンは何も答えずに向こうへ行ってしまった。無視するのね。


 「姫様、やっといたんで、大丈夫っすよ」


 クーガが明るい声で言う。この場合のやったとは?


 思わず私が首ちょんぱのジェスチャーをする。


 「やっぱり、生ぬるかったじゃん」


 ジャックが口をはさむ。


 「今から行くか」


 ちょっと、待ったぁ~。まだやっていないんだよね。ダメだから。人殺しは!


 「首ちょんぱはダメでしゅ」

 「やっぱり心臓一突きにですよね」

 「その方が血が派手じゃないな」


 クーガ、違うから。ジャック納得しないで!


 「いや、姫様は血は好きじゃない」


 おお、ギン、わかってるじゃない。私が大きく頷いていると、ギンが得意げに言う。


 「毒殺が一番きれいだ」


 違うから、毒殺はダメだから。


 「人殺しはダメでしゅ」


 ああ~。頭がくらくらしてきた。


 「石ころ拾うでしゅよ」


 最初の目的を言う。これ以上みんなが物騒なことを言い出さないうちに、私は有無を言わせずに出発した。


 のんびりした日常に時々忘れてしまう。


 こいつらは暗殺者たちだった……。気をつけねば。


 さっき途中で休憩を取ったけど、馬車の時とは違ってあっという間に鉱山へと着いた。


 この間は上からしか眺めていない。あの上だったのよねと目の前の崖に目をやる。


 崖は30メートルはありそうで、下から見上げると目が眩む。


 この崖をレオン達は難なく降りたんだった。レオン達の真似は、到底、出来るようにならないと思った。

 いったい今までどんな訓練をしてきたんだろう……。


 そんな思いを振り払うように鉱山の入口へ目をやった。


 鉱山の入り口は山肌に隠れるように開いている洞窟だ。見張り小屋がなければその存在もわからない。


 私はすでに探検ムード、うきうきしながら洞窟の入り口から中を覗く。


 薄暗い洞窟の中にはごつごつした岩が落ちていた。


 脇で、ウィズが持ってきた荷物をほどいて何やらいろいろと出している。この間は認識障害の魔道具を設置していたわよね。まだいろいろあるのかしら?


 「ウィズ、なにしているでしゅか?」

 「姫様、ばっちりお任せを。侵入者を知らせる魔道具に記録をする魔道具。いろいろ持ってきたんですよ」


 私が聞くと、得意げに広げだした。時間かかりそうね。


 「ジャック、ケルン。ウィズを手伝ってやれ。先に行ってる」


 レオンはそう言うと私を抱き上げた。


 「お前の足では無理だな」


 わかっているけどちょっとむっとした。


 「ジャックとケルンがお弁当持っているでしゅ」


 私の言葉にケルンが手を振る。


 「姫様、すぐ行きますよ」


 ならいいんだけど、ルリアのカバンには非常食はちゃんと入っているから。遭難した時用にハンバーガーとカステラ持ってきたんだ。ルリアの分だけだけどね。


 穴の中はひんやりとした空気が流れてきた。空気の流れはあるみたいだった。ところどころにつるはしやらシャベルが落ちていて、人がいたのがわかる。


 「ここが愛の逃避行の現場でしゅね」

 「この間のやつらは、もう少し先にいたが、ここはまだ入り口だな」

 「れおはこの奥に行ったでしゅか?」


 レオンは首を振る。


 「それは任務外だったな」


 確かに、あの時はそこまで考えていなかった。石で作られたような道がずっと奥まで続いていた。だんだん外の明かり取りの窓が少なくなり暗くなっていく。これじゃあ、石を拾うのも一苦労だわ。


 「明かりもいるでしゅね」


 後ろからウィズ達の声が聞こえてきた。


 「姫様、設置終わりました。お昼にしましょう」


 近くの岩場にシートを広げて皆がテキパキとランチの準備を始めた。


 古い遺跡でピクニック。テンション上がります。ウィズが魔道具でお湯を沸かしてスープも温めてくれた。いいにおいが立ち込める。


 ”グォォォォン……”


 地鳴りのような音が聞こえて、天井からパラパラと石が落ちてきた。


 何の音? 地震?


 まさかの火山爆発とか!?


 ”グォォ~ン”


 何かいる?


 皆、一気に緊張が走る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。