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結局、小説をエタらさないためには?

 作品を完結させたいけれども、エタる予感を覚えたなら、強制的に終わらせればいいのです。


 クライマックスとなるイベントを片付けた後、『彼らは今後も活躍していく』『俺たちの戦いはこれから』な雰囲気で話をぶった切る。人気がイマイチな週間連載マンガなど、このやり方で完結させていることが多いです。このサイトならば、中途半端な部分で筆が進まなくなっても、余分な話を消去して、切りのいいところに戻って完結させるというやり方もあります。サイトの方針として、データ消去はオススメされていませんが。

 最悪、夢オチでもいいのです。

 なんの脈絡もなく巨大隕石が降って、世界が滅亡してもいいのです。


 そんな結末を作れば、もちろん読者さんからはバッシングされるでしょう。あるいはネタとして笑われるかもしれません。

 でも、作品は完結させられます。エタりはしてません。


 完結させたなら、後は野となれ山となれ。

 もちろん読者さんからの反応は、真摯に受け止める必要はありますが、過度に反応する必要はないのです。作者としての義務は最低限終わらせてるわけだから、悪い部分を挙げられても、それは『次回作へ反映します。ご期待ください』でいいのです。それで読者さんが期待してくれるなら良し。見切られたら次の機会で読者獲得に燃えてください。


 エタる作者さんは、そんな度胸を持っていません。

 そしてエタりそうな作者さんは、そんな度胸を持てるでしょうか?



 アルバイトを始めました。

 なにぶん初めてのことで、どうすればいいのかわからない。想像ではアルバイトはもっと楽しいものだと思っていたが、実際は聞くとやるでは大違い。

 ミスで客を不満に抱かせ、自分でも楽しいものと思えなくなり、途方にくれました。

 だからどうしましょう?

 まだシフト中ですが、家に帰り、明日から無断欠勤することにしました。


 小説をエタらせるということは、そういうことです。

 区切りのいい場所で区切っているなら、休憩中と考えることができますが、中途半端な場所で作品が途切れていたら、誰もそんな風に思いません。

 実際のアルバイトと違い、執筆放棄に対して寛容的な人は多いでしょうが、その行動を認めているわけではありません。

 雇い主が『あぁ、辞めたか。バイト代払わずに済んだ』と考え、無視されるようになっただけです。ついでに『辞めるなら一言言えよ』と舌打ちするでしょう。


 現実は世知辛く、頑張れば必ずご褒美がもらえるとは限りません。

 でも頑張らなければ、ご褒美は絶対にもらえないのです。


 エタってしまった小説のように、ある日突然神サマが現れて才能を与え、なんの苦労もなく順風満帆の人生を送れるなんて、ないのです。

 しかもエタった小説は『めでたしめでたし』とオチをつけていないため、主人公はその後、超絶的な人生転落劇を繰り広げたのかもしれません。

 自分の思い通りになるはずの小説の世界でも、作者さんは主人公というたったひとりの人間すら、幸せにはできなかったのです。

 なのに世間から認められようなど、考えが甘いと言うほかありません。



 作品をエタらせたところで、誰も困りはしません。

 多くの読者さんは、別の作品に興味を移し、そのうち忘れ去れるだけです。


 作者さんがそれで構わないと思うなら、自分も構わないと思います。

 ただ、言わせてもらいます。


 あなたは作家になりたかったわけでも、小説作品を作りたかったわけでもないのです。

 最初の熱意はそうだったのでしょうが、最終的には違う理由に変わったのです。

 いくらばかしか自尊心を満たしたかっただけなのです。



 ここまでで、小説の未決を避けるにはどうすればいいかという話は、自分なりの考えの元に、自己満足で、そして自分への戒めとして書き終えました。

 きっと実際に作品をエタらせた作者さんが読んでも、参考にならないでしょう。

 しかし自分には、これ以上どうしようもできません。


 このエッセイは『保健室』と銘打っています。学校には絶対に存在し、誰しも一度ならずともお世話になった場所でしょう。

 診療所でなければ、病院でもないのです。

 できるのは簡単な診察と注意喚起だけです。


 手術はできません。

 あなたの作品に他人が手を加えるということは、あなたの作品ではなくなるということです。

 画期的な治療薬は出せません。

 生活習慣改善のような、本人の努力が必要な地道な治療法しか存在しません。

 保健室の先生のように、相談に乗って欲しいと頼まれれば考えます。

 でも結局は、ご自分がどうしたいか。努力する気があるのか。結論は集約されます。


 あなたの作家人生は、あなたのものです。

 そして作品がエタるのは、その人生の岐路に辿り着いたからです。

 作品をどうしたいか。作家でありたいのか。小説を書きたいのか。

 途中でも終わらせたいのか。完結まで長続きさせたいのか。

 全てあなた次第です。


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