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ああ、愛しの阪神タイガース  作者: 泉水遊馬
第二章 シーズン開幕

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第27話 虎吉、しんみりと語る

― 今は亡き野村監督と星野監督 ―


阪神の試合がない夜。

リビングはいつもより静かだった。


虎吉はテレビを消し、

麦茶を飲みながらぽつりとつぶやいた。


虎吉

「……野村さんも、星野さんも、もうおらんのやなぁ……」


遥香

「パパ、急にどうしたん?」


美津子

「珍しいね、アンタが静かなの」


虎吉

「いやな……

 最近、遥香が野球に興味持ってくれて……

 なんか、昔のこと思い出してもうてな」




虎吉が語る“野村克也”


虎吉

「野村さんはな……

 “野球って頭でするもんや”って教えてくれた人や」


遥香

「頭で……?」


虎吉

「そうや。

 野村さんの野球は“考える野球”。

 配球、駆け引き、データ、心理戦……

 全部が詰まっとる」


美津子

「阪神が弱かった時代に、

 “土台”を作ってくれたのが野村さんやね」


虎吉

「せや……

 勝てへん時期も多かったけど、

 野村さんが来てから、

 “阪神が変わる”って空気があったんや」


遥香

「パパ、なんか声が優しい」


虎吉

「野村さんのこと思い出すと、

 どうしてもな……

 あの人は“教えてくれる大人”やったから」


虎吉が語る“星野仙一


虎吉は少し姿勢を正した。


虎吉

「でな……

 阪神を“ほんまに変えた”のは星野さんや」


遥香

「星野さんって……

 “闘将”って呼ばれてた人?」


虎吉

「そうや!!

 あの人は“勝つ空気”を持っとる人やった。

 選手もファンも、

 “星野さんがいるなら勝てる”って思わせる力があった」


美津子

「2003年の優勝は、

 ほんまに“星野さんの力”やったね」


虎吉

「せや……

 あの年はな、

 “阪神が強い”って胸張って言えたんや。

 星野さんが阪神に自信をくれたんや」


遥香

「パパ……

 なんか泣きそうやん」


虎吉

「泣いてへん……

 ただ……

 星野さんの優勝インタビュー思い出しただけや……

 “ファンの皆さん、おめでとうございます”って……

 あれは一生忘れへん……」



虎吉の“野球の原点”


虎吉

「野村さんが“考える野球”を教えてくれて、

 星野さんが“勝つ野球”を教えてくれた。

 ワシの阪神ファン人生は、

 この二人に育てられたようなもんや」


遥香

「……なんか、すごいな。

 パパの中に、ちゃんと“野球の先生”がいるんや」


美津子

「アンタ、普段は騒がしいけど、

 こういう時だけはほんまに阪神ファンやね」


虎吉

「当たり前や……

 野村さんと星野さんは、

 ワシの中でずっと生きとるんや」


遥香

「……パパ、かっこいいやん」


虎吉

「やめぇや、照れるやろ……」



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