第20話 虎吉、背番号7の重みを語る
― 真弓、今岡、糸井、そして中野へ ―
夕食後のリビング。
遥香がぽつりとつぶやいた。
遥香
「中野って……背番号7なんやね」
その瞬間、虎吉の目がギラッと光った。
虎吉
「遥香……今なんて言った?」
遥香
「え、だから背番号7って……」
虎吉
「よっしゃああああああ!!
ついに来た!!
“背番号7講義”の時間や!!」
美津子
「勝手に始めるな」
虎吉、まず“真弓明信”を語る
虎吉はテレビの前に立ち、
まるで講義を始める教授のように語り出した。
虎吉
「阪神の背番号7といえばな……
まず **真弓明信** や!!」
遥香
「名前は聞いたことある」
虎吉
「そらそうよ!!
1985年の優勝メンバーで、
1番打者としてチームを引っ張った男や!!
ホームランも打てる、走れる、守れる!!
“攻撃の起点”そのものや!!」
美津子
「真弓さんの1番は華があったねぇ」
虎吉
「せやろ!!
背番号7は“華のある選手”がつける番号なんや!!」
次に“今岡誠”を語る
虎吉
「そして次は **今岡誠** や!!
2003年、2005年の優勝の立役者!!
打点王!!
勝負強さの化け物!!」
遥香
「勝負強いって、なんかかっこいいな」
虎吉
「そうや!!
今岡はな、ここぞという時に必ず打つ!!
“静かなる天才”って呼ばれとったんや!!
背番号7は“勝負強さの象徴”でもあるんや!!」
そして“糸井嘉男”へ
虎吉
「さらにその後を継いだのが **糸井嘉男** や!!
超人!!
身体能力の塊!!
40歳近くでもバリバリ打つ!!
阪神のムードメーカー!!」
美津子
「糸井さんはほんまに身体能力おばけやったね」
虎吉
「せや!!
背番号7は“スター性”も求められるんや!!
糸井はそれを体現した選手や!!」
そして今、中野拓夢
虎吉は胸を張って言った。
虎吉
「そして今!!
その背番号7を背負ってるのが――
**中野拓夢** や!!」
遥香
「……なんか、すごい人たちの後なんやな」
虎吉
「そうや!!
真弓の華、
今岡の勝負強さ、
糸井のスター性、
その全部を受け継いでるのが中野や!!」
遥香
「中野って……そんなすごいん?」
虎吉
「すごいなんてもんやない!!
守備は華麗、
走塁は俊敏、
打撃は職人、
チームの流れを変える“影の主役”や!!
背番号7にふさわしい選手や!!」
遥香
「……なんか、もっと好きになってきた」
虎吉
「うおおおおおおおおおお!!
遥香が中野にハマっていくぅぅぅ!!
これが阪神ファンの成長過程や!!
ワシは今、めちゃくちゃ嬉しい!!」
美津子
「アンタが一番うるさいわ」
遥香の胸の中
その夜、遥香はスマホで
“阪神 背番号7 歴代”
と検索していた。
真弓。
今岡。
糸井。
そして、中野。
遥香
「……すごい番号なんやな……」
胸の奥が、じんわり熱くなる。
遥香
「……やっぱり、好きかも」
その言葉は、
誰にも聞こえないほど小さかった。




