表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ああ、愛しの阪神タイガース  作者: 泉水遊馬
第二章 シーズン開幕

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/34

第19話   遥香、推し選手ができてしまう

― その名前は、中野拓夢(背番号7) ―


甲子園での初観戦から数日。

大学の帰り道、遥香はふとスマホを開いた。


そこに表示されたのは、

**「中野拓夢、今日もマルチ安打」**

という記事。


遥香

「……あ、この人……」


あの日、甲子園で見た背番号 **7**。

軽やかに守り、

迷いなく走り、

打席では静かに集中していた選手。


遥香

「背番号……7番、やったよな……」


気づけば、その名前を検索していた。


家に帰ると、虎吉が絶叫していた


虎吉

「中野ォォォォォ!!

 今日も打ったぁぁぁ!!

 背番号7番になってから、さらにキレ増しとる!!

 今年の中野は“覚醒中野”や!!」


美津子

「アンタ、毎年覚醒してる言うてるやん」


虎吉

「毎年覚醒して、今年は“もっと覚醒”なんや!!」


遥香は、そんな父の横でそっと座り、

テレビのハイライトを見た。


中野の守備が光る


アナウンサー

「セカンド中野、横っ飛び!

 そのまま一塁へ!!

 アウト!!」


遥香

「……すご……」


虎吉

「やろ!?

 中野はな、守備の天才なんや!!

 背番号7番になってから、動きがさらにキレッキレや!!

 あの一歩目の速さは芸術や!!」


遥香

「……うん。

 なんか、わかる気がする」


虎吉

「え?」


遥香

「この人……好きかも。

 プレーが、なんか……綺麗」


虎吉

「…………」


虎吉は固まった。


美津子

「アンタ、娘に“推し”ができたんやで。

 喜びなさいよ」


虎吉

「う、うおおおおおおおおおおおおおお!!

 遥香に推しができたぁぁぁぁ!!

 しかも阪神の選手!!

 しかも中野!!

 しかも背番号7番!!

 最高やぁぁぁぁ!!」


遥香

「パパ、落ち着いて。

 まだ“推し”ってほどじゃ……」


虎吉

「いや推しや!!

 今の言い方は完全に推しや!!

 ワシにはわかる!!

 阪神ファンの血が流れ始めとる!!」


美津子

「アンタの血やろそれ」


遥香の胸の中


その夜、遥香は自分の部屋で、

中野拓夢のプレー集をこっそり見ていた。


背番号7が、

芝の上を軽やかに駆ける。


無駄のないグラブさばき。

一塁へ伸びる美しい送球。

走塁のスピード。

そして、笑った時の柔らかい表情。


遥香

「……なんか、いいな……」


気づけば、

中野の名前を検索する指が止まらなかった。


遥香

「……これって、やっぱり……」


胸の奥が、少しだけ熱くなる。


遥香

「……推し、なんかな……」


その言葉を口にした瞬間、

自分でも驚くほど、

ほんの少しだけ嬉しくなった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ