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ああ、愛しの阪神タイガース  作者: 泉水遊馬
第二章 シーズン開幕

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12/16

第11話 開幕巨人戦

2026年3月27日/東京ドーム



夕方6時。

虎吉(51)は、テレビの前に正座していた。

阪神のユニフォームを着込み、タオルを肩にかけ、

手には“勝利のラジオ”を握りしめている。


美津子(妻)は呆れ顔で言う。


「アンタ……正座してテレビ見る人、今どきおらんよ」


虎吉は真剣な目で返す。


「開幕戦はな……“儀式”なんや。

 正座で見な、阪神に失礼や」


遥香(娘)はポテチを食べながら笑う。


「パパ、去年も同じこと言ってたで」


---


■ 試合開始

アナウンサー

「さあ、2026年プロ野球開幕戦!

 阪神タイガース対読売ジャイアンツ!」


虎吉

「よっしゃああああああああああああああああああああ!」


美津子

「うるさい」


---


■ 1回裏、キャベッジの先頭打者ホームラン


テレビ

「打ったー!レフトスタンドへ大きな当たり!

 キャベッジ、先頭打者ホームラン!」


虎吉

「…………」


遥香

「パパ、固まった」


虎吉

「いや……ええ……これは想定内や……

 阪神はな、初物に弱いんや……伝統芸や……」


美津子

「伝統芸言うな」


---


■ さらに併殺崩れで2失点


テレビ

「ショートゴロ!……あっと、中野弾いた!

 その間に三塁ランナーがホームイン!」


虎吉

「中野ォォォォォォォォォォォ!」


遥香

「パパ、落ち着いて」


虎吉

「落ち着けるかい!

 開幕戦の1回で2点ビハインドやぞ!」


美津子

「まだ1回やん」


虎吉

「1回が大事なんや!

 人生も野球も“立ち上がり”が命や!」


---


■ 4回表、大山の犠牲フライで1点返す


テレビ

「大山、センターへ!犠牲フライには十分!」


虎吉

「よっしゃあああああああああああああああああああ!」


遥香

「パパ、復活早いな」


虎吉

「大山はな……“仕事人”なんや……

 派手やないけど、確実に点を取る……

 これが阪神の4番や……!」


美津子

「さっきまで泣きそうやったのに」


---


■ 4回裏、ダルベックのバックスクリーン弾


テレビ

「打ったー!センター深い!

 バックスクリーン直撃のホームラン!」


虎吉

「…………」


遥香

「パパ、また固まった」


虎吉

「……なんで巨人の助っ人は毎年バケモンなんや……

 阪神にも一人くらい分けてくれや……」


美津子

「そんな制度ないわ」


---


■ 6回、竹丸に三者凡退


テレビ

「竹丸、6回1失点の好投!」


虎吉

「なんやこのルーキー……

 阪神キラーの匂いしかしない……」


遥香

「パパ、初物に弱いのは阪神の伝統芸やろ?」


虎吉

「言うな……今日は刺さる……」


---


■ 9回表、田中瑛斗に抑えられ試合終了


テレビ

「試合終了!巨人が開幕戦を制しました!」


虎吉

「………………」


美津子

「アンタ、息してる?」


虎吉

「……阪神はな……

 開幕戦負けても優勝できるんや……

 2023年もそうやった……

 つまりこれは……

 “優勝フラグ”や……!」


遥香

「ポジティブすぎるやろ」


虎吉

「阪神ファンはな……

 ポジティブやないと生きていけんのや……!」


---


■ 試合後、虎吉の総括


虎吉

「村上は悪くない。

 立ち上がりだけや。

 竹丸はええ投手や。

 でもな……阪神はここから強くなる。

 テルも翔太も、絶対上がってくる。

 今年も阪神と一緒に生きるで……!」


美津子

「はいはい、今年も始まったね」


遥香

「パパの“阪神の一年”が」


虎吉は胸を張った。


「そらそうよ。

 阪神がある限り、ワシは幸せや」


阪神 1 – 3 巨人

勝:竹丸(巨人)

負:村上(阪神)

S:田中瑛斗(巨人)

本塁打:キャベッジ(巨人)、ダルベック(巨人)


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