どうしたら集まる?
今忙しくて、ちょっとペース遅いです。エタったりはしないのであしからず。
カタカタと、キーボードを叩く音が葉太の部屋に響く。
少しだけ荷物の入った葉太の自室は薄暗く、液晶の光が葉太の顔を青白く照らしている。
葉田葉太は焦っていた。その原因は数時間前、千歳の病室での事だ。
「その手術の日までに、必要なんだって 『五億円』 」
そう言った千歳の諦めたような顔は、儚く、哀しさがにじみ出ていた。
葉太は千歳が心臓移植アメリカで受けれる、と言ったときから多額の費用は覚悟していたが、まさか。
『5億円』
そんな、大金。数ヵ月で用意できる訳が無い。
今は11月。千歳曰く、手術は3月らしい。
四ヶ月だぞ。カップラーメンでさえ57600杯しか作れないんだぞ。分かってんのかおいこら。
だがしかし、こんな所で諦めるわけにはいかない。千歳の命がかかっているのだ。比喩じゃない。5億円は千歳の命だ。
人の命は、千歳の命はプライスレス。葉太はそう思っているが、少なくとも今回ばかりは本当で5億円に千歳の命が懸かっているのだ。
千歳の話を聞いたあと、家に帰った葉太はお金を集める方法を片っ端から調べていった。
今、葉太がパソコンとにらめっこしているのもその為だ。
そして葉太が目をつけたのが。
『○○ちゃん、○○くんを救う会』というものだった。
一度は聞いたことがあるのでは無いだろうか?何かしらの症状があり、手術が必要な子どものために募金で膨大な手術代を賄うといった主旨で活動している団体だ。
その多くは移植手術などによるものが占めており、そういった症状は幼児期での対処が必要になる為小さい子どもが多い。
葉太も一度、街なかで募金したことがあるが、たったの500円ですこぶる礼を言われた訳が今ならよく分かる。
こんな大金、人に頼るしかないのだ。どうしても救いたい命と、集めなくてはならない大金。
千歳の件もこの方法しかないのではないかと思う。
しかし、5億円という額はそんな簡単には集まらないだろう。そうと来れば、少しでも早く動かなければならない。こうしている間にも秒針は進む、時は経つ。
葉太は慌ててスマホを手に取ると、千歳の家に電話をかける。
何度めかのコールでおやっさんが電話に出てきた。
「もしもし、おやっさん!千歳のことは聞きました。はい、それで突然ですが僕も千歳の役に立ちたいので、1つ提案させてもらいます」
まくし立てるような口調の葉太におやっさんはビビり気味だ。
「『救う会』を設立しようと思います。今はショックで落ち込んでいると思うので、僕に任せてください。全部僕がしますから、どうか救う会の設立に、許可を貰えませんか?そうすれば希望が見えてくるんです」
電話ごしのおやっさんは戸惑いながらも、枯れた声で相槌を打ちながら葉太の話を聞いている。そして、既に『救う会』については調べていたのだろうか?
とても大変な活動だと聞くが、葉太君はやってくれるのか?と、そう聞いてきたのだった。
「はい、十分承知の上です。千歳のためならば何だってしてみせます!」
するとおやっさんは、葉太にお礼を言いながら設立の許可をくれた。
「ありがとうございます。来週ぐらいから活動できるように頑張るので。」
そう言って葉太は電話を切る。
千歳の、父親であるおやっさんの許可をもらったので『救う会』の設立に向けて葉太は必要な事を調べる。
『救う会』の設立には、銀行口座の開設や後援企業を探したりとやらなければならないことが沢山あるようだ。
「ひとまず明日は学校休むかー。」
そう呟いた葉太の、千歳のための三ヶ月が始まろうとしている。
短くてすみません。新シリーズも執筆しているので、少しペースが遅くなってたりします。今後とも宜しくお願いします。




