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全方向ブランド♪



ゆかside


キーンコーンカーンコーン


最終下校時刻のチャイムが過ぎても、僕はトイレに篭っていた。


思い出しては泣いて、思い出しては泣いてを繰り返していたら、


あっという間に放課後になってしまった。


涙はあっという間に枯れてしまった。


僕はこれからどう生きようかを考えている。


ただ、ぼーっと好きなものだけ見つめていたい。


学校なんか行きたくない。


、、大好きな人に、嫌われちゃった。


、、ん?


僕、浅木のことが好きなの、?


、、いや、そんなわけ無いよね。


、、だって、僕のこと突き飛ばしたんだよ??


ありえないよね。許婚突き飛ばすとか。


、、、そっか、僕達、婚約させられてるんだった。


突き飛ばされたショックで記憶が曖昧になる。


僕はようやくトイレの個室から出て、ゆっくりと自宅へ向かう。


通学路をのんびりと歩いていると、金木犀がきれいに咲いていた。


今年の金木犀は長生きだなと感じながら歩き続ける。


明日は、学校休んじゃお。















浅木side


翌日、白崎は学校を休んだ。


今この状況で会ってもただ気まずいだけだし、俺にとっては好都合だった。


、、けれど、隣の席に誰もいないという事実が、正直寂しかった。


謝りたい。


あいつを突き飛ばすとか、人間として終わってる。


俺は、本当に、なんてことを、


授業の内容が全く頭に入ってこなかった。


結局放課後まで本調子ではなかった。


明日、白崎に謝ろうと思う。


お願いだから学校に来てくれ、、














ゆかside



何もしないで、ただ寝室の天井を見つめて、これからのことを考えていたらあっという間に


夜中になってしまった。なんだかこの1日を無駄にした気がする。


とはいえ、気力がわかない。スマホを見ても楽しいことなんてなかった。


ゆか「、学校、どうしよう、、、」









行くか、、、


僕は早起きに備えてそのまままぶたを閉じる。





登校中、どうしても浅木と仲直りしたい気持ちが出てきた。


僕が悪いのはわかってるから、、


心のなかでごめんねシュミレーションをしながら歩き続けた。


昇降口で靴を履き替えてから、僕は早足で廊下を歩いた。


はやくごめんねを言いたくて、早く仲直りをしたくて。


すると、目の前にいた女子にぶつかってしまう。


ゆか「っあ、!ごめんなさいっ!」


そう言って通り過ぎようとした瞬間、


腕を強く掴まれる。


麗華「ちょっとぉ〜??謝っただけですむと思ってるのー??」


僕はこの間のことを思い出して手の震えが止まらない。


ゆか「っ、離して、!」


瑠奈「は?何いってんの?ごめんなさいで済むわけ無いでしょって。日本語通じる?」


ゆか「あとでしっかり謝るからっ、、!!おねがいっ、今は離してッ、、」


麗華「今ここで土下座して謝れって言ってんだよ!!!!!」


泣きそうな声で必死に訴える僕を無視して大きな声を出す麗華。


麗華「あーガチムカつく。おい、こいつ押さえて。」


麗華がそう言うと2人が素早く動いて僕を羽交い締めにする。


ゆか「ぁ、やだっ、、」


麗華は殺虫剤を僕に向ける。


麗華「ゴキブリは排除しなくっちゃね。」


目をぎゅっと瞑る。


ゆか「やだっ____ッ!!!!!」














シューーーッ


浅木「げほっ、ごほっ、、、」


ゆか「浅木、??」


目を開けると、僕の前に立っている浅木の姿がかすかに見える。


麗華「浅木くん?!?」


瑠奈「ちょ、これやばいよっ、」


りん「あ、ウチらの出番?」


いと「お前らの悪行、全部浅木から教えてもらってるし、


証拠動画もあるよ。」


2人が駆けつけてきたときの安心感を覚えながら、浅木に駆け寄る。


ゆか「浅木っ、、!!!なんでっ、、、、なんで、、!!!」


浅木「ゲホッ、、ゴホッ、、」


浅木は咳き込みながらゆっくりと僕を抱きしめる。


ゆか「ッ、?」


浅木「、、悪かった、事情は後で説明する、


、、ただ、今はこうさせてくれ、」


僕は突然の抱擁に戸惑いながらも、久しぶりの温もりに目頭が熱くなる。


ゆか「っ、、ぼくもごめんなさぃぃぃ、、、」


僕は浅木の肩に顔を埋めて号泣する。


浅木は驚きながら僕の背中を優しくさすってくれた。


浅木の態度も、体温も、あったかかった。





その後、3人組は停学処分になった。


後から浅木の事情を聞いて再び号泣したことはまたいつかのお話。












浅木「白崎、今日も俺ん家来いよ」


浅木は僕に駆け寄って話しかける。


ゆか「うん、いいよ。」


僕はニッコリと頷いて、ようやく慣れた高級車にゆっくりと座る。


そして執事さんが重い扉を開けてくれる。


ゆっくりと玄関に入ると、全方向ブランドが待ち構えていた。


正面で見ても♪横から見ても♪下から見てもブランド品♪で♪


困っちゃ〜う♪


ここは全方向ブランド♪


浅木ママ「いらっしゃいゆかちゃん。今日はね、


久しぶりにお兄ちゃんが帰ってきてるのよ。」


ゆか「おにいちゃん、、??」


僕が首を傾げて浅木の方を向くと、浅木はなんだか神妙な面持ちをしていた。


そのままリビングへ案内されると、男の人が座っていた。


??「こんにちは。ゆか。」


ゆか「は、、???」


一瞬時が止まったような気がした。


優紀「久しぶり。」


こいつ、、、、


私の元彼、










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